安倍晋三首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領は11月6日、北朝鮮に核兵器と弾道ミサイルの開発を強制的にやめさせるために、最大限のレベルの圧力をかけることで東京で合意した。赤坂離宮迎賓館での共同記者会見でトランプ大統領は、北朝鮮政府による核実験と弾道ミサイルの打ち上げは「文明社会及び国際的な平和と安定に対する脅威」であり、「戦略的忍耐の時代は終わった」と述べた。
トランプ大統領は、日本はアメリカの軍事機器を購入すれば北朝鮮のミサイルを「空から」撃ち落とすだろうと述べた。安倍首相は、首相自身としては日本政府は「必要があれば」そうするだろうと述べた。
トランプ大統領は、日本に対し、アメリカとの貿易黒字を少なくするようにせまり、アメリカの武器をもっと買うように迫ったが、安倍首相は貿易黒字に関する質問はかわした。
共同記者会見の直前に、安倍首相とトランプ大統領は、有名な拉致被害者の横田めぐみさんの母親を含め、1970年代、80年代に北朝鮮に拉致された日本人の家族とも面会した。トランプ大統領は、拉致問題を「大変恥ずべきこと」と述べ、安倍首相と協力して拉致被害者を日本に取り戻すために努力すると誓った。
ナチスに略奪された品を含む美術品が11月2日にドイツで初めて展示された。学芸員らは、略奪美術品の正当な所有者を今でも見つけようとしている。
250点前後の美術品は、ドイツの美術商ヒルデブラント・グルリットが集めたコレクションによるものだ。彼は、ナチスのために略奪美術の販売を手伝った。ナチスはドイツの美術館と収集家から作品を略奪した。
コレクションのうち1500作品はグルリットから息子に受け継がれ、その後、2014年にスイスのベルン美術館へ渡った。作品はベルン美術館とドイツのボンにあるドイツ連邦共和国美術展示館の両方で展示されている。ボンでの展示には、個人の収集家から盗まれた作品も含まれている。
専門家らは展示されている作品のうち、少なくとも2作品は略奪美術品だと述べる。他の作品も略奪美術品だと分かるかもしれない。ボンでの展示にはクロード・モネとマックス・ベックマンの作品もある。
栃木県で育てられたユウガオの実で作られたスピーカーが、音質の良さとアニメキャラのような見た目で、音楽を聞く人々を引きつけている。
スピーカーは栃木県のカーステレオメーカーと農家との調和した協力の成果だ。栃木県では、ユウガオの実を紐状にして乾かしたもの(かんぴょうのこと)を巻き寿司向けに全国に販売している。しかしこの栃木県の名産品は音質も優れていることが分かった。
「ユウガオの実は世界中で楽器を作るのに使われています」と、サウンドテック高橋電機の高橋昭社長は語った。同社は小山市でこのユニークなスピーカーを作っている。
高橋社長(67)は、自然素材の製品が持つ音の可能性に気づき、ユウガオの実を使うアイディアを思いついた。「弦楽器を聞くのに特に適しています」と、高橋社長は語った。スピーカーはサイズにより、16万円から23万円の間で販売されている。
国土交通大臣は11月7日の記者会見で、日産自動車が9月に行なわれた同省の検査に不適切に
対応したと述べた。この検査の際、初めてこの自動車会社(日産自動車のこと)が資格のない
従業員に車の最終検査をさせていたことが発覚した。
石井啓一国土交通大臣は、日産自動車の新たな不正については詳しく述べなかった。しかし、
この件に詳しい情報筋によると、日産自動車は国土交通省に対し、車の最終検査について不
正確な情報を提供していたという。
日本の「ブラック・ウィドウ(富豪の独身男性と次々に結婚し、相手を殺害して富を築く女)
」と呼ばれる連続殺人犯が、2007年から2013年の間に、夫のほか2人の内縁の夫を殺害した
罪と、知人を殺害しようとした罪で、11月7日に死刑判決を受けた。
京都地裁は、筧千佐子被告(70)に極刑を言い渡した。検察側は4つの事件全てで、筧被告は
健康に良い飲み物だと言って被害者をだまし、青酸化合物を飲ませたと主張した。検察側は、
筧被告は借金返済のために被害者の資産を欲しがっていたと述べた。
日本の75歳以上のドライバーに対してより厳しい検査が行なわれた結果、検査を受けた人のう
ち約3万人が認知症である可能性があると分かったと、警察庁が11月2日に発表した。
3月12日から、改正道路交通法は、高齢者の一部に認知機能テストを受けることを義務付け
ている。
9月末までに警察による検査を受けた110万人のうち、30,170人がさらに詳しい検査のために
医師の診察を受けることが求められた。このうち、7,673人が医師の診察を受け、697人の自動
車運転免許が取り消し、もしくは停止となったと、警察庁は述べた。
11月4日、セントラル・リーグのベイスターズとの日本シリーズ第6戦で、ソフトバンク・ホークスは川島慶三が放った11回のサヨナラヒットで4対3で勝利した。これにより、(ソフトバンク・ホークスは)チーム8度目のシリーズ優勝を果たした。
パシフィック・リーグの勝者(ソフトバンク・ホークスのこと)は、横浜で2戦連続で敗北し、ベイスターズが日本シリーズで持ち直してきたところで、ホームであるヤフオクドームに戻ってきた。しかし、ホークスはDeNAベイスターズに2点ビハインドから逆転して勝利を確実にし、ベイスターズが日本シリーズで3勝3敗に並ぶのを阻止した。
「今までで最高の気分だ」とホークスの工藤公康監督は語った。
未来に王となるサウジアラビアの王子は、大規模な「汚職対策」の粛清で、王族や大臣、投資家を逮捕して、権力の掌握を強めた。
この粛清のニュースは、サウジアラビアの王が11月4日に、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が会長を務める汚職対策委員会の創設を命じてからすぐだった。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、サウジアラビア王が一番気に入っている32歳の息子で、過去3年間で急速に力を集めた。
粛清で捕らえられたのは11人の王子、4人の大臣、数十人の元大臣だと、高官が11月5日に発表した。
前カタルーニャ州首相のカルレス・プチデモン氏は11月6日、スペインが反逆罪で起訴しているプチデモン氏を審問するまではベルギーで自由に過ごすことができるという判決をブリュッセルの裁判所が下し、拘束を免れた。
スペイン政府がプチデモン氏の分離主義の州政府を解任し、カタルーニャ州議会を解体した後、10月にスペインを離れたプチデモン氏は、12月21日のカタルーニャ州の選挙で独立を求めて自由に選挙運動をすることができる。彼は裁判所の同意なしにベルギーを離れることはできない。
12月の投票は、独立を問う事実上の住民投票となりつつある。
イラン各地で11月4日、テヘランにあるアメリカ大使館の占領の38周年を記念して、数千人のイランの人々が反米集会に参加した。
テヘランでは、数千人の学生と市民が、現在は人質事件を受けて閉鎖されているかつてのアメリカ大使館前に集まった。彼らは「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と叫んだ。デモ参加者らは、アメリカのドナルド・トランプ大統領の人形に火をつけた。学生らはイスラエルとアメリカの国旗に火をつけた。
科学者らは、ギザにあるエジプトのピラミッドに隠された部屋を発見したと発表し、このピラミッドでのこのような発見は19世紀以降初となるかもしれないという。
11月2日に『ネイチャー』誌に掲載された記事で、国際チームはピラミッドの奥深くに(全長)30メートルの部屋があったと発表した。
この空間の目的は不明で、機能を考えられて建てられたのか、それとも単にピラミッドの構造上のすき間なのかもわからない。
科学者らはこの空間を発見するのに宇宙線を活用した。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は11月2日、連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン現議長の任期が2月に満了した際に次期議長に就くようジェローム・パウエル氏を指名した。イエレン議長の利上げへの慎重なアプローチを支持する穏健派の理事会メンバーを選んだ形となった。パウエル氏(64)は、1979年以降初めてのエコノミストではないFRB議長になる。パウエル氏は、継続を望む投資家を安心させる安全な人選と見られている。トランプ大統領は発表の際、パウエル氏が5年間の理事会で「同僚から尊敬と称賛」を獲得してきたと述べた。トランプ大統領は、女性で初めてFRBを主導したイエレン氏も称えた。
Airbnbは11月6日、国内旅行の需要増を求めて、日本最大の航空会社全日空(ANA)とその子会社ピーチ・アビエーションと業務提携を締結したと発表した。この提携で、利用者はANAまたはピーチのウェブサイトでAirbnbの物件を予約するとマイルとクーポンをもらえるようになる。
Airbnbはプレスリリースで、このサンフランシスコを拠点とする会社(Airbnbのこと)が日本の航空会社と提携するのは初めてで、この提携で同社のサービスと同社が「新しい旅行スタイル」と呼んでいるものへの関心が高まることを期待していると述べた。
ソニーは11月1日、10年以上前に生産を中止した後もカルト的なファンの心を動かした犬型ロボット「AIBO」を復活させると発表した。この大手電機メーカー(ソニーのこと)は、人工知能で動く新しいAIBOを、1月11日に198,000円で販売すると述べている。新しい所有者は、クラウド型のサービスを利用する3年プランに9万円(月額2,500円)を支払う必要もある。このサービスでは犬型ロボット(AIBOのこと)が技を覚えたり、環境に慣れたりすることができる。AIBOのオリジナル版は1999年に発売され、2006年に生産が中止された。ソニーはこの間に15万台前後のAIBOを販売した。
スバルは11月6日、この自動車会社(スバルのこと)が数十年にわたる問題のある製品検査への対処に向けて、来年3月までの営業年度の年間収益予測を下方修正した。スバルは現在、2017年度のグループの営業利益を3800億円と予想している。8月の予測では4100億円だったが、製品検査の問題を是正するのに100億円かかると見積もったためだ。グループの純利益は2070億円で、2285億円から減少した。この自動車会社(スバルのこと)は、30年間以上、同社の工場のうち2ヵ所で資格を持たないスタッフに最終検査を実施させていたことが発覚して動揺している。
アムステルダムでは、有名な運河沿いをビアバイクでこぎながら酔っ払って風紀を乱す騒々しい観光客について地元住民から長年苦情が寄せられてきた後、「ビアバイク」の禁止(条例)を施行した。11月1日から、「ビアバイクは迷惑行為をなくすために市の中心部では禁止される」とアムステルダム地方裁判所は声明で発表した。ビアバイクは、アムステルダム各地を旅するのに人気の方法となっている―特に観光客の間で人気だ。この機械装置(ビアバイクのこと)は実際には、複数の自転車の座席がバーテーブルに並んだ小さなカートで、乗客がペダルをこぐことで動き、アムステルダム市内の歴史的な運河沿いを移動する。
ニューヨーク市は10月31日、男女間の賃金格差に対処する取り組みの一環として、求職者に対して雇用者が前職の給与について質問することを禁じるアメリカで最初の都市となった。この種の法制度としてはアメリカで初めて発効したものとなる市の新しい条例では、応募者に前職の給与を尋ねたり、公記録で情報を探ったりした雇用者は、最大で25万ドル(2850万円)の罰金を受ける。「給与の履歴について尋ねることを禁じることで、我々は男女間の賃金格差を固定化する雇用慣行を終わらせる」と、この法令を導入した市政監督官のLetitia James氏は声明で語った。
両親から逃げてきた7歳の少女はジュネーブ空港行きの電車に乗り、航空券を持っていなかったにもかかわらず飛行機に搭乗した。
少女は10月29日にジュネーブのセントラルレイルウェイの駅で、親の目を盗んで逃げ、空港まで一駅しか止まらない列車に乗った。彼女の両親はスイス警察に電話をかけ、警察は空港の安全カメラで少女の動きを追跡したと、空港の広報担当者Bertrand Staempfli氏は述べた。
少女は、防犯ゲートを抜けて、近くにいた大人の子どもになりすまし、身長の低さを利用して出発ゲートまで気づかれずに通り抜け、飛行機に乗ったと空港は声明で明らかにしている。
最初の企みでは少女は飛行機に向かう乗組員の後をつけたが、戻された。彼女は群衆に紛れ、親を探しているふりをした。2度目は、彼女は飛行機に搭乗できたが、職員に発見され、警察に引き渡された。
少女は両親と再会した。両親は少女が行方不明になっていることを繰り返し警察に通報していた。家出した理由はすぐには明らかになっていない。
私たちは今、国家主義と軍国主義が高まっている時代に生きている。世界は偏見と差別にあふれている。平和を広げるために私たちには何ができるだろうか?
1つの方法は、過去を振り返り、国際理解のために努力した人々から学ぶことだ。良い例が1927年に日本とアメリカとの間で行なわれた人形交換だ。
1920年代は、日本とアメリカとの間で緊張が高まった10年間だった。日本人とアメリカ人はお互いを恐怖と不信の目で見ていた。
これに対抗するために2人の人物が行動を起こすことにした:アメリカ人宣教師のシドニー・ギューリックと、日本の実業家、渋沢栄一だ。彼らは一緒に、日本とアメリカの子どもたちの間で親善を深めるため、国際的な人形交換のアイディアを思い付いた。
そのプロジェクトは、ギューリックがアメリカの学校に対し、日本へ親善のための人形を送ってもらえるように呼び掛けをして始まった。アメリカ中の子どもたちが彼の求めに熱意を持って応じた。1927年までに、ギューリックは12,000体もの人形を集めた!
これらの人形はサンフランシスコから日本へ船で送られた。どの人形にもパスポート、贈り物、友情の手紙が添えられていた。
「青い目をした」アメリカの人形が到着すると、マスコミで大きな話題になった。人形を歓迎するために国家的な式典が開かれた。それから、この人形たちは、あらゆる市、町、村に、アメリカの子どもたちからの友情の贈り物として配布された。
お返しに、渋沢は日本の人形をアメリカに送る全国的なキャンペーンを立ち上げた。日本中の子どもたちがお金を寄付した。50体以上の「人形使節」―各県からの1体ずつを含む―が送られた:ミス長崎はニューヨークへ、ミス富山はケンタッキーへ、ミス高知はペンシルベニアへ、といった具合に。
この善意の波は10年以上続いた。残念ながら、国家主義と軍国主義の力の方が強まっていった。
1941年に戦争が始まると、アメリカの友情の人形は突然「敵の」人形になった。教師や生徒は、その人形を蹴り、刺し、燃やすように指示された。政府の官僚たちは人形を破壊するように命じた。
第二次世界大戦が1945年に終わり、「青い目をした」人形は歴史の中で失われたように思えた。驚くべきことに、1970年代に、いくつかの人形が発見された。戦時中、何人かの勇敢な日本人の教師と生徒は、命令に背き人形を隠していたのだ。今までに、300の人形が日本中で発見されている。
1927年の人形交換は、90年前のことだ。当時の憎しみと偏見に立ち向かおうとする2人の個人―1人はアメリカ人、1人は日本人―による勇気ある試みだった。生き残った人形は、平和と国際理解の象徴として大切にされている。どの人形にもユニークなストーリーがある。あなたの県にはいくつあるだろうか?