2月下旬にインタビューした、NFLチームで活躍する日本人チアリーダーの小島智子さん(インタビュー記事は3月21日付ジャパンタイムズに掲載)からeメールが届きました。今季のチアリーダースクワッドのオーディションに通り、見事合格したとのうれしい知らせでした。これで彼女は3シーズン連続でNFLタンパベイ・バッカニアーズの日本人チアリーダーとして活躍することになります。
小島さんによれば今年のオーディション受験者は400人ほど。その中からわずか34名が合格し、小島さんはその一人になったのです。
チアリーダーのオーディションにかかわらず、スポーツの世界ではチームの一軍入り、レギュラー入りなどで「合格」と「不合格」に振り分けられることがよくあります。また、テニスやゴルフなど予選を通過しないと本戦に出場できない競技も少なくありません。このように合格・不合格のボーダーラインをクリアして「勝ち組」に残ることをmake the cutといいます。
小島さんの例を英語で表現してみましょう。
Tomoko Kojima made the cut for the third straight year. (小島智子さんは3年連続でチアリーダーに合格した)
Make the cutはおもに「振り落とす目的で設けられたボーダーラインを突破する」というニュアンスがあります。ですから、予選通過、オーディション合格などでよく使われる言葉です。
これと同様な使い方をされる言葉にmake the teamというのがあります。これは「チーム入りを果たす」という意味で、teamの代わりにroster(選手の登録リスト)、squad(チームの別の言い方、「隊」)としても意味は同じです。
ですから、上の例文は次のように書き換えることもできます。
Tomoko Kojima made the Tampa Bay Buccaneers Cheerleaders squad for the third straight year. (小島智子さんはタンパベイ・バッカニアーズのチアリーダーチームに3年連続で入った)
チアリーダーというと華やかなイメージが先行しますよね。ところが、その最高峰ともいうべきNFLのチアは非常に厳しい世界なのです。小島さんのインタビューにもありますが、チアリーダーは基本的に無報酬か、もらえても交通費程度。その反面、オーディションに合格するための競争率は優に15倍を超えます。そして、小島さんのように過去2年間チアとして活躍した人でも、3年目はまたオーディションを受けて通らないとチームには入れてもらえないのです。どんな世界でもトップに君臨するには厳しい条件をクリアしなければいけないということなのですね。
|