『フォレスト・ガンプ 一期一会』(原題 "Forrest Gump")という映画をご覧になったことはありますか? 純真無垢な青年の一生を、アメリカの近代史に絡めて描いたファンタジーあふれる映画で、アメリカが誇るアカデミー賞俳優トム・ハンクスの代表作の一つでもあります。今回の標題の言葉を理解するには、この映画を見るのが一番です。別に宣伝ではないですが。
1971年にアメリカの卓球チームが中国に遠征し、これが両国間の国交を回復する上で非常に重要な役割を果たしました。そこからPing-pong diplomacy、日本語で言う「ピンポン外交」という言葉が生まれたのです。スポーツ用語というよりは史実に基づいた言葉といった方が適切かもしれません。『フォレスト・ガンプ』では主人公のガンプがこの米国卓球チームに所属するという設定でした。
これが転じて、スポーツによって国と国との結びつきを強めることを全般的にping-pongdiplomacyというようになりました。米中の国交回復ほどドラマチックではないにしても、このping-pong diplomacyは現在でもよく目にすることがあります。90年の湾岸戦争の発端となったイラクのクウェート侵攻で絶縁関係にあった両国ですが、現在ではすでにオリンピックやサッカーでの交流は再開されています。オリンピックなどで韓国と北朝鮮が統一チームを結成したり、開会式で一緒に入場することなども広い意味でping-pong diplomacyということができるかもしれません。
ところで、卓球は英語ではtable tennis。それをなぜ、ping-pongというかご存知ですか?もともと、ping-pongとは卓球用品の登録商標だったのです。それが、全世界で圧倒的なシェアを持っていたので、卓球の代名詞として使われるようになったのです。
日本では似たような例に「フリスビー」があります。フリスビーとはフライングディスクのメーカーの一つに過ぎません。ところが、このフライングディスクが日本に伝えられたとき、フリスビー社の製品が多く入ってきたために、それが競技名として一般的に広まったのです。フライングディスクを使ったスポーツにはフライングディスクゴルフ(広いフィールドでかごようなものにフィライングディスクを投げ入れて得点を競う)やアルティミット(フライングディスクをボール代わりに使い、ゴールに運び込む。競技方法はアメリカンフットボールやラグビーに近い)などがあり、それぞれに世界大会なども開かれています。
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