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4回にわたって連載してきた秋のリスニング強化講座も今回が最終回です。いかがでしたか?
まずは今回初めて掲載した英文スクリプトを見て、前回の課題で行ったディクテーションの「答え合わせ」をしましょう。
どうですか?8割くらいの正解率だったらリスニング力は十分。自信を持ってください。それ以下であっても決して落ち込むことはありません。何度も書いてきましたが、これはあくまでリスニング力アップのための勉強方法の提案です。この方法を繰り返すことで必ずリスニング力は上がります。それは保証します。
過去にこの体育会式英語塾で使用してきたスクリプトを使って同様のトレーニングをしてみることをお奨めします。かなりの重労働ですが、それに見合った効果は必ず現れます。
■ イントネーションやアクセントの使い方 ■
さて、今回のスクリプトではやや聴き取りにくいポイントがいくつかありました。例えばMizuhoの二つ目のセリフの中でIt made me feel old.という文章があります。この冒頭のItはあまり強く発音されていないためにうまく聴き取れなかった人も多いのではないでしょうか。
ここではポイントが二つあります。Mizuho役をしてくれたネイティブスピーカーはItをあえて弱く発音しています。なぜなら、この文章で大切なのはfeel oldの部分であって主語のItではないからです。文章では重要な部分ほどはっきり発音し、そうでない部分はさらりと流します。これは英語に限らず、私たちが普段話している日本語でもそうですよね。
つまり、英語を話す際には重要な部分ほどはっきりと、そうでない部分はすばやく話すことがポイントだということです。これはイントネーションやアクセントの考え方にも繋がります。重要なことほどイントネーションやアクセントを強めて話す必要があるのです。
その次のMizuhoのセリフでHow was it?という部分がありますが、ここでも最後のitは非常に弱く発音されており、気をつけないと聞き逃してしまいます。これはHow wasとくればこのあとにitと続くことが明確なために弱く、そしてすばやく発音しているのです。耳にはwasとitが合体したようなwasit(ワジッ)と聞こえるでしょう。
■ 聴き取れない部分を自分の判断で補おう ■
もうひとつのポイントは、冒頭のItを聴き取れなくてもディクテーションでは自分の判断で補うことが可能だということです。冒頭のItを聴き取れず、made me feel oldだけが聞こえたとします。大切なことは「あれっ、主語がない」と気づくことです。会話では主語が省略されることが多いですが、それはあくまで例外的用法。英語では主語と述語があるのが普通なのです。
主語がないことに気づいたら、何が主語だろうと聴き直す前に聴き取れた部分をよく見てみましょう。ここでmadeという使役動詞が使われているということに気づけばしめたもの。使役動詞+人+動詞原形という形は前に勉強しましたね。とすれば主語がitであることは容易に判断できます。このように聴き取れなかった部分は自分の文法の知識や前後の文脈から判断して補うことが大切なのです。あまり意識していませんが、日本語の会話でも私たちは自然とこの行為をしているのです。
■ 最後の課題 ■
それでは特別講座の仕上げとして最後の課題をクリアしましょう。え〜、まだ課題があるの?!と嘆くなかれ。体育会式英語塾では決してあなたを甘やかしはしないのです。そう、英語とダイエットは楽をしては絶対に成功しないのですから。
最後の課題は今回発表したスクリプトを目で追いながらもう一度音声を聴いてみることです。このときは自分が聴き取れなかった部分に注意しながら聞いてみます。ディクテーションをやっているので、スクリプトの内容はかなり頭の中に入っていますから目で追うのも楽でしょう。
そして、総仕上げにスクリプトを見ないで音声を聴いてみます。どうですか?初めてスクリプトを聴いたときよりも聞き取れる部分が格段に多くなっていませんか?これが進歩なのです。これが苦労を重ねて課題をクリアした成果なのです。これを積み重ねることでリスニング力は確実にアップしていきます。ハードなトレーニングですが、それをこなしたあとに成果は必ず現れます。英語では努力は必ず報われるのです。
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