オーストラリアの議会選挙における右派寄りへの動きは、若い保守派の星、セバスチャン・クルツ氏が次期の指導者になる道を開き、復活した極右に権力の座に戻る活路を開いた。
31歳のクルツ外相を5月に党首に選んだばかりの国民党は10月15日、反イスラムの自由党と移民政策に関してはほとんど差がない強硬路線で、明白な勝利を確実にした。しかし、クルツ氏はまだ過半数には程遠く、連立を組んで議会を掌握するのに十分な議席を獲得しているのは他に2党しかない。
「実に感激している」とクルツ氏は投票が締め切られた後、声援を送る支援者に語った。「私たちは不可能を可能にした。皆さんの尽力と今日の歴史的な成功に大いに感謝する」。
クルツ氏の政党(国民党のこと)のマニフェストは、欧州委員会の権限の縮小と、域内貿易やEUの範囲を定める外部の国境を確保するといった「中核能力」に焦点を絞った、合理化されたEUを求めている。しかし、クルツ氏は具体的な計画については返答を控えた。
オーストリアは、2015年に始まったヨーロッパ難民危機の間に中東などから戦争と貧困を逃れてきた100万人以上の人々にとってドイツへの玄関口だった。
LGBT支援団体と教育関係者らは、中学校と高校の生徒が着ていて最もしっくりくる制服を選べるようにすべきだと述べた。
FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)代表の石崎 杏理さんは、10月14日に福岡で開かれたシンポジウムでそのメッセージを訴えた。日本の学校の制服はたいてい、男子用・女子用がはっきり分かれる:男子はズボンを履いて、女子はプリーツスカートを履く。
しかし、生まれた時とは異なる性別だと自分を認識している生徒もいるかもしれないと、石崎さんはシンポジウムで述べた。石崎さん(33)は、女性として生まれたが、自分を男女のいずれかだとはっきり認識していない。旧来の選択ではなく、全ての学生が「ズボンかスカートか、リボンかネクタイかを選択できる」ブレザーの制服を石崎さんは提案した。
福岡県内の女子高校の校長もシンポジウムで話した。彼は、4月から自校の生徒はスカートかズボンかを選べるようになると述べた。
世界最古の玩具店によると、遊んでいるときに吠えたり、のどを鳴らしたり、動いたりする「Tyler the Playful Tiger」が、クリスマスに最も需要があると予想される(ロボットなどが)自然な動きをするおもちゃの1つだという。
イギリスのエリザベス女王がかつて子どもたちにおもちゃを買ったこともある玩具店「ハムリーズ」は、「人工知能のおもちゃ」が2017年に大ヒットするだろうと考えている。この玩具店が毎年発表しているクリスマスの人気おもちゃトップ10には、人工知能やロボット工学を活用したおもちゃが多数含まれている。Tylerは135ポンド(2万円)で販売され、話しかけると反応する。
「明らかに(テクノロジーの)影響がおもちゃにも及んでいる。非常に洗練されてきた」とハムリーズのバイヤー主任のビクトリア・ケイ氏は10月12日に述べた。「こうしたおもちゃは学習し、発達する」。
「話しかけたら反応してくれる(おもちゃが好き)」と、6歳のリリー・ハルクス=ダッドマンちゃんは、ロンドンのウェストエンドにある創業136年の店(ハムリーズのこと)で「Tyler the Playful Tiger」を抱いて話した。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、安倍晋三首相との会談と、1970年と1980年代に北朝鮮によって拉致された日本人の家族との面会のために、11月5日から日本を訪問すると、ホワイトハウスが10月16日に発表した。
トランプ大統領が、「国際社会に、北朝鮮に対する圧力を最大化することへの参加を呼びかける」と、ホワイトハウスは声明で述べた。
安倍首相とトランプ大統領の会談と、トランプ大統領と拉致被害者家族との面会は11月6日に行われる見込みだと、日本の関係者は述べた。
沖縄県議会は10月16日、10月11日に起きた、辛うじて死者は出なかった米軍のヘリコプター墜落事故に抗議し、また、このヘリコプターが着陸できずにそれた訓練地帯にあるヘリパッドの使用を停止するよう求める決議を全会一致で可決した。
この決議は、米軍の(沖縄県内にある)北部訓練場に6ヵ所のヘリパッドが建設されてから、私有地の上空での演習が増えたと述べている。ヘリパッドの中には、住宅がある地域に近い場所もある。10月11日、CH-53E大型輸送ヘリは民家からそう遠くない場所に緊急着陸した。
17歳の女子高校生をデートサービスに雇ったとして、男が1人、東京で逮捕されたと、警察が10月16日に話した。伝えられるところによると、女子高生は45歳の客を相手に売春させられたという。
この逮捕は、18歳未満の少女を「JK」サービスに雇用することを法的に禁止し、7月に施行された東京の新条例の初の(逮捕)事例となる。「JK」サービスとは、女子高生と客を組み合わせるビジネスだ。
田中豊容疑者(27)は、17歳の少女を合法な年齡に達しているかどうか確認せずに雇用した疑いで、10月14日に逮捕された。
東京の上野動物園では、12月にジャイアントパンダの赤ちゃん「シャンシャン」を公開する前に、園内の喫煙を完全に禁止することを検討している。そうすると、全面禁煙にする東京初の動物園になると、上野動物園の運営者は10月16日に発表した。
「もし、全面禁煙にできなければ、煙が外に漏れないように改善された喫煙室などの措置を検討する」と、東京動物園協会職員のコウゴ・タカヒロさんは話した。
東京都の小池百合子知事も、東京オリンピックに向けて、ほとんどの公共の場所を禁煙にすることを推進しようとしている。
モガディシオで10月14日に2つの爆弾が爆発し、300人以上が死亡したと、10月16日に関係者が明らかにした。地元の人々は友人や親戚を探して病院に詰めかけた。
この発表の時点で、攻撃の犯行声明を出している組織はなかった。この攻撃はモガディシオ市内の2ヵ所の混雑した交差点を襲った。
「この爆発で300人が亡くなったことを確認した。未だに行方不明の人もおり、死者数はまだ増えると思われる」と、同市内の救急当局者は述べた。この爆発は、ここ10年でソマリアで起きた最も多くの死者を出した攻撃だった。
イラク政府軍は10月16日、クルド人自治区の分離独立を問う住民投票を受けて、イラクのパワーバランスを変容させる大胆かつ素早い攻撃でクルド人が統治する主要な油田都市キルクークを制圧した。
キルクークで活動するある支援団体は、クルド人のペシュメルガの戦闘員と、イラク軍兵士の数人が深夜の衝突で死亡したと述べた。
バグダッドとクルド人自治区の間での戦闘は、イラクの14年にわたる紛争に全く新たな戦線を開き、トルコとイランを巻き込む可能性がある。
かつては3年間の重労働というリスクを冒していた北朝鮮の賭けをする人たちは今、この孤立した国(北朝鮮のこと)が国際社会からの制裁の強化を受け、慌て新しい外貨の源を獲得しようとする中、地元の競馬で賭けができるようになった。
北朝鮮の国営通信社、朝鮮中央通信(KCNA)によると、一連のレースが10月15日に美林乗馬クラブで開かれた。美林乗馬クラブは、北朝鮮の指導者の金正恩氏が平壌近くに建設した娯楽施設だ。
レースに行く人は12歳以上で賭けをすることができる。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領による麻薬撲滅戦争についてフィリピンの人々の4分の3近くが超法規的な殺人がこの取締で行なわれていると考えてはいても、約10人中9人のフィリピンの人々がこれを支持していることが、10月16日の世論調査で示された。
9月に実施されたパルス・アジアの調査では、回答者に対し、警察と兵士が「法のルールに基づかない」方法で人々を殺していると思うかどうかを尋ねた。超法規的な殺人はないと考えているのは5分の1前後で、6月の29%から減少した。数千人のフィリピン人が麻薬撲滅の戦いで死亡した。
年月を経て結婚の絆が深まっていった男性は、結婚がうまくいかなかった男性に比べて、コレステロール値と血圧が健康的だと、10月10日に研究結果が示した。研究者らはイギリスで600人以上の男性に自分の結婚の質を以下の2つの時点で評価するよう求めた ― 子どもが3歳のときと、9歳になったときにも。男性たちは、一貫して良い、一貫して悪い、良くなってきている、悪くなってきているのいずれかで結婚生活について表すことができた。さらに12年後に、研究チームらは参加者の健康を状態を計測した。結婚生活が「良くなってきている」とした男性たちは数年後、コレステロール値が良好で、より健康的な体重になっていた。
海氷の異常な厚さが原因で親のペンギンが食べ物を求めてあまりにも遠くまで行かなければならなくなり、自然保護活動家らが10月13日に「壊滅的な繁殖の失敗」と呼んだ出来事の中で、南極大陸の何千羽ものペンギンのひなの命が大規模な餓死によって奪われた。世界自然保護基金(WWF)の支援を受けたフランスの科学者らは、2010年から東南極でアデリーペンギンのつがい18,000組のコロニーを調査してきたが、2017年初頭の直近の繁殖期に生き残ったペンギンのひなは2羽しか発見されなかった。科学者らは、この悲惨な状況を、今夏後半に海氷が広範囲に及んだことが原因だと考えている。つまり、親ペンギンが食べ物を探しに遠くまで移動しなければならなかったため、大半のひなが待っている間に餓死してしまったということだ。
タコは、伸びたり曲がったり、皮膚の形を変えたりすることができ、擬態の達人である。
この知能の高い頭足類にヒントを得て、アメリカの研究者らは10月12日、同じように擬態できる新素材を開発した。この素材は、突起状の細胞 ― タコやイカが5分の1秒で自分の体をカモフラージュするのに使う小さな突起 ― に似た立体の突起物を用いている。
研究者らは、この技術は自然環境での調査や動物研究に使われるソフトロボットを覆う素材として将来活用できる可能性があると述べている。
肥満の子どもと若者の昨年の人数は、世界で1975年より10倍以上増えているが、それでも低体重の子どもの数が上回っていると、10月11日にある研究が発表した。栄養不良との「二重の負担」を警告し、研究者らは肥満の増加率が栄養不良の減少をはるかにしのいでいると述べた。「もし、2000年以降の傾向が続けば、子どもと若者の肥満は2022年までに中度と重度の栄養不良を超えると予測される」と研究者らは医学誌『ランセット』で書いた。研究チームは、5歳から19歳までの肥満の男子の数は2016年に7400万人で、40年前の600万人から増加したことを明らかにした。女子については、この数は500万人から5000万人に膨れ上がっている。
クリオネ(巻貝の一種)の新種が富山湾内で見つかったと地元の大学が10月12日に発表した。この発見は、富山大大学院のZhang Jing教授が率いる研究チームによるものだ。Zhang教授は、日本で最も深い湾の1つである富山湾内の生態系を研究している。研究者らは、この種 ― クリオネでは5番目の種 ― が以前発見されたものではないことを確認した。「(北極付近の)冷たい海に生息する生き物をこんなに南に離れた場所で発見するとは驚きだ」とZhang教授は語った。クリオネは「海の天使」としても知られ、主に北極や南極周辺の冷たい水域に生息している。
科学者らは自然界で最も刺激の強い謎の1つに答えた:世界で最もくさい果物にその特有のにおいを与えているものとは何なのか? シンガポールの科学者らは10月9日、ドリアンのゲノム地図を作成したと発表した。彼らは、揮発性硫黄化合物と呼ばれる臭いの成分に対応する遺伝子のグループを特定し、これらの遺伝子は果実が熟すにつれて極めて活発になり、珍しいにおいを出させることを突き止めた。「ドリアンの臭いの主要な要素は、揮発性硫黄化合物で、腐ったようなにおい、玉ねぎのような臭い、腐った卵のような臭い、硫黄のような揚げたエシャロットの臭いとして特徴付けられる」と、シンガポール国立がんセンターの副所長で遺伝学者のBin Tean Teh氏は語った。
ロンドンの水道は油やおむつなど下水道に溜まる大きなごみの塊で詰まるが、スイスの排水設備は銀と金がちりばめられているようだ。
調査員らは昨年、下水処理施設の廃水とヘドロから、銀3トン、金43キロを検出した。金額にして約300万スイスフラン(3億5000万円)に相当する。
しかし、人々が貴金属を得ようと下水管を探しはじめる前に、政府の研究は、これらの小さな欠片はほとんどが、製品と製造工程で金属を用いる時計の製造、医薬品、化学産業の製造から出されているものだと思われると発表している。
「怒った男性や女性がトイレに宝石を流す話は聞いたりするが、残念ながら指輪は全く見つからなかった」と調査報告書を書いたBas Vriens氏は10月12日に述べた。
「金や銀はマイクログラムもしくはナノグラムの極小レベルだが、まとまるとかなりの量になる」。
調査員らは現在、焼却前に下水のヘドロに行き着く金属を抽出するだけの価値があるかどうかを現在研究しているが、これまでのところ、費用対効果があるかは分かっていない。
シンガポールでは食べ物のブームは大抵長続きしないが、塩漬け卵黄は今も至るところにある。
魚の皮を揚げた料理とポテトチップス、アイスクリーム、揚げたカニ、チキンバーガー、クロワッサン…。塩漬け卵黄の料理とスナックは今でも庶民的な飲食店やレストラン、カフェ、そしてファストフード店でさえも出て来る。
この流行は数年前に始まったが、塩漬け卵黄は決して新しいものではない。その食材は、アヒルの卵の塩漬けに由来しており、これは600年以上前にさかのぼる典型的な中国料理の食材だ。
今日では、アヒルの卵の塩漬けは卵を塩水に浸して作られることが多い。その卵黄は煮物や焼き物のほか、塩味のきいたごちそうや甘いデザートの風味付けにも使うことができる。
ミシュランガイド・シンガポールのウェブサイトによると、シンガポールにおける塩漬け卵黄のブームは、liu sha bao(流沙包) ― 溶けた塩漬け卵黄のカスタードが詰まった中華風蒸しパン ― が香港からシンガポールに到来した2011年に始まったという。あつあつのクリーミーな液体が蒸しパンの真ん中からあふれてくるのが大好きな人も多い。そのカスタードは甘じょっぱくてクリーミーだ。点心のメニューで人気が高まり、定番となった。蒸しパンを割ると真ん中の液体があふれ出て来る様子を映したインスタグラムの映像を何度も見たことがある。
数年後、シンガポールで塩漬け卵黄のブームがさらに盛り上がり、収まる兆しは今もない。複数の調味料ブランドが家庭で塩漬け卵黄が入った料理を簡単に調理できる塩漬け卵黄のパウダーを発売した。BBCの『グッドフード』マガジンでさえも、自家製の塩漬け卵黄のレシピを掲載している。そのレシピでは「サラダやパスタ、アボガドを載せたトーストのトッピングに最高」と表現している。また、「パルメザンチーズは忘れて、この珍しい旨みのある卵黄をすりおろそう」とも書かれている。
塩漬け卵黄風味の揚げた魚の皮のスナック ― 230グラム入りで16シンガポールドル(1,330円)からで、30分並んで買った ― を衝動的に食べて、私はこの流行を理解し始めている。たぶん、この甘くて塩気のきいた濃厚な味がほとんど何にでも合うのだろう。食欲をそそる香り、それとも自然と惹かれるオレンジ色のせいだろうか? 塩漬け卵黄に人々を大満足させる要素が合わさっているからかもしれない。
塩漬け卵黄そのものは好きではないが、風味付けやソースに使われていると、コレステロールがどれだけ高いかなんて忘れ、あらゆる抑制を放り出してしまう。
この流行はどのくらい続くだろうか? だれにも分からないが、今のところは、塩漬け卵黄は続きそうだ。シンガポールに来たら、食べてみてください。たぶん、日本の料理にも合う。塩漬け卵黄ソースのしゃぶしゃぶや塩漬け卵黄入りのラーメンはいかがだろうか?