"The harder you work, the luckier you get."
(ゲーリー・プレーヤー)
スポーツの世界で成功するには才能が必要だというのはおそらく真実でしょう。身長が高い、足が速い、ケガをしないといった「才能」に恵まれた選手たちが成功する例はたくさんあります。
しかし、努力もまた成功するために欠かすことのできない要素です。むしろ、名手と呼ばれる選手ほど努力の大切さを説くことが多いようです。往年の名ゴルファー、ゲーリー・プレーヤーもその一人です。
プレーヤーはアメリカ人以外で初めてマスターズで優勝した選手(1961年)として知られます。1935年に南アフリカのヨハネスブルグで生まれたプレーヤーは18歳でプロに転向し、4年後にPGAツアーに参加しました。
以来、マスターズでの3回優勝を始めとして、ゴルフのグランドスラム(4大大会:マスターズ、全米オープン、全英オープン、PGAチャンピオンシップ)で計9回の優勝を記録しています。なかでも全英オープンは1950年代(59年),60年代(68年),70年代(74年)でそれぞれ優勝を果たすという快挙を成し遂げました。
ゴルフクラブなど使用する用具をすべて黒色で統一していることから、Black Knight(黒い騎士)の異名をとりました。現在は主な活躍の場をシニアのチャンピオンズツアーに移しています。
そのプレーヤーの言葉として最も有名なのが標題のセリフです。Workの部分をpracticeと紹介している文献もあります。
Workという言葉は広い意味で使われます。単に「仕事をする」という意味だけではなく、「(何かに)取り組む」、「努力をする」などといった意味をも持ちます。特にスポーツの世界では努力を意味するケースが多いようです。
Hard workといえば「一生懸命練習すること」だし、work ethicは「練習に取り組む姿勢」という意味で頻繁に使われます。プレーヤーの名言もここでは努力と解釈するのがいいでしょう。
「The+比較級〜、the+比較級…」は「〜すればするほど、それだけ…となる」という用法ですね。だから、プレーヤーの言葉は「一生懸命努力すればするだけ、幸運が巡ってくる」と訳すことができます。スポーツでは幸運に恵まれて勝利を手にすることも少なくありません。しかし、その幸運も普段から努力をしているものにこそ訪れるものだとプレーヤーは言いたいのでしょう。
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