アラスカ沖の太平洋の暗く凍るように冷たい水の中で見つかった小さな緑色の海綿は、膵臓がんに効果のある初の武器になるかもしれないと、研究者らが7月26日に発表した。膵臓がんは治療が難しいことで悪名高い。「この海綿を見て、奇跡を起こすかもしれないとは誰も想像しないだろう」と米海洋大気局アラスカ漁業科学センターのボブ・ストーン氏は語った。ストーン氏は、この海綿(学名:Latrunculia austini)を2005年にアラスカ探索での海底探査中に発見した。深さ70〜220メートルにある一帯の岩盤に生息している。研究所の調査で、この海綿に見られるいくつかの分子は、膵臓がんの細胞を選んで破壊することが示された。