サッカーW杯のアジア最終予選の話題で持ちきりのこのごろですが、W杯と並ぶ大きなスポーツイベントといえばオリンピックです。W杯予選やシーズンまっただ中の野球の陰に隠れてなかなか話題に上ることが少ないのですが、あとひと月ほどで2012年の夏季オリンピック開催地が決定するのです。
ロンドン、パリ、マドリード、ニューヨーク、モスクワなど世界有数の大都市が立候補しているのが2012年オリンピックの特徴です。この中から2008年の北京に続く夏季オリンピックの開催地が7月6日の国際オリンピック委員会(International Olympic Committee=IOC)の総会(シンガポール)で選出されます。
20世紀終盤におけるオリンピックの招致活動が過熱したために、IOCが規律改革を余儀なくされ、審査基準を見直して公正さをアピールしたのは記憶に新しいところ。開催都市を決定する権限を持つオリンピック委員へのわいろが横行したのはオリンピック史の汚点の一つと言わざるを得ません。しかし、それだけオリンピック招致は経済効果、もしくは開催都市の国際的地位向上という点で大きな影響力を持つことの表れでもあるのです。
さて、オリンピック招致の記事の中でよく目にするのがこのvie forです。 vie for 〜という使い方をして、「〜を求めてほかのものと競う」という意味を表します。〜の部分には具体的な物質よりも地位や権利といった目に見えない利権を意味する言葉がくることが多いようです。
上記の5都市が2012年のオリンピック招致に向けて競い合っているという文を英語で書くと次のようになります。
London, Paris, Madrid, New York and Moscow vie for the 2012 Olympic Games.
また、
Three marathon runners vie for the two Olympic berths.
という文になると、「3人のマラソンランナーが2つのオリンピック出場枠を賭けて争う」という内容になります。
上で説明したように、利権を求めて競争するのがvie forの意味ですから、スポーツ以外では政治関係の記事で目にすることが多いようです。
来年といえばドイツで行なわれるサッカーのW杯が注目されていますが、オリンピックも開催されるのはご存知ですか。そう、W杯よりも先にイタリアのトリノで冬季オリンピックが開かれます。その次が2008年の北京(夏)。そして、2010年のバンクーバー(カナダ)冬季オリンピックまでの開催地がすでに決定しています。
1998年の長野大会以来、日本でのオリンピック開催はありません。ただ、2020年の夏季オリンピック招致に福岡市が立候補しそうだということです。1964年以来となる夏のオリンピックの日本開催は実現するでしょうか。楽しみではありますが、あまりに先のことすぎて実感がわかないというのが正直なところです。
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