何かにつけ面倒くさがり屋の僕ですが、疑問に思ったことはその場ですぐに辞書で調べるということだけは心がけています。先日も「車をとめる」の「とめる」は漢字で書くと「停める」なのか「止める」なのか、ふと疑問に思いました。「停車」という熟語で考えると前者だけど、道路の一時停止線には「止まれ」と書いてある。考えてもわ分からなかったので、辞書を引いてみることにしました。
そのとき、この辺だろうとあたりをつけてぱっと開いたページに「とまる」がありました。一発で目的の言葉を探し当てたのです。僕は心のなかで思わず「ビンゴ!」と叫んでしまいました。
ビンゴとは縦横4〜5列に数字が並んだ乱数表を使ったゲーム。ひとつずつ数字を読み上げていって、最初に縦、横、もしくは斜めに数字列がつながった人が勝ちというのは皆さんよくご存知ですね。この「ビンゴ」という言葉を「当たり!」という意味で使うのも今では説明する必要もないかもしれないくらい一般的です。
同じような使われ方をする言葉がスポーツ用語にもあります。それが今回のTwo points!です。
出典はバスケットボール。バスケットボールではフープと呼ばれる輪の中にボールを通せば2点もらえます。1ゴール2点ということです。このことから、物事がうまくいったときに「成功!」という意味でこのTwo points!が使われるのです。
かつて僕の同僚に何よりもバスケットボールが好きというアメリカ人がいました。彼はゴミを捨てるときは決まってゴミ箱に向けて投げ入れたものです。そして、見事にゴミ箱に収まると"Two points!"といって、一人で悦に入っていました。ゴミ箱をフープに見立てていたんでしょうね。
ところで、バスケットボールではある一定の距離以上離れてゴールした場合には3点がもらえます。そして、上記のTwo points!のバリエーションとしてより難易度が高いことに成功した場合はThree Points!となります。
ブルース・ウィリス主演の映画"Die Hard"の中で、日本系企業の株式を狙った犯行グループがセキュリティのパスワードを探り出すシーンがあります。それが成功したとき、犯人の一人が得意げに"Three Points!"と叫ぶのです。和訳ではおそらく「成功だ」とか「やった」とされるのでしょうが、ThreePointsの意味するところが分かる人には犯人が苦労した末に成功した、そして、そのことに少なからず得意になっているというニュアンスが伝わるのです。
冒頭の「ビンゴ」が特に説明も要らないほどに僕たち日本人の間で浸透しているのは、それだけビンゴゲームがポピュラーだということの現れでしょう。そして、映画の中で"Three Points!"が登場人物のセリフで使われるということは、アメリカではそれだけスポーツが日常生活の中で身近にあるということなのです。スポーツを仕事としている僕としてはちょっとうらやましくなることでもあります。
さて、冒頭の「とめる」の漢字ですが、「停める」でも「止める」でもいいようです。なあんだという感じですが、それでも知らないままでいるよりはましということにしましょうか。
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