切手収集家が郵便切手を売買できたカウンターが日本のどこの百貨店にもあった頃を覚えているだろうか? あの頃はなんて楽しかったのだろう! 子どもの頃、私は学校の帰りによくこうしたカウンターに立ち寄った。切手に見ほれ、世界中を旅している想像をしたものだった。
私はかなり若い頃から郵便切手を集め始めた。父は趣味と賢い投資を兼ねて切手収集を勧めた。父は世界中から手紙を受け取っていた。だから、私の家にはいつも面白い切手がたくさんあった。私の切手コレクションは大人になったら大変な値打ちが出るだろうと思っていた。
人生のほとんどの間、私が興味を示したのは芸術品や自然を描いたカラフルな切手ばかりだった。肖像画の切手―国家指導者や歴史上の人物の顔が載った単色の小さな切手―には見向きもしなかった。
しかしそれは、切手でひともうけをする非現実的な夢を諦めた数年前に変わった。私は自分のコレクションの中から未使用の切手を選んで、友人や家族に送る手紙や小包に貼り付けることにした。
こうするにつれ、肖像画の切手をもっと気にかけるようになった。インターネットで、肖像画の切手の背景を調べた。そして、切手に描かれている人々の多くには素晴らしいストーリーがあることを知った。
こうした人々が切手で記念されるにはそれなりの理由があった。彼らの多くが世界の歴史を形成し、何世代にもわたって人々を励ます有名な格言を残し、芸術、音楽、文学、科学、外交関係を豊かにした。
この肖像画の切手を私なりの方法で称える着想を得た。使用済みの肖像画切手を「スタンプ・ピープル」というポストカードにコラージュを作る目的で使った。古い雑誌から取ったカラフルな紙で、誇張した、やや非現実的な体を作って、肖像画の顔に添えた。各カードの無地の背景に、切手の人物に合った言葉を書いた。
「スタンプ・ピープル」を作るのは、歴史を学ぶ素晴らしい方法だ。教科書で名前と日付を記憶するよりもずっと面白い。この発見は、今年私に起こった中で最も良い出来事の1つだ。
最初は、私はエーブラハム・リンカーンやアルベルト・アインシュタイン、ヨハン・セバスチャン・バッハなど有名な人々の肖像画を使っていた。馴染み深い顔ぶれを使い尽くしてからは、自分が知らなかった人の肖像画について調べた。このようにして、私は日本郵便を創業した明治時代の人物である前島密や、女性の教育の分野の先駆者であるアメリカ人のメアリー・リヨン、フランスの自由の象徴であるマリアンヌについて学んだ。
もし興味をお持ちなら、私の「スタンプ・ピープル」はインスタグラムでdosankodebbieを検索すると見ることができる。