「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2018年1月12日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Sochi champion Hanyu named in Japan team for Pyeongchang (p. 1)

羽生、平昌五輪代表に

ソチ・オリンピックの金メダリストである羽生結弦は、足首のケガの治療を受けているが、平昌オリンピックへの出場権を得た3人の男性フィギュアスケート選手のうちの1人となり、宇野昌磨と田中刑事とともに日本代表になったと、日本スケート連盟(JSF)が12月24日に発表した。

JSFは、武蔵野の森総合スポーツプラザで4日にわたり開かれた全国選手権の最終日に、宇野が田中に大差をつけて男子のタイトルを守った後、この発表をした。

羽生は1月に台北で開かれる四大陸フィギュアスケート選手権を欠場するが、ジャンプを除いて氷の上での練習を再開したと、連盟の小林芳子部長は語った。羽生は11月初めに負傷して以来競技に参加していないものの、昨シーズンの世界選手権での勝利やその他の基準に基づいて、JSAが2月9日から25日まで開かれる冬季五輪への羽生の出場を決めた。

「オリンピックまでの時間を考えると、JSFは彼が復帰できると考えている。日本のエースとして若い選手を引っ張ってくれると期待している」と小林部長は述べた。

4回の全国優勝経験を持つ宮原知子と坂本花織が女子種目で日本代表となる。

Easy Reading

Japan's best friends now cats not dogs, survey says (p. 3)

猫の飼育数、犬を初めて上回る

日本人が飼育するペット数で猫が犬を昨年初めて上回ったことが、ある調査でわかった。犬の飼育数が減ったのはおそらく、日本の高齢化と犬を飼育するコストの高さが原因と考えられる。

ペットフード協会によるこの調査は先月発表された。ペットとして飼育されている犬は892万匹の一方、猫は953万匹だった。この調査は1994年以降毎年実施されている。

「ペットとして飼われている犬の数が減った背景にある最大の理由は、おそらく出生率の低下と人口の高齢化だろう」とイオンペット社の広報担当・石田智子氏は述べた。犬を飼うのを諦めて、猫を飼う高齢者が増えていると述べた。犬は散歩に連れて行ってもらうのを好み、また犬を飼う人は犬に予防接種を受けさせることが義務付けられている。

協会では、犬を飼うのにかかるコストは犬の一生分で160万円なのに対し、猫を飼う場合は108万円だと述べている。

Easy Reading

Chilled music: Musician makes instruments from ice (p. 3)

ロンドンで「氷の楽器」コンサート

ほとんどのミュージシャンは温かくて快適なコンサートをすることを好むが、タリエ・イスングセットさんは冷たいコンサートを好む―氷のように冷たいコンサートを。このノルウェーの作曲家で演奏家(イスングセットさんのこと)は氷から作った楽器を演奏する。

ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで最近行なった演奏で、彼は氷のホルン、氷のドラム、「アイソフォン」―氷のシロフォン(木琴)を演奏した。彼が演奏しているとき、歌手のマリア・スクラネスさんが加わった。

イスングセットさんの目的は、氷の美しさとはかなさを見せることだ。「私はこの演奏を何かもっと大きなものの一部だと考えている。私のプロジェクトや私のエゴではなく―これは何かを構成する要素だ」と彼は語った。

イスングセットさんはスカンジナビア半島の伝統音楽とジャズのバックグラウンドを持つ。しかし、彼はチェーンソーとつるはしを使って自分の楽器を作る。

ロンドンでの演奏用の楽器は、ノルウェーの氷で作られ、イギリスの氷では作られていない。「汚染された水でできた氷だと、音がそこまでよくない」とイスングセットさんは語った。

National News

N Korean charged with stealing from island hut (p. 4)

北の木造船船長を窃盗罪で起訴

北朝鮮の漁船の船長が発電機などの電化製品を北海道沖の無人島から11月に盗んだとして起訴された。

この船長(45)と9人の乗組員はこの無人島付近で11月後半に救助された。無人島の小屋から行方不明になっていた品物が見つかり、船長と乗組員が逮捕された。

検察側によると、行方不明になっていた品々は、テレビ、電化製品、ソーラーパネル、灯台用の部品などを含む約564万円相当だという。

National News

2020 Games torch relay may take 130 days (p. 4)

聖火リレーは「130日」、森会長が見通し

2020年東京オリンピックの聖火リレーは約130日かかるだろうと、東京オリンピック組織委員会の森喜朗会長は12月26日に述べた。

日本の47都道府県を巡るのにはそれだけの時間がかかると、森会長は東京都の小池百合子知事との会合後に語った。国際オリンピック委員会は当初、聖火リレーは100日以内に終えなければならないと述べていた。

「この時点では、我々は東京の都市部全体と、諸島から多摩地域までをどうやってカバーすればよいかと考えている」と、森会長は述べた。

National News

7-Eleven to start labeling foods in English (p. 4)

セブン- イレブン、商品名に英語併記へ

運営会社のセブン&アイホールディングスによると、英語表記のラベルが、セブン-イレブンのコンビニエンスストアで選ばれた調理済み食品に付けられるという。

セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は12月28日、この措置は外国人観光客からの求めに対応してのものだと語った。外国人観光客の数は急増しており、2020年東京オリンピック・パラリンピックを前にさらに増加すると予想される。

おにぎりなどの調理済み食品は、今年から日英併記となる。

National News

Foreign students in Japan schools hit high (p. 4)

外国人留学生、過去最多の26.7万人

日本の学校に在籍している外国人留学生の合計数は2017年5月時点で過去最高の267,042人に達し、そのほとんどがアジアの国々からだったと、政府の関連団体が12月27日に発表した。

独立行政法人日本学生支援機構によると、日本の大学や語学学校に在籍している留学生の数は、前年から11.6%増加したという。

この団体の職員は、在籍数の増加は日本企業がアジア各地で操業していることが理由となっている可能性があると述べた。

World News

Peru grants jailed Fujimori medical pardon (p. 5)

ペルー、フジモリ元大統領に恩赦

ペルーの大統領は12月24日、人権侵害と汚職、そして暗殺部隊を許可した罪で25年間の禁固刑に服していたアルベルト・フジモリ元大統領に医療上の理由での恩赦を認めた。

ペドロ・パブロ・クチンスキ大統領は声明で、フジモリ氏は「不治の病」を患っていると述べ、元指導者の不整脈に言及したものと見られる。

数日前に、フジモリ氏の息子の1人で議員のケンジ・フジモリ氏が率いるフジモリ氏の支持者は、クチンスキ大統領を罷免する投票から彼を守った。

World News

Guatemala to move embassy to Jerusalem (p. 5)

グアテマラ、大使館をエルサレムへ

グアテマラの大統領はクリスマスイブに、この中米の国(グアテマラのこと)はイスラエルの同国大使館をエルサレムに移すと発表し、アメリカのドナルド・トランプ大統領がこの変更を命じた後に続く初の国となった。

グアテマラは、アメリカのトランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムに認定するとしたことを非難する拘束力を持たない決議を国連総会が12月21日に採択した際に、アメリカとイスラエルを支持する投票をしたわずか9ヵ国のうちの1つだった。

アメリカと同じく、グアテマラは大使館を移動する日付を設定していない。

World News

Navalny forced out of Russian election (p. 5)

ロシア、ナワルニー氏の出馬却下

ロシアの選挙委員会は12月25日、ロシアの野党指導者であるアレクセイ・ナワルニー氏の今年の大統領選挙への立候補を正式に阻止し、これを受けて同氏は3月の投票をボイコットするように呼びかけている。

選挙委員会は、汚職に反対する活動家(ナワルニー氏のこと)が立候補できないことを全会一致で決定した。ナワルニー氏は2014年に詐欺罪で有罪判決を受けており、この事件は政治的な報復と見られている。

「我々が参加するように招かれている手続きは、選挙ではない」とナワルニー氏は支持者らに語り、全ての候補者は「意図的に選ばれている」と付け加えた。

World News

Iran sees largest street protests since 2009 (p. 5)

イラン各地で反政府デモが拡大

地元の通信社とソーシャルメディアでの報告によると、12月29日にテヘランほかイラン各地の都市でデモ参加者らが反政府のスローガンを叫んだという。2009年以来最大規模のデモだった。

騒動の勃発は、物価の上昇と汚職疑惑をめぐる不満が高まっていることと、支配するイスラム共和国(イランのこと)がシリアやイラクの紛争などでの、犠牲が多く出ている地域の紛争に関与していることへの懸念を反映している。

ソーシャルメディアでの映像には、首都やその他の都市に大勢の警察の姿が映っていた。

Science & Health

Island offers clues in search for life on Mars (p. 6)

トンガ沖の新島、火星生命探査の手掛かりになるか

トンガの首都ヌクアロファの北東沖およそ65キロで4年前に起こった火山の噴火中に形成された世界で最も新しい島は、火星で生命がどのように発達し得たかを知る手がかりを提供するかもしれないと、アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月13日に発表した。

NASAのゴダード宇宙飛行センターの主任科学者であるジム・ガービン氏は、新たな島で生命のサイクルを研究する貴重な機会だと述べた。彼は、火星にも形成時に海に囲まれていたと思われる同様の火山島が多くあると述べた。このトンガの島で生命がどのように定着するかを調査することは、生命の証拠を火星のどこで探すべきか、科学者が特定する助けになり得ると彼は語った。

Science & Health

Pangolin facing extinction due to trafficking (p. 6)

インドネシアのセンザンコウ、絶滅の危機

インドネシアのセンザンコウは、この極めて絶滅の危機に瀕している動物(センザンコウのこと)の年間数千匹規模の違法取引により絶滅の危機にあることが、ある調査で12月21日に示された。35,000匹以上のセンザンコウ―アリを食べるおとなしい哺乳類で、厚いうろこがある―が、2010年から2015年の間にインドネシア当局によって押収されており、違法取引の規模を明るみに出していると、野生動物の取引を監視する団体「トラフィック」の調査は述べた。

アフリカと東南アジアの一部に固有のセンザンコウは、中国とベトナムで食べられる珍味または伝統薬の原料として珍重されていて、世界で最も違法に取引されている哺乳類となっている。

Science & Health

Mars' missing water may be locked up in stone (p. 6)

失なわれた火星の水、岩石内に存在か

火星の湖や海にうねっていた全ての水に何が起きたのか? 新しい研究によると、その多くが岩石の内部に閉じ込められているかもしれないという。

「研究結果では、火星の玄武岩が地球の水よりも25%ほど多くの水を保持できることが明らかになり、その結果、岩が火星の水を火星の地表から岩の内部に取り込んだことが導き出された」と、この研究に参加した科学者が12月20日に声明で発表した。これまでの研究は、火星の磁場が崩壊したときにその水は強い太陽風によって宇宙に押し流され、一部は地下の氷に取り込まれたと結論づけていた。

Science & Health

People who eat greens have better memories (p. 6)

葉物野菜の摂取で記憶力低下を抑制か

1日に一盛りの葉物野菜を食べることで、加齢による記憶力低下を抑制し、脳をより若々しく保てることが、12月20日に発表された研究で示唆された。

葉物野菜を食べる高齢者とそうでない高齢者との間に見られる差異は驚くべきものだった:前者は年齢にして11歳若い人(の脳)と同等だったと、『ニューロロジー』誌に発表された研究は述べた。

研究はアンケート回答に基づいているため、因果関係を証明するまでには至らなかったものの、科学者は、食生活と加齢との健康上の関連性を示すさらなる証拠を提供するものだと述べた。

Science & Health

Fruit, tomatoes may keep lung disease at bay (p. 6)

トマトや果物が肺機能低下を緩和

1日に2つ以上のトマトを食べた成人は、老化による肺機能の低下率が遅くなり、元喫煙者に最も効果があるようだと、科学者が12月21日に発表した。同様の効果が、特にりんごなどの新鮮な果物を1日に3人分以上食べた人にも観察されたという。

「この研究は、喫煙を止めた人々の肺の損傷を修復するのに食事が役立つ可能性があることを示している」と、研究論文の共同執筆者で、米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のバネッサ・ガルシアラーセン氏は声明を出した。「果物をたくさん摂る食事は、喫煙をしたことのない人でも、肺の自然な加齢のプロセスを遅らせることができることも研究で示唆された」。

Science & Health

Climate change doubles snowfall in Alaska (p. 6)

アラスカ、温暖化で積雪量が倍以上に

アラスカ州中部の積雪量が1800年代半ば以降で倍以上に増加していることが、12月19日に研究で発表された。この研究は地球温暖化に原因があるとしている。デナリ国立公園のハンター山で掘り出された2本の氷の柱から、1840年ごろからアラスカ州中南部で冬季の降雪量が117%増加していたことが明らかになったと、研究者は『サイエンティフィック・リポーツ』誌に書いた。夏季の雪も50%近く増加していた。「アラスカにおける現代の降雪強度が産業革命前の自然な降雪強度よりもはるかに高くなっていることが、我々の氷の柱の記録から紛れもなく明らかになった」と、論文の共同執筆者であるドミニク・ウィンスキー氏は話した。

This Week's OMG!

Best friends discover they're brothers (p. 8)

60年来の友、実は兄弟だった

親友として成長した2人のハワイの男性は最近、実は兄弟だったことを知り、この驚くべきことを年末年始の休暇中に家族と友人たちに明かした。

アラン・ロビンソンさんとウォルター・マクファーレンさんは、60年間友人だった。ハワイで15ヵ月違いで生まれ、6年生のときに互いに出会い、ホノルルの私立中学校では一緒にフットボールをした。

マクファーレンさんは自分の父親を知らず、ロビンソンさんは養子だった。彼らは別々に自分のルーツについて答えを探っていた。

マクファーレンさんは家族の歴史とDNA鑑定のマッチングサイトを頼ったと、ホノルルのKHONテレビは報じた。

「それから、私たちは彼が得はじめた全ての適合結果を丹念に調べ出した」と、娘のシンディ・マクファーレン=フローレスさんは語った。

同一のX染色体を持った1番の適合者はRobi737というユーザーネームだった。ロビンソンさんのニックネームはRobiで、アロハ航空の737便を操縦していたと、マクファーレン=フローレスさんは語った。

ロビンソンさんも同じウェブサイトを使って家族についての答えを探していたことが判明した。彼らは後に、産みの母が同じであることを知った。

Essay

Word association (p. 10)

言葉の連想

私は日本語が好きだ。もちろん、英語を母語として話す人が学ぶには難しい言語の1つではあるが、日本語にはかなり効率のいいものもある。

例えば、職場でのあいさつの「お疲れさまです」は英語には存在しないが、誰かのしている大変な仕事を認めるのに良い方法だ。しかし、日本語の表現の多くが便利なほど、私の生徒たちはときどき、英語に直接置き換えることに集中し過ぎてしまう。このような直訳への依存は他の言語を学ぼうとしている人々にとって物事を難しくしかねない。

直訳は多くの言葉に便利だが、多くのフレーズがこんなふうには翻訳できない。最悪なのは、表現の逐語的な翻訳だ―これはネット翻訳ツールの多くに今でも多く見られる。翻訳の確認をプロにわざわざ頼むことをしなかった、あるいは、頼む余裕のなかったメニューや看板などのひどい翻訳の英語にこれを見ることができる。

私の生徒たちはよく、なぜ直訳がうまくいかないのかの好例を与えてくれる。彼らは、「それは私の疲れを取り去る」と言うことがあり、これは文法的には正しいが、実際はとても変に聞こえる。おそらく彼らが言おうとしているのは、「私はそれをくつろげるものだと思う」ということだろう。先日、ある生徒が、繰り返し「Fall ball」と言って私にある単語を説明しようとした。私はいつもは生徒が何を言おうとしているのかを解き明かせるのだが、このときは途方に暮れた。「fall ball」? 秋の正式な社交ダンスパーティみたいなもの?

やがて、彼が「お年玉」を説明しようとしていたのだと分かった。文字通りには「落とす(fall)」「玉(ball)」のように聞こえる。これを直訳するのではなく、日本語の「お年玉」を、例えば「money(お金)」や「New Year's Day(元旦)」、「give(与える)」、「children(子どもたち)」といった英語の単語に結びつけようとすべきだった。そうすれば、「New Year's money(正月のお金)」といった英語にたどり着いただろう。

彼らは懐疑的だった。「ええ?! そんなに簡単なの!」とみんな叫んだ。

言葉の連想はとても役に立つ効果的なテクニックだ。私は生徒たちに単語を説明する助けに言葉の連想を使うよう勧めている。これは別の言語で考えるのに役立つのだ―それは一言一句の翻訳や辞書で単語を調べるよりもずっと速い。その連想が個人的な何かであればさらに良い。私の生徒の何人かは「fall asleep(寝入る)」という行動を覚えるのに苦労していた。彼らの1人が、その語を皆が知っている同僚と結び付けるまでは。「オノさん!」と生徒の1人が叫ぶと、みんなが会議中にいつも眠っているのがまさに誰かを知っていたので、みんなが笑った。

何事もそうだが、直訳の癖を直して言葉の連想を活用するのには忍耐と練習を要する。しかし、それは、みんなを集中させ、関わらせることができるので、あると役に立つスキルだ。携帯電話の辞書アプリを調べることほど、会話を台無しにするものはない。試しにやってみよう。そうすればあなたの語彙は増えていくだろう。

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