大学生活の楽しみの1つは、学生のクラブに参加することだ。ほとんどのキャンパスには、さまざまな団体があり、学生の社会的、教育的経験を豊かにしている。クラブ活動に参加すれば、関心のあることを追求し、視野を広げ、新しいスキルを開拓したり、新しい友だちを作ったりすることができる。
日本では、大学のクラブ活動は主に3つのタイプに分かれている:野球や剣道、テニスといったスポーツのクラブ;音楽や演劇、美術といった文化系のクラブ;天文学や歴史、法律といった学術的なクラブだ。ほとんどの大学には学生自治会と大学の新聞もある。
海外の大学にもこの3つはそろっているし、さらにまだある。政治、宗教、アイデンティティー、地域社会の活動などに関連するクラブを多数目にすることもよくあるだろう。
アメリカの「ヤング・リパブリカン」のように政党を支持しているクラブもある。他にはアムネスティ・インターナショナルのように人権問題に取り組んでいるものもある。それからイスラム教徒やユダヤ教徒、キリスト教徒といった信仰を持つ学生を支援するものもある。
アイデンティティーに関するクラブは、特定の人種や民族、社会集団に属する学生を集める。これらには、黒人の学生、アジア系の学生、自分をLGBT(性的少数者)と認識する学生たちのためのものがある。地域社会の活動に関連するクラブは、学生が難民に勉強を教えたり、障害を持つ子どもたちの手助けをしたり、環境問題に取り組んだりすることで、社会に貢献できるようにしている。
大学生のとき、私は学生カウンセリングクラブに入っていた。このクラブは、学業に関する問題や、個人的な悩み、金銭面の問題を抱える学生にアドバイスや支援を提供していた。
クラブには私を含めて50人いた。仕事をするための準備として、私たちはプロのソーシャルワーカーとクライシスカウンセラー(危機的状況にある人に対処するカウンセラー)から特別な訓練を受けた。
私たちの仕事は、学生カウンセリングデスクにスタッフとしてつき、クライシス・ホットラインへの電話に応じることから成っていた。デスクを運営するのはかなり楽だった。通常は迷った学生に道を教えたりといった、ささいな問題を解決したりしていた。
ホットラインに応じるのはもっと精神的疲労が大きく、特に深夜はそうだった。電話が鳴ったら、誰がかけてくるか、彼らがどんな問題に直面したのか、分からない。何にでも対処する用意をしていなければならなかった!
恋人や親などとの個人的な悩みを話すために電話をしてくる学生もいた。成績についての不安から電話をかけてくる人もいた。孤独を感じて、誰かと話すためだけに電話をかけてくる人もいた。お金やセックス、薬物に関する助言を求める人までいた。
一番大変な電話は、うつ状態にあったり、自殺を考えていたりする学生からの電話だった。孤立していて、ホームシックにかかり、友人を作ることができない人もいた。授業や宿題、学生生活のストレスに打ちのめされている人もいた。彼らの問題に対処するために、私たちは訓練を受けた全てのことを活用して丁寧に話を聞き、共感を示し、質問をし、別の可能性を提示しなければならなかった。
カウンセリングクラブでのボランティアは、私がコミュニケーション能力を伸ばすのに役立った貴重な経験だった。ストレスの多い現代社会に対処するのに苦労している多くの人々にカウンセリングや支援を提供するのは重要なことだ!