オーストラリアの議会選挙における右派寄りへの動きは、若い保守派の星、セバスチャン・クルツ氏が次期の指導者になる道を開き、復活した極右に権力の座に戻る活路を開いた。
31歳のクルツ外相を5月に党首に選んだばかりの国民党は10月15日、反イスラムの自由党と移民政策に関してはほとんど差がない強硬路線で、明白な勝利を確実にした。しかし、クルツ氏はまだ過半数には程遠く、連立を組んで議会を掌握するのに十分な議席を獲得しているのは他に2党しかない。
「実に感激している」とクルツ氏は投票が締め切られた後、声援を送る支援者に語った。「私たちは不可能を可能にした。皆さんの尽力と今日の歴史的な成功に大いに感謝する」。
クルツ氏の政党(国民党のこと)のマニフェストは、欧州委員会の権限の縮小と、域内貿易やEUの範囲を定める外部の国境を確保するといった「中核能力」に焦点を絞った、合理化されたEUを求めている。しかし、クルツ氏は具体的な計画については返答を控えた。
オーストリアは、2015年に始まったヨーロッパ難民危機の間に中東などから戦争と貧困を逃れてきた100万人以上の人々にとってドイツへの玄関口だった。