英語の中には同じスペルなのに、全く違った意味をもつ単語が数多くあります。これが格好のダジャレのネタにもなるわけです。
この話題になるといつも僕が思い出すのは、シルヴェスター・スタローン主演の『ロッキーU』です。ある人(僕の記憶ではプロモーターだったと思います)にしつこく「後で電話してくれ」と言われてへきえきしたスタローン演じるロッキー・バルボアは、別れ際に大声でそのプロモーターの名前を叫びます。そして、"I called you!"といって笑うのです。
もう分かりますね。callには「電話をする」という意味のほかに「名前を呼ぶ」という意味があります。ロッキーは電話するのが嫌だったので、プロモーターの名前を呼んで、「さあ、お前の名前を呼んだぞ。これで約束を果たしたからな」としたわけです。
スポーツで使われると意味が変わる単語もあります。今回のedgeもその一つ。
edgeは本来、「刃先」とか「端」という意味で使われることが多い単語ですが、スポーツでは「相手に対して有利なこと」を表します。たとえば、
On hitting the long balls, Hideki Matsui has an edge over Ichiro Suzuki.
上の例文にもあるように、「〜より」という場合には "over〜" と言います。手持ちの辞書にはonでも可となっているのですが、僕が普段読んでいるスポーツ関連の文献ではoverを使うことが一般的のようです。
イディオムではonやatのような前置詞でどれを使っていいか迷うことがありますよね。残念ながら、これをマスターすれば完ぺき!というコツはありません(少なくとも僕は知りません)が、多くの英文を読んでいるうちに自然に身に付くということがあります。そうすれば、「ここはonだな」とか、「この場合にはoverがしっくりくる」という感覚が生まれてきます。実はこの感覚を身に付けることが語学学習なのかな、と思います。
それで思い出したことを、蛇足ですが書いておきます。「AはBと違う」という英語は何と言いますか?僕が学校で習った英語では次のように書きます。
A is different from B.
ところが、最近よくfromの代わりにthanを使う例を多く見ます。僕が中学生のとき、テストでdifferent thanと書けば点数はもらえませんでした。ところが、今では新聞や雑誌でも普通に目にします。言葉は時代とともにその形を変えていきます。その変化についていくこともup to dateな英語を話し、書くには必要なことなのでしょうね。あまり古い言い方をしていると「オヤジくさい」と言われてしまうかも?そういえば、英語でもダジャレのことをオヤジギャグとか何とか言うのだろうか…。
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