ハリウッドは、毎年恒例の第86回アカデミー賞において、残忍で(恐ろしいことに対して)ひるまない歴史ドラマ『それでも夜は明ける』を作品賞に選んだ。
ソロモン・ノーサップによる1853年の体験記を基にした、スティーブ・マックイーン監督の奴隷制度の冒険物語は、映画業界による長年にわたる奴隷物語の切り捨てに対する画期的な是正だとして称賛された。これまで何年も、1940年の作品賞『風と共に去りぬ』のような、より白人支配的な物語が作られてきた。
この英国人の監督(マックイーン監督のこと)は、こうした過去の奴隷制度の犠牲者や、「今日も未だに奴隷制度に耐えている2100万人の人々」に対してこの賞を捧げた。
「誰もが、ただ生存するだけでなく、生きるに値する」とマックイーン監督は述べた。「これが、ソロモン・ノーサップの最も重要な遺産である」。
拷問を受ける奴隷のパッツィーを演じたルピタ・ニョンゴさんは、助演女優賞を受賞した。
スティーヴン・スピルバーグ監督の『リンカーン』よりもベン・アフレック監督の『アルゴ』を称えた年から1年後、映画芸術科学アカデミーは今回、3Dで宇宙の驚くべきものを描いた『ゼロ・グラビティ』やスターが勢ぞろいした1970年代の犯罪もの『アメリカン・ハッスル』などのより分かりやすく、愉快な候補作品よりも、厳しい現実(を描いた作品)を選んだ。
『ゼロ・グラビティ』は、この(授賞式の)夜に最も多くの賞を得た作品として勝利し、アルフォンソ・キュアロン監督への監督賞をはじめ、7つのオスカー賞を獲得した。
テキサス州のエイズ患者を描いた『ダラス・バイヤーズクラブ』に出演し、激やせしたスター、マシュー・マコノヒーさんとジャレッド・レトさんは、それぞれ主演男優賞と助演男優賞を受賞した。
主演女優賞は、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』に出演したケイト・ブランシェットさんに贈られた。
グレッグ・ノヴァックさんは、何100時間もかけて、「グランドダディ」と名付けられた高さ15メートルの雪だるまを作ったと語った。
「長くて辛い冬だった。私たちは冬を楽しんだ方がいいと思った。冬に勝てないなら、受け入れたらいい」とミネソタ州の農家のノヴァックさんは話した。
ノヴァックさんが雪だるま作りに取り組んでいる間、友人と家族が農作業を手伝った。
ジェラルド・ハーバースさんとダイアン・ハーバースさんは、巨大な雪だるまを一目見るために、ブラウントンから110キロ以上運転してきた。2人はテレビニュースでグランドダディのことを知っていたが、それを生で見上げるのは(テレビで見るのとは)全然違っていた。
「これは現実離れしている」とジェラルドさんは言った。
ノヴァックさんにとって、それはグランドダディ作成の核心だった。「グランドダディは人々を笑顔にする。人が笑うとき、何かいいことをしたんだと分かる」とノヴァックさんは話した。
喜多川歌麿が19世紀初めに完成させ、長い間行方不明だった浮世絵が日本で発見され、66年ぶりに一般公開される。
その絵は「深川の雪」というタイトルで神奈川県箱根町の岡田美術館で4月4日から6月30日まで展示される。
およそ高さ2メートル、幅3.4メートルのその絵は、1801年から1804年の間に描かれたと考えられている。1948年に東京・銀座のデパートで展示されたのを最後に行方不明になっていた。
岡田美術館の副館長で古美術商の寺元晴一郎さんは、2012年の2月に日本でこの作品を発見した。後に歌麿が描いた原画であることが確認された。
3月3日の早朝、富山県小矢部のサービスエリアで、夜行バスが駐車していたトラック2台に衝突し、2人が死亡、数十人がケガをした。
そのバスは、前日の夜に仙台を出て、石川県の温泉リゾート地に向かっていた。
この事故で、バスを運転していた小幡和也さん(37)と、乗客で教師の小野善広さん(48)が亡くなった。合計で24人が病院に運ばれた。
外務省職員らは、3月3日に中国北東部の瀋陽で開かれた日朝赤十字会議と平行して、北朝鮮側と非公式の対話を行なった。
両国の外務省との間で交わされた対話は、北朝鮮が禁止されているミサイル発射実験を行なった1ヵ月前の2012年11月以降、中断されている二国間交渉の再開に希望をもたらした。
日本維新の会の議員らは、戦争中の性的奴隷制度(慰安婦制度のこと)に対する政府による1993年の謝罪を厳格に見直すよう、そうした活動に対する国際的な非難を無視して、安倍晋三首相に圧力をかけている。
議員らは3月3日に公開の集会を開き、女性が自分の意志に反して日本帝国軍の兵士に性行為を提供するよう連行されたことを初めて認めたその声明(河野談話のこと)について議論した。その集会に参加した多くがその声明は虚偽だと言った。
昨年8月に三重県で15歳の少女を殺害した疑いで18歳の少年が3月2日に逮捕されたと、警察が発表した。
3月1日に高校を卒業したその容疑者は、朝日町で寺輪博美さんを殺害し、被害者から約6,000円を盗んだと自白したと警察は話している。寺輪さんは、8月25日に友人と花火大会に行った後で行方が分からなくなった。
容疑者は警察に対し、その少女のことは知らなかったと述べた。
「金のためだけにやった」と述べたと伝えられている。
北朝鮮は3月3日、米韓の毎年の軍事演習中に短距離ミサイル2発を日本海に発射し、過去1週間でこのような発射は2度目となったと、韓国当局が発表した。
このミサイル発射は、攻撃への準備だと北朝鮮が呼んでいるこうした演習への抗議であり、自国の武器システムの実験であると見られる。これに先立って韓国は、北朝鮮が2月27日にも4発のスカッドミサイルを発射したと発表している。
オスカー・ピストリウス被告は3月3日、昨年のバレンタインデーにガールフレンドを殺害した容疑に対して無罪を主張し、このオリンピック選手の殺人事件の裁判が始まった。その様子はテレビで生放送された。
この両足義足の陸上選手(ピストリウス被告のこと)は、2013年2月14日未明にガールフレンドのリーバ・スティンカンプさんを殺害した罪に問われている。ピストリウス被告は、バスルームへの侵入者だと思ってスティンカンプさんを間違えて撃ったと話している。
警察は、中国南西部の駅で29人を殺害した無差別殺傷における残りの容疑者を拘束したと、国営メディアが3月3日に伝えた。
当局者らによると、143人の負傷者も出した昆明市での3月1日の殺傷事件は、西の端に位置する新疆自治区の分裂勢力によって実行されたという。
当局者らと民族集団のウイグル族との間の、過去1年にわたる新疆での衝突は多数の死者を出したが、今回の駅での襲撃事件は、そこから1,500キロ以上離れた雲南省で発生した。
『ガーディアン』紙によると、英国の無線諜報部は、罪のないYahoo!ユーザーのウェブカメラの動画から何十万枚ものスクリーン・ショットを勝手に収集しているという。また、同紙は、何年にもわたるこの活動は、大量の親密な写真を収集しているとも報じた。
同紙は2月28日、同機関は、Yahoo!メッセンジャーなどのビデオチャットのソフトウェアからスクリーン・ショットを収集していると報じた。こうしたスクリーン・ショットの多くは、他のユーザーに送られた裸の身体の一部が写っているという。
大統領でさえパートナーに隠れてこそこそ出掛けているわけだから、不倫についての調査で、同じく血気盛んなイタリア人と並び、フランス人がトップに立ったと分かってもおそらく驚かないだろう。
フランスとイタリアの男性の55%が、パートナーに対して浮気をしたことを認め、女性では3人に1人だった。
Ifopによって実施され、2月26日に発表されたこの調査は、フランソワ・オランド大統領が女優のジュリー・ガイエさんの自宅を出るところを撮られてからわずか数週間後に発表された。
この世論調査会社は、多数の人との浮気と宗教との間の関連性を示唆し、「大多数がプロテスタント」の国では浮気の証拠が比較的少ないと述べた。
英国人のわずか42%、そしてドイツ人の46%が、これまでの人生で浮気をしたことがあると認めた。
男女間で浮気(の経験)が最も均等に分布しているのはドイツで、43%の女性が浮気をしたことがあると認めた。
フランス人は気軽にひとときの浮気をすることでも第一位で、今後浮気をするかもしれないと回答したのは35%で、それに対し、ドイツ人とスペイン人は31%、イタリア人は28%、英国人は25%だった。
西欧の6ヵ国で18歳以上の合計4,800人が調査対象となり、質問を受けた。
会話はややサンドイッチのようだ。中身―メッセージのこと―が大事だが、全てをひとつにまとめるしっかりした「こんにちは」と「さようなら」がなければ、床に散らばった収集のつかないものをかなり残されてしまう。
祖母と私は数々のおいしいサンドイッチを一緒に楽しんだ。私の限られた広東語でどうにか人権問題について祖母と話し合うことができ、ミス・トランスジェンダー・コンテストの魅力的な優勝者が男性として生まれたことを納得させることができ、同性愛者の結婚について彼女の意見を得ることができた。私たちの議論はサンドイッチを噛みしめるようなものだったが、かじったものを吐き出した(議論を投げ出した)ことは一度もなかった。
私たちが電話で話すときはいつも「元気?」で始まり、「もうご飯は食べた?」に移り、そしてたいてい「身体に気をつけてね」で終わる。「さようなら」で別れたことは一度もないと思う。全言語に、「幸運を祈る」「また話しましょう」「ありがとう」「またね」「元気でね」「また今度」「連絡するよ」「会えてよかった」など、(さようならの)代わりの言葉がある。
最近祖母に別れを告げたとき、これらのうちどれもしっくりくる言葉がなかった。祖母は海洋散骨を望むといつも表明していた。家族と一緒に優しく揺れる船の上に立ったとき、彼女のくれたインスピレーション、ユーモア、寛容さ、寛大さ、温かさ、膨大な知識が詰まった小さな箱と見つめて、この特別な会話をどうやって終えたらいいのか、言葉に詰まった。
無敵だと思っていた誰かにどうやってさようならを言うだろう? あなたも同じだと感じさせてくれた人にどうやって? できるとは思わない。おばあちゃんと私はお互いに思考の糧をいつも与え合ってきて、一緒に食べるサンドイッチがまだたくさんあるような気がする。
別れが好きだったことはない。いつか私が残していく人たちと会えると正当化することで、別れに対処することを学んだ。祖母とはしかし、物理的に会うことはもうできないと知った。この段階で来世があると想定することもできたが、現世を考える方が好きだ。この世でもまだ話すことができると思う−小さな静かな方法で。私の住む日本の町で80代の背の低いたくさんの女性の一人に合うときはいつも、「元気?」と聞こえるだろう。脂肪分たっぷりの料理を作ろうとしているときはいつも「もうご飯は食べた?」と聞こえるだろう。バケットを見たら、誰かを殴り倒すのにバケットを使う方法をおばあちゃんが教えてくれたときのことを思い出して意味ありげにくすくす笑うだろう。
今はおばあちゃんとの会話を終わらせる方法が分かる。さようなら、元気でね、あるいは、また今度とは言わないが、一つだけしっくりくる言葉がある:「おやすみ、おばあちゃん。大好きよ」。