「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2016年4月29日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Food shortages in quake-hit area as search for survivors continues (p. 1)

熊本地震、死者40名超

大きな地震が熊本県を揺らした後で、何万人もの人々が自宅から避難しているなかで、熊本県の避難所では4月18日に食糧不足が悪化した。

救助隊員は、地震とその後に続く土砂崩れによる被害が特に広範囲にわたっている熊本県南阿蘇村で行方不明者の捜索を継続した。4月14日のマグニチュード6.5の地震と、その後に続いたさらに大きい4月16日のマグニチュード7.3の地震以降、熊本県と九州の各地で、少なくとも48人が亡くなり、1,100人ほどが負傷した。

4月14日以来、熊本県と隣県の大分県で、これまでで530回以上の揺れが起こっている。全部で400軒の家屋が全壊し、さらに多くの家屋が損傷している。

警察は、77歳の女性が、熊本県阿蘇市に避難中の4月17日に、心不全で亡くなり、避難によるストレスと疲れが主な要因として考えられると発表した。地震と、その後に続いて起こる土砂崩れが道路を寸断し、多くの物資が地元の店や避難所に届かなくなっている。熊本市によると、4月18日に何人かの避難者には朝食を提供することができなかったという報告が多くあったという。

Easy Reading

Shakespeare more popular abroad than in Britain (p. 3)

シェークスピア、イギリス国外の方が人気

シェークスピアが逝去してから400周年を迎え、4月19日に発行されたある調査によると、シェークスピアはイギリスよりも海外でのほうが人気だという。15カ国出身の18,000人を対象とした調査を委託したブリティッシュ・カウンシルは、この結果はシェークスピアが国際的に広く知られ、愛され、理解されていることを示していると述べた。

「死後400年が経ち、シェークスピアの作品は、世界中の人々に教養を与え、楽しませることにおいて不可欠な役割を果たし続けている」と、ブリティッシュ・カウンシルのローズマリー・ヒルホースト氏は声明で発表した。

この調査で、シェークスピアは、好かれていて、理解されていて、現在でも有意義だと考えられているという点において、自国よりも国外でのほうが人気があるということが分かった。しかし、オーストラリアやアメリカなど他の英語圏の国でのシェークスピアの人気は、中国、トルコ、メキシコを含む非英語圏の国々よりも非常に低かった。

Easy Reading

Year-round public access to state guest house begins (p. 3)

「迎賓館」の通年公開始まる

東京の中心部にある国のゲストハウスである赤坂迎賓館の通年一般公開が4月19日に始まった。政府は、もっと多くの外国人旅行客を日本へ呼び込むことを目的としている。

この迎賓館の玄関ホール、本館、主庭、和風別館が、一般公開されている。玄関ホールの入場料は無料だ。一日の訪問者数に制限があり、公開初日は予約でいっぱいとなった。

「天上の絵と飾りが素晴らしかった。外国にいるような感じがした」と、妻と訪れていた香川県丸亀市の森俊之さん(69)は語った。「通年でこの場所が公開されることをありがたく思う」。

この建物は当初は、1909年に皇太子の住居として建設された。世界中の王や大統領が宿泊し、首脳会談の会場としても使われてきた。

National News

Ospreys draw mixed reaction in Kumamoto (p. 4)

オスプレイ、熊本に救援物資を輸送

アメリカの海兵隊の航空機オスプレイを熊本県で災害支援活動に使うという前例のない使用は、このティルトローター機の安全性をめぐる懸念の中で、4月18日、地震が襲った地域の人々からさまざまな反響を呼んだ。

「オスプレイは事故を起こしやすいと感じる。もし、地震と事故が同時に起こったら、救援どころではなくなる」と、4月14日に始まった大きな地震で揺れた熊本県阿蘇市に住む広瀬進さん(73)は語った。

National News

Press independence under threat: U.N. expert (p. 4)

国連報告者、メディアの危機を警告

国連の人権の専門家は4月19日、検閲として機能し得るとこの専門家が述べる報道の公平性と国家の安全保障を守ることを意図された法律を含め、日本の報道機関の独立性に「深刻な脅威」があると警告した。

国連特別報告官のデービッド・ケイ氏は、ジャーナリストと政府関係者にインタビューをした1週間の日本での滞在を終えて、日本のジャーナリストの多くが、微妙な話題を避けるようにという圧力を感じており、政治家からの苦情で追いやられた人がいると話す人もいたと述べた。

National News

Arrests over alleged illegal election payments (p. 4)

田母神元航空幕僚長を逮捕

元自衛隊航空幕僚長で、東京都知事選挙で落選した候補の田母神俊雄氏は4月14日、2014年の選挙戦後に選挙運動のスタッフに現金を支払ったことで公職選挙法に違反した疑いで逮捕された。

無所属で立候補した田母神氏(67)は、島本順光氏(69)とともに逮捕された。

2人は、選挙後に選挙運動のスタッフに報酬として合計280万円を支払ったとされている。これは、日本の公職選挙法では賄賂と見なされる。

National News

Tanaka outduels former teammate Iwakuma (p. 4)

ヤンキース田中、マリナーズ岩隈に投げ勝つ

田中将大選手は4月17日、日本人ピッチャー対決で岩隈久志選手に勝ってシーズン最高の試合をし、ニューヨークヤンキースとして初勝利を挙げ、4−3でシアトルマリナーズに勝利して4連敗にストップをかけた。

ヤンキースタジアムで田中選手は3点を許し、自責点2、7回のうち6安打で、東北楽天ゴールデンイーグルスでの元チームメート(岩隈選手のこと)に勝った。岩隈選手は2度目の敗北となった。

「3試合後についに勝ちました」と田中選手は語った。

World News

Brazil's lower chamber OKs impeachment (p. 5)

ブラジル大統領弾劾、下院が可決

ブラジルの下院議会は4月17日、ジルマ・ルセフ大統領に対する弾劾決議案の採決を取り、ルセフ大統領に大打撃を与えた。

367対137票で、弾劾が可決され、この決議案が上院に移るのに必要な342票を大幅に上回り、上院で過半数が投票すればルセフ大統領の弾劾裁判が行なわれるかどうかが決まる。

ブラジル人の多くは、ルセフ大統領に、壊滅的な景気後退から、慢性的な高い税金と乏しい公共サービスに至るまで、あらゆることに責任があると考えている。

World News

Copters, 200 more U.S. troops bound for Iraq (p. 5)

米軍、モスル奪還へ特殊部隊員ら増派

200人以上のアメリカの兵士と8台のアパッチ・ヘリコプターが、イラクでのISのグループとの闘いを支援するために、イラクに派遣されると、アメリカの国防関係者が4月18日に発表した。

アメリカの戦闘員の増派は―そして、前線に近づけるという決定は―北部の主要都市モスルを奪還するために動いているイラク軍を支援するためのものだ。

アメリカ軍の大規模な増派は、ほぼ1年ぶりとなり、アパッチ・ヘリコプターをイラクへ送るのは初めてだと、関係者は述べた。

World News

2016 Pulitzer Prize winners announced (p. 5)

100回目のピュリッツァー賞発表

年に1度発表される100回目のピュリッツァー賞で、AP通信は、水産業界における虐待を報じ、2000人の奴隷労働者を解放したことで、公益部門の賞を受賞した。他方、ロイター通信と、ニューヨーク・タイムズは、ヨーロッパの難民危機の写真で、速報写真部門の賞を分かちあった。

ピュリッツァー賞の審査委員会は4月18日、アメリカのジャーナリズムと芸術に最も名誉ある賞を授与し、カリフォルニア州サンバーナーディーノでのイスラム教徒の武装勢力による大虐殺を報じたロサンゼルス・タイムズには、速報報道部門で栄誉を与えた。

World News

Protest over China's 'one-child' compensation (p. 5)

子を失った親が中国政府に抗議、一人っ子政策で

唯一の子を失った数百人の中国人の親たちが4月18日、政府に、何十年も続いた「一人っ子政策」に対しての、さらなる補償をするように抗議をした。彼らは、「一人っ子政策」のせいで、家族の支えを失うことになったと主張している。

昨年、与党の中国共産党は、この異論の多い政策を緩和すると発表した。しかし、批判する人々は、危険な人口の不均衡で、高齢化につながり、親の面倒を見る子どもがいない親もおり、この変更は、この不均衡を回避するには遅過ぎたと述べている。

Essay

My first part-time job (p. 9)

初めてのアルバイト

日本では、学生であることと、社会の一員であることの間には、はっきりとした区別がある。学生は、学校での勉強に専念し、社会の一員は、仕事をしに出かける。北アメリカでは事情が違っている。カナダとアメリカでは、学生はアルバイトをすることが奨励されていて、小学生から始まることも多い。

私が初めてしたアルバイトは、新聞配達だった。9歳のときに始めた。毎朝、6時に起きて、新聞を配達所まで取りに行き、自転車で近所の購読者に配達する。すべてうまく行けば、朝食をとって、学校へ向かうのにちょうど間に合うように終わる。この仕事は厳しいことが多かった―雨の中でも、汗だくの夏でも、冬は雪の中を苦労しながらでも新聞を配達する。しかし、毎月末に上司が給料を手渡すときには報われる気分だった。残念ながら、私にそのお金を使う機会はなかった。給料をもらうとすぐに、母が取り上げて銀行に入れてしまったのだ!

12歳になると、2つ目のアルバイト、ベビーシッターを始めた。近所には幼い子どもがいる夫婦がたくさんいた。彼らはよく、夜に映画やレストランに出掛け、幼児の面倒を見る人が必要だった。仕事としては、新聞配達よりもずっと楽だった。まず、その家族の家に着いて、親からの指示を受ける。次に、数時間、子どもたちと遊ぶ。その後、子どもたちを寝かしつけて、夜の残りの時間をテレビを見たり、宿題をしたりして過ごす。別の家族の子どもの面倒を見るというのは、とても大きな責任のある仕事だったが、信頼されて、親たちが夜の外出を楽しめるようにするのはいい気分だった。

同じころ、3つ目の仕事も始めていた。家庭教師だ。学校で、私は優秀な学生だった。近所には、宿題に苦労していて、助けが必要な子どもたちがいた。こうした子どもたちと一緒に座って、数学や科学の考えを説明し、それでお金をもらうのは満足いく仕事だった。

少年のころにもう一つやっていた仕事は、芝刈りだった。近所のどの家にも芝生があったので、定期的に刈る必要があった。兄(または弟)と私は、週末によく芝刈りをして過ごしては、さらに現金を得ていた。

私は、小学校の間に、そうすると、全部で4つの異なる仕事をしていた。その後、高校、大学と進み、また別の仕事をしていった:テニスの指導、皿洗い、ウェイター、郵便局での仕事。

北アメリカの人々は、アルバイトは子どもにとって貴重な経験になり、責任感を養い、若者を仕事の世界に向けて訓練すると考えている。私がしたアルバイトは確かに自分のためになったと思う。まぁとにかく、ベビーシッターが必要なときや、芝刈りが必要なときにはご一報を!

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