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2017年8月11日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Character cafes (p. 10)

キャラクターカフェ

普通、レストランに1ヵ月以上前に予約を入れるときは、何かすごく豪華なものを予想するだろう。たくさんの素晴らしい料理が楽しめるおいしいメニューを想像するはずだ。

まず予想しないであろうものは、ファミリーレストランでも食べられるような味の、ケチャップで猫のラフなスケッチが描かれたオムレツだろう。それでも、私はまさにこんな食事のために、かなり前もって新しくできたレストランに席を予約した。しかし、本当は、ここは食べ物を目当てに行く場所ではない。

私は、原宿のねこぺん日和カフェを開店日の夜に訪れた。東京で最近登場した「キャラクターカフェ」だ。こうした場所は、特定のキャラクターを中心に展開する ― サンリオのかわいらしいマスコット(ハローキティやぐでたま)から人気のアニメ(『君の名は。』、おそ松さん)まで幅広い。私が訪れたキャラクターカフェは、ラインとツイッターで人気になったペア(猫とペンギン)のキャラクターをテーマにしたカフェだった。自分たちのキャラクターカフェができるとは、このキャラクターも本当に出世したものだ。

こうした飲食店は渋谷のパルコ百貨店で3年ほど前に出現し始めた。ドラえもんやミッフィーなどの特定のキャラクターをテーマにした期間限定の店が一時的に入った。壁はキャラに合わせたかわいらしい飾りで覆われ、食べ物はキャラクターそのもののような見た目をしていることが多い。この期間限定オープンの店を楽しもうと、客は何時間も並んだ。そして、このアイデアはすぐに全国に広まった。

食べ物の実際の味は、肝心ではない。キャラクターカフェは、食べ物の見た目とカフェの雰囲気が、現在では顧客にとっていかに重要であるかを示している。こうした特別な場所は、ソーシャルメディアが好きな人々のためにデザインされ、セーラームーンやリラックマをテーマにしたレストランは、来店客にインスタグラムなどのサイトに写真をシェアするように積極的に勧めた。食べ物そのものは特にわくわくするものではない ― 本来あるべき値段よりもやや割高だ ― が、誰も気にしていないようだ。

それにそんなことはよくて、私は猫とペンギンにそれぞれ何となく似ているオムレツとミルクセーキに2,000円以上お金を落とすことに全く賛成だ。ほとんどの人たちは、キャラクターカフェでミシュランの星付きの食事を食べることはないと分かっていて、それでも問題ないと思っている。彼らは、面白い場所で食事をし、インターネットでシェアできる写真をたくさん撮る機会を欲しているのだ。これは、われわれが今いるソーシャルメディアにどっぷり浸かった世界を反映しており、かなり楽しい発展だ。

それでも、キャラクターカフェが今は少し多すぎるかもしれない。私が卵料理のディナーを食べた帰りに駅へ向かう途中、他にも3ヵ所見つけた ― サンリオのポムポムプリン、アザラシのキャラクター、私の知らないアニメ番組のものだった。私にはこの夏、ねこぺんで十分過ぎたように思う。

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