安倍晋三首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相は3月9日、ウクライナにおける平和的解決をもたらす上で「建設的な役割」を担うようロシアに求めることで合意した。
「アンゲラ・メルケル首相と共に」2月に打ち出された「停戦合意の完全な実施を含め、ウクライナ問題の外交的、平和的解決に向けて建設的な役割を果たすようロシアに強く求める」と、安倍首相はメルケル首相との共同記者会見で述べた。
メルケル首相は、ロシアが昨年、ウクライナ南部のクリミア半島を併合したことを非難し、領土の一体性を武力によって変更しようとするいかなる試みも決して許されることがあってはならないと述べた。
安倍首相とメルケル首相は、戦時の安全保障、北朝鮮のミサイル及び核兵器の問題、さらに北朝鮮による日本国民のこれまでの拉致を含め、東アジアの状況について議論した。
しかし、両首相は、今年、第二次世界大戦から戦後70年を迎えるなか、それぞれの国の原子力政策や戦時の歴史認識については意見を交換しなかった。この日、メルケル首相は安倍首相との会談に先立ち、東京での演説で、ドイツは戦時の過去に真っ向から向き合ったため、国際社会の中で尊敬される立場を手にすることができたと述べた。
女性の地位向上を唱導する日本人活動家が今年の「世界の勇気ある女性賞」を受賞した10人の中に入ったと、アメリカ国務省が3月10日に発表した。小酒部さやかさんは、「マタニティ・ハラスメント」、つまり妊娠した働く女性に対する不当な扱いに対抗する戦いで受賞した。
アメリカはこの賞を2007年に創設した。今年の受賞者はほかに、ミャンマーのジェンダー平等ネットワークのディレクターのメイ・サベ・ヒューさんや、バングラディシュのジャーナリスト、ナディア・シャーミーンさんなどがいる。
小酒部さんは、妊娠後に仕事を辞めるように圧力をかけられ、ストレスで2度流産を経験した。職場で嫌がらせを受ける妊娠した女性や若い女性の代表として声を上げるために、支援団体のマタハラネットを設立した。彼女たちの苦痛が「マタニティ・ハラスメント」の略の「マタハラ」という新語を生んだ。
オーストリアの優雅な首都ウィーンは世界の都市の中で最も質の高い生活を提供しているとして再び称賛された。コンサルティング会社のマーサーは、毎年の生活の質ランキングで、ドイツとスイスの都市も評価が高かったと述べた。チューリッヒ、ミュンヘン、デュッセルドルフ、フランクフルトも上位10位に残った。このランキングは、政治の安定性、医療保険制度、教育、犯罪、娯楽、交通の便など、数十項目の基準を用いている。
ウィーンはこの調査で6年連続で1位になっている。オーストリアの首都の広範な交通輸送システムには年間パスを使うと1日あたりたったの130円しかかからない。2015年の調査で世界の上位10位中7つがヨーロッパの都市だった。ニュージーランド、オーストラリア、カナダもそれぞれ上位10位以内に1都市ずつ入っている。東アジア最大の都市、東京は44位だった。
イラクの首都バグダッドがまたも世界で最低ランクになった。2003年のアメリカが主導する侵攻以来、暴力の波がその都市中に広がっている。
安倍政権は3月6日、集団的自衛権の行使を合法とするために、自衛隊法の改正案を提示し、日本が直接攻撃を受けていなくても武力を用いる可能性に向けてさらに前進した。
4回目の安全保障法制をめぐる与党協議中に提示された、この予想される改正は、日本の存続の危機が明らかな状況であれば、自衛隊が武力を海外で使えるようにするものである。この内容は憲法の再解釈で、昨年7月に内閣で承認されている。
兵庫県の地方にある地域で3月9日に5人を刺殺したとされる男が、過去に近隣住民とトラブルを起こしていたと、捜査関係者が3月10日に明らかにした。
無職と見られる平野達彦容疑者(40)は、淡路島洲本市の民家2軒で連続刺殺事件を起こした後、3月9日に逮捕された。
市役所は被害者の親類と思われる女性が近所でのトラブルに関して無料の法的支援を求めて3月4日に市役所に来ていたと発表した。
前アルジェリア代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏が日本の監督を務めることに合意したと、日本サッカー協会の大仁邦弥会長が3月4日に発表した。
(パラグアイの首都)アスンシオンで開かれた南米サッカー連盟の会議で、大仁会長はハリルホジッチ氏と日本サッカー協会は、このボスニア人(ハリルホジッチ氏のこと)をハビエル・アギーレ監督の後任とする契約に大筋で合意に達したと述べた。
日本サッカー協会は、スペインでの八百長疑惑をめぐり、アギーレ監督と先月で契約を切っていた。
ハリルホジッチ氏の指名は3月12日に日本サッカー協会の理事会で承認される見込みだ。
児童文学作家の松谷みよ子さんが2月28日に東京の病院で老衰で亡くなったと、3月9日に家族が発表した。89歳だった。
彼女の作品の中には、1960年に出版されたおとぎ話『龍の子太郎』などがあり、この作品は後にアニメ映画になり、舞台演劇に作り替えられた。この作品で松谷さんは出版社の講談社から児童文学新人賞も獲得した。
1964年に出版を開始したベストセラーの『ちいさいモモちゃん』シリーズも書いており、この作品は自身の子育て経験を基にしている。
ヒラリー・ローダム・クリントン氏は3月10日、大統領選立候補の可能性に暗雲を投げ掛けた問題に対して沈黙を破り、国務長官在任中に公務のメールに専ら私用のアカウントを利用していたことにおいて、不適切なことは何もしていないと挑戦的に述べた。
「守らねばならないすべての規則を完全に遵守していた」と、クリントン氏はニューヨークで、この問題に対する最初のコメントの中で述べた。同氏は、政府のアカウントを使用すべきだったと認めた。
同氏と、ビル・クリントン元大統領は長年、倫理と守秘義務の問題に長い間悩まされてきた。
太陽光をエネルギー源とするスイスの飛行機は、3月9日の早くにアブダビを離陸し、化石燃料を使わずに世界一周飛行する初の試みを開始した。
アル・バティーン・エグゼクティブ空港を離陸した際、ソーラー・インパルスの創業者、アンドレ・ボルシュベルク氏は、この一人乗り用の飛行機(ソーラー・インパルスのこと)の操縦席にいた。
ボルシュベルク氏と共同創業者のベルトラン・ピカール氏が数カ月間かけて行なうこの飛行の目的は、「古くて汚染する技術をきれいで効率的な技術に」置き換えることについての認識を促すことだと、両パイロットは声明で述べた。
サウジアラビアは昨年、イランの野望に関する懸念が中東の緊張を高めるなか、インドを抜かし、世界最大の武器輸入国となった。
世界の武器貿易に関する主要な分析機関であるIHSが3月8日に発表したデータによると、サウジアラビアの武器購入額は昨年、54%増加して65億ドル(7920億円)に達し、その一方、インドは58億ドル(7070億円)相当の武器を輸入したとされている。(サウジアラビアによる)今年の輸入は、世界の輸入額7ドル当たり1ドルを占める見込みだと、IHSは推計した。
「これは全く前例のないことだ」と、報告書の著者、ベン・ムーアーズ氏は述べた。「この地域の各地における政治的決裂を目にしている」
マレーシア航空MH370便の大規模な海中捜査で5月末までに何も見つからなければ、この取り組みを主導する3ヵ国は「最初からやり直しで」捜査すると、この航空機が消息を絶ってから翌日で1年となる3月7日、マレーシアの運輸大臣はクアラルンプールで報道陣に述べた。
例年、悪天候が始まる5月末までにマレーシアが捜索を中止する可能性があるかと尋ねられ、同大臣は、「今の時点で何か先手を打つのは時期尚早だ」と述べた。
「われわれは、専門家チームの助言に従う」と彼は述べた。
ファミリーマートと、サークルKサンクスのコンビニエンスストアを経営するユニーグループ(UNY)・ホールディングスは3月6日に、両社の統合の可能性に関するメディア報道を受け、統合に向けて協議していると発表した。この業界の3位と4位に位置する両社が経営統合することになれば、日本で2番目に大きなコンビニが生まれ、売上において業界のリーダーであるセブンイレブンと張り合うこととなる。日本には、50000店舗以上のコンビニがある。1月の時点で、ファミリーマートとUNYのサークルKサンクスはそれぞれ11271店舗と6328店舗、それに対し、セブンイレブンは2月末の時点で17491店舗あった。
シャープは今年度、約2000億円の連結最終赤字を計上すると予想され、広島県の4つの工場の閉鎖を含むさらなるリストラを検討していると、この件に詳しい情報筋が述べた。
この電機メーカー(シャープのこと)は昨年度、スマートフォン向けの小型から中型の表示パネルに重点を移し、3年ぶりに何とか黒地に戻ろうとした。しかし、同社は現在、中国と韓国の競合会社との激化する競争に直面しており、これらの競合会社は、より低価格の表示パネルでシャープから顧客を奪っている。
日本一高いビル「あべのハルカス」の開業1年目の来館者数は合計4273万人だったと、このビルのオーナーである近畿日本鉄道は3月7日に発表した。西日本の大阪にある、この高さ300メートルの超高層ビル(「あべのハルカス」のこと)はこのように、1年目の目標来館者数の4740万人に達しなかった。
このビルの中核施設である近鉄百貨店への来客者は、「あべのハルカス」が2014年3月7日に完全オープンして以来、3583万人であり、目標の4500万人を大きく下回った。この百貨店は、10?30歳のターゲットグループを十分に引き付けられなかったと、「あべのハルカス」の経営を担当する近鉄の役員は述べた。
ヤフーは3月9日、設立20年を祝い、その歴史を振り返るとともに、変革への取り組みの真っただ中でインターネットの先駆者となる未来を目指した。
ヤフーは自社のホームページで、そのロゴの一部として動画の誕生日ケーキを表示した。
ヤフーは、1995年3月2日にスタンフォード大学で電気工学を専攻する2人の学生、ジェリー・ヤン氏とデビッド・ファイロ氏によって法人設立された。2人は当初、これを「ジェリーとデビッドのワールド・ワイド・ウェブ案内」と呼んでいた。
2人はこの名前をヤフーに変更し、「さらにもう一つの階層構造のもったいぶったオラクル」だと冗談めかして述べた。
英国の諜報機関は中年女性をもっと採用することを目指すべきだと、国会議員の影響力のある委員会は3月5日に述べた。英国の3つの諜報機関の仕事を監督している情報・公安委員会は、同国が直面している脅威に対して諜報機関が対応できるようにするには、さらなる多様性が極めて重要だと述べた。「中年やキャリア半ばの女性や母親は、貴重な人生の経験があり、未開発の採用枠である可能性がある」と、同委員会のメンバーの一人、ヘーゼル・ブレアーズ氏は述べた。現在、諜報機関の12000人以上の職員のうち、37%が女性である。
日本の高級トイレの内蔵ウォシュレットやあらかじめ温められた便座は、中国の国営メディアがこれに対してすさまじく痛烈な非難を行ない、Uベンドの中で嵐に直面した。中国共産党の機関誌『人民日報』の系列である『環境時報(Global Times)』は、「日本の便座人気は誇張されている」との見出しのもと、この問題に関する社説を出した。中国の客に対し、両国の関係が尖閣諸島をめぐって危機的局面に達するなか、日本の商品を購入しないよう呼び掛けた。隣国の水洗トイレを購入することは、「日本製品に対する中国のボイコットを台無しにする」と、同紙は述べた。
ドイツのハンブルクに位置し、ナイトクラブが立ち並ぶザンクトパウリ地区の住民らは、公共の建物に小便をする夜中に飲み騒ぎする人々に対し、しぶきを送り返す新しいハイテクのペイントで仕返しをしている。
地元の利益団体は、有名なナイトクラブで特に出入りの多い2つの建物に、造船にも用いられる特殊な撥水塗料を使用した。
「この塗装作業は、犯人に対し、この壁に野蛮に小便をするのは歓迎されていないという直接的なメッセージを伝えている」と、この団体を組織したジュリア・スタロン氏は述べた。
YouTubeに投稿された動画で、スタロン氏がドイツ語と英語で書かれた看板を掲示する様子が映されている。この看板には、「ここで小便をするな。仕返しするぞ!」と書かれている。
しかし、この特殊な撥水性のペイントは高価だ。スタロン氏によると、6平方メートルの区画にペイントするのに約500ユーロ(6万5,000円)かかるが、それだけの努力をした甲斐があった。「汚物を毎日掃除することやひどい臭いに伴う作業や、これに関連する被害を含めると、間違いなくこれを行なう価値は十分にあった」と同氏は話した。
仕事にさよならを言う時になると、大々的な送別会を期待するだろうか? それとも、静かに握手をして最後の「さよなら」を言ってドアを出て行くというケースになるだろうか?
イギリス人の上司マーク・セバは、11年間責任者を務めての最終出社日に仕事にやってきて、予想した以上のことがあった。よくあるような「幸運を願います」のカードやワインではなく、高級品の小売業者ネッタポルテの最高経営者は、世界中のスタッフからダンスと歌で迎えられた。
このお別れ会には、ビデオを通してお祝いに参加する遠く香港やニューヨーク市にいる従業員も関わった。彼のいたロンドンオフィスの中では、スタッフが、アーロー・ブラックの曲 The Man を歌いながらドラムをたたき、外の通りでも大勢の人たちが加わった。
アクロバットやサンバのダンサー、メキシコのマリアッチ楽団などの演奏を見た後で、微苦笑したその上司はスタッフに感謝を述べて、「仕事に戻ったら?」とだけ言った。
すべての上司や働く人々が、セバがしてもらったような送別会を期待できるわけではない。退職年齢が上がり、最後のさよならは年代ごとにだんだん遠くなっている。
しかい、もしそのせいであなたが彼を称賛せずに「その男」を呪うのなら、良い知らせがある。もうすぐ職場を離れて過ごす時間が増えるかもしれない。
日本のワーカホリックは、同僚に遅れをとらないようにするためだけに、はたまた上司を喜ばせるためだけに、時間外労働をすることでよく知られている。この国には、働き過ぎによる死亡「過労死」という自国の言葉まである。「過労死」は、1年に推定200人の犠牲者の命を奪っている。
明らかな苦肉の策として、厚生労働省は現在、労働者に1年に最低5日間の有給休暇を取ることを強制することを計画している。15日の国民の休日にこれを加えて、日本の労働者は、この10年の終わりまでに年次休暇が20日というイギリス、または平均で25日というフランスと同水準に近づくだろう。
労働時間を減らすことは、がむしゃらにではなくスマートに働けば、生産性を高めることにさえなるかもしれない。マッキンゼーの調査によると、会社のリーダーの過ごす時間の半分もが、メールや会議などの非生産的な活動で無駄に費やされているという。
職場で過ごす時間を少なくすることは、あなたの時間を最大限生かす鍵となりうるし、サンバダンサーと共に、あるいは別のやり方で、最後のさよならを楽しむまで職場にいることを確実にする鍵にもなるかもしれない。親愛なる読者のみなさん、さようなら!