A:
時代の流れでしょうか、ちょっと変わってしまいましたね。
Q:
そうですか。そのほかに、今のインドの子供たちと先生の小学校時代を比べてみて どんなところが違いますか。
A:
今のインドの子供たちは、大体2歳から3歳ぐらいで英語を始めます。
私が5歳のときに習い始めた内容を、今の2~3歳の子供たちは既にやっている といった具合です。
(現在のインドの子どもたちに関しては、このコラム下の「関連記事─インドの小学生英語」をご参考に。)
■素朴な疑問
Q:子供の英語を教える上で、大事なことってなんでしょう?
A:
いかにストレスを与えないで英語を教えるかっていうのが キーポイントになると思います。例えば、日本の教育の風潮として
、成績をつけたがることが挙げられると思うのですが、成績をつけない英語教育もありではないでしょうか。
それから、英語のまんがを図書館に置いて、一冊読み終わった子には、スタンプを押してあげるとか。
Catch them young(若い頃につかまえて、インプットしろ)という言葉があるのですが、まさにその通りではないでしょうか。
そういう意味でも、私は、日本の小学校で英語を導入することに賛成です。
■日本の大きな問題点
Q:でもね、教える人がいないんですよ。(苦笑)「教員養成」という大きな課題があるんです。
A:
そうですよね。でも、それに関しては、色々対策が考えられるんじゃないんですか。
例えば、仕事についていない人たちを再教育して、一時的でもいいから教師にさせるとか。
やる気がない人=フリーターでは決してないと思うんですよ。国は、やる気のある人達には、
いくらでも教育を与えるべきじゃないでしょうか。そういった人的リソースを、日本も考えなければならないと思います。
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小学校のイベントの日
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Q:ALTは、インドからも派遣しているそうですね?
A:
はい、実は私はその選考委員の一人です。
Q:そうなんですか。年間どれぐらいですか?
A:
今年は、50人です。そのうちの一人からは、日本の子ども達は「不安定だ」「子どもたち自身に、やる気がない」
という話を聞きました。また、日本の先生たちは、クラスコントロールをしていくことで、精一杯だそうです。
これは、英語に限らず他の科目でもいえるようです。英語教育以前に、まずはこういったことを解決すべきではないでしょうか。
■発音について
Q:日本人の先生は、自分の発音の悪さを気にしたりして(子どもに発音の悪さを指摘されたらどうしよう)
とか(自分の発音がうつったらどうしよう)とマイナスにとらえている面がありますが、それについてはどうですか。
A:
気にしすぎですね。次から次へと影響を受けて、それを吸収していくのが子どもだと思うんです。
私の当時の先生は、決していい発音ではなかったと思うけれど、そんなこと記憶の片隅にもありません。
逆に、大人になってから習う場合は、先生の発音から受ける影響は大きいと思います。それから、先生に関連したことで
言えば、インドでは、先生がとても尊敬されています。
親の言うことよりも、先生の言うことを聞くのが通常です。
例えば、家で親御さんが「○×ちゃん、~しなさい!」といっても 子どもは「でも、学校の先生はこういったから、先生の言う通りにする!」
という感じです。それぐらい先生は子どもたちから尊敬されているんです。
だから、「先生を馬鹿にする」っていう発想自体があり得ないですね。
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カラフルな教室の壁
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Q:そうですか。子ども達は先生のことを何て呼ぶんですか。
A:
私が小学校の頃は「バイ(マラティー語で"先生")」と呼んでいました。
今は、「○×(先生のファーストネーム)ティーチャー(※)」と呼んでいます。
※インドでは、名前をファーストネームで呼び合うのが通常です。
■英会話より大切なもの
Q:
日本の現在の英語教育をみていて、思うことはありますか。
A:
日本のキッズ英語は、英会話に力をいれすぎているような気がします。
インドの初等英語教育は、読み・書きが中心です。この訓練をしていると、中学校にあがった頃には、
自然と会話ができるようになっています。実際、友達と英語で会話はしていませんでしたが、しなさいといわれれば、
できたと思います。私は、中学校からは、ヒンドュー語を習いました。大人になった今、例えば北インドの人と会話する時は
、ヒンドューではなく、英語です。やっぱり、小さい頃から習っていたから、お互い自然とそうなってしまう。
ただ、インドの小学校英語が読み書き中心だからといって、日本の小学校もそうすべきだとは思っていません。
それぞれの環境にあった英語教育があると思うからです。日本の強みは、その多様な教材にあると思うので、
それを用いながら、英会話だけでなく、もっとバランスよく四技能(読む・書く・聞く・話す)を身につけていけばいいのではないかと思います。
■インドの英語教育の問題点
Q:
では、現在インドで抱えている問題というのはありますか?
A:
はい、あります。英語で教育をする学校に通った生徒は、
母語が出来なくて、市役所にいっても「なんで英語だけで用が済ませないの?(※)」と苦情がでたり・・・。
英語は問題ないけれど、母語が出来ないインド人も増えているのです。
これは、新たな社会問題となっています。(これはブータンが抱えている問題ととてもよく似ています。
ブータンについてはこちらをクリック!→
Click here for "Hello from Bhutan")
※インドの国の方針として、市役所などは、すべてその州の母語と、国の公用語である英語で併記することを挙げています。
それから、最近は、英語ですべてを教える私立の学校が増えているんですが
、そういう学校ってステイタスが高くて人気があるんですよね。そうすると、
その学校に生徒が移ってしまって、母語で教育をしている先生達のモティベーションが下がってしまい、
学校の質が低下してしまったりということがあります。
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インドの私立の小学校─その2
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■英語は遊びじゃ身につかない
Q:日本でも、公立の小学校での英語教育が、あと2年後に始まろうとしています。現場の先生方に何かアドバイスはありますか?
A:
韓国の英語教育も調べたことがあるのですが、
インドと共通しているのは、達成感のある英語教育を子どもの頃からしているということです。
日本は韓国から学べる点が多々あると思います。(韓国英語に関しては
こちらをクリック→(
Click here for "South Korean kids English")
私は、英語を「遊び」として勉強したことはありません。教科書を見ながら、日々 単語を覚えたり読み書きを通してベースを作りました。
かといって、つまらなかったという記憶もありません。
それは、先にお話したように「達成感」があったからだと思います。これから英語を教える日本の先生には、
そのことをお伝えしたいです。
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