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2018年4月20日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Ohtani the Angel (p. 9)

大谷選手のエンゼルス移籍

職業面接のために新しいワイシャツが必要になった数回を除いて、新しい服を急いで買いに行くことはまったくない。それでも、日本の野球選手・大谷翔平選手がロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと昨年12月8日に契約を結んだときは、すかさずTシャツを注文した。

太平洋の両側の野球界で、南カリフォルニアへ向かうという大谷選手の決断は、このオフシーズン最大の話題だった。この23歳の選手(大谷選手のこと)は、18歳でキャリアを開始して以来、北海道日本ハムファイターズでプレーし、日本で旋風を巻き起こしてきた。

大谷選手は並の野球選手ではない。彼は投手でも打者でもあるため、日本リーグで傑出している。その両方で並以上の選手は極めて少なく、ましてや最高クラスになれることは少ない。大谷選手の投打両方のスキルは、ファイターズの2016年優勝に貢献した―そして、大谷選手はその年のMVP賞に選ばれた。海外でプレーする意向を発表したときには、多くのアメリカのチームが関心を寄せた。

アメリカの報道機関の多くは、彼を「日本のベーブ・ルース」と呼んだ。ジョージ・“ベーブ”・ルース選手は、投げるのも打つのも見事だった選手としてアメリカで最も有名な例だ。そして、彼は1920年よりも前にその全てを果たした。21世紀にそれができそうな選手の可能性に、アメリカのほぼすべてのチームが興奮した。

ほぼどのチームも大谷選手を獲得しようとした。多くは、シアトル・マリナーズに大谷選手が加わると予想した¥2001年に鈴木イチロー選手が渡ったチームだ。彼らは、最大限大谷選手を求め、最大限の金額をオファーする用意があるように見えた。

私の好きなチームであるロサンゼルス・エンゼルスもまた大谷選手を狙っていたのを私は知っていた。それで、12月のその土曜日の朝に起きて、大谷選手がアナハイムを選んだことを知ったときには―ほぼ全ての人々にとって驚きだったが―、われを忘れて喜んだ。私は一日中、(大谷選手のエンゼルス移籍決定について)反応を示した記事に没頭し、マリナーズファンが悲しむ様子を大いに楽しんだ。それは早めのクリスマスプレゼントのような感じがした。

そして私は、背中に大谷選手の背番号17をあしらった鮮やかな赤のかっこいいTシャツを買った。

大谷選手が私のお気に入りのチームに入ってくれたことでは多数の恩恵がある。日本のテレビ局は今、アメリカのテレビチャンネルと同じくらい詳しくロサンゼルス・エンゼルスを取り上げるようになった。試合は定期的に放送される。日本の友人のほとんどと話題にできる選手ができた。

しかし、こうした注目によって、大谷選手がアメリカで成功しようとする様子を見るのにもっとストレスがかかるようになった。彼はこれから長いキャリアが待っているが、毎回の試合が最後の試合よりも重要な感じがしてくる。私はこれから数年間、誇りを持って、このシャツを着続けられることを願っている。

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