スポーツと賭け事は切っても切れない関係にあります。日本では公益ギャンブルは競馬、競輪、競艇などに限られていますが、欧米ではスポーツの勝敗に賭けをすることは日常茶飯事。ブックメーカーなどと呼ばれる賭け専門の会社があるほどです。
アメリカのルイジアナ州ニューオリンズにはHarrah'sという大きなカジノがあり、そこが発表する賭け率はそのままスポーツの勝敗予想として使われます。例えば、先日行なわれたNFLのカンファレンスチャンピオンシップでHarrah's の賭け率では、フィラデルフィア・イーグルスは対戦相手のアトランタ・ファルコンズに対し、5.5ポイント差をつけてfavorite(優位が予想されるチーム)となりました。これは「イーグルスがファルコンズに5.5点差をつけて勝利すると予想される」ことを意味します。
予想が当たる、当たらないは別として、これほど賭け事がスポーツと身近であるということが分かっていただけると思います。
さて、今回はギャンブルを語源とするbeat the oddsというイディオムを紹介しましょう。oddsは「ギャンブルでの勝算」のこと。転じて、「有利不利の予測」という意味で使われます。ここまで書けば、beat the oddsが「予想に反して」という意味だということが分かりますね。
1996年の全仏オープンテニスの男子決勝は、第6シードのYevgeny Kafelnikov と15シードのMichael Stich という意外な組み合わせになりました。その際に、AP通信は
Stich,Kafelnikov beat the odds to make it to final.
(シュティヒ、カフェルニコフが大方の予想に反して、決勝進出)という見出しで記事を配信しました(英字新聞の見出しでは冠詞を省く習慣があるので、実際には "beat odds" とされていました)。
スポーツの世界で予想を覆す結果をもたらすことほど面白いことはありません。だからスポーツの賭けが盛んになるんですね。
ところで、最近は海外からスポーツギャンブルの勧誘メールが届くことがよくあります。僕も何度か目にしました。日本では上記の公益ギャンブルを除く、スポーツでの賭け事はご法度です。たとえ海外では合法でも、日本から賭けをした場合に罰せられることもあるのでご注意、ご注意。
さて、先週のathlete's footですが、正解は「水虫」。スポーツ選手のロッカールームは不潔で水虫がつきものだからというのが語源となった理由だそうです。僕自身、思い当たる節がないではないです。最近では、ブーツを履く女性にこれで悩まされる人が多いと聞きます。そういえば、この間、左右のブーツをこすり合わせている女性を電車の中で見たなあ。あの人はもしかして・・・・でも、こういうのを隔靴掻痒(かっかそうよう)っていうんですよね。えっ、この言葉を知らない? 辞書を引きましょう。
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