是枝裕和監督は5月19日、カンヌ国際映画祭において『万引き家族』でパルムドールを受賞した。この映画は、予想外の話の展開のある高い評価を受けた家族ドラマだ。
この映画は、祖母のわずかな年金で暮らしながら、子どもたちに物を盗ませに店へ送り出す家族を描いている。年金の不正受給に関する一連のメディア報道がこの日本の監督(是枝監督のこと)の映画のきっかけとなった―カンヌ国際映画祭で賞にノミネートした是枝監督の5作目となる。
パルムドールを獲得した日本の監督は、1997年に映画『うなぎ』で授賞した今村昌平監督以来となる。
南部の沿岸部にあるリゾート地での授賞式で、是枝監督(55)は、聴衆にこう語った:「足が震えています。ここに立てて本当に光栄です」。
「この映画が、バラバラになった世界で対立している人々をつなぐことができたらと望んでいます」と、是枝監督は述べた。
是枝監督の授賞は、ハリウッドの性暴力スキャンダルの話題で持ち切りになっている年にパルムドールは女性の有力候補者3人のうちの1人の手に渡るのではないかという予測を裏切った。
ケイト・ブランシェット審査員長はこう語った:「審査員団の女性も男性も、女性監督の声がもっと取り上げられるのを見たかった」と語り、受賞者を選ぶのは「とても難しかった」と付け加えた。「しかし、最終的に、我々は監督のビジョンに演技がいかに絡み合っているかに完全に圧倒されたと私は思う」と、『万引き家族』について述べた。