スポーツ選手のニックネーム(後編)
前回に引き続き、スポーツ選手のニックネームを取り上げます。
アルペンスキーのスーパースター、ヘルマン・マイヤー選手(オーストリア)はオリンピック、ワールドカップで優勝経験のある有名選手です。この選手は「ハーミネーター(Herminator)」というニックネームがあります。これは彼のファーストネームHermannとTerminatorを合わせた造語です。マイヤーは2001年の夏にオートバイ事故で右足を骨折するという重傷を負いました。引退も危ぶまれましたが、翌年のシーズンには見事に復帰し、2003−4年シーズンでは3季ぶりのワールドカップ優勝を果たしています。この鉄人ぶりと、豪快なすべりはまさに映画『ターミネーター』をほうふつとさせます。
サッカーの選手にもいろいろなニックネームがあります。ブラジル代表ロナウドは別名「フェノメノ(Fenomeno)」と呼ばれます。これはイタリア語で「非凡な、すごい人」という意味だそうです。英語でいうPhenomenonにあたる言葉ですね。また、イングランド代表のデイビッド・ベッカムには「スパイシーボーイ(Spicy Boy)」というあだ名もあるそうです。
NHLのトロント・メイプルリーフスで活躍するエリック・リンドロス選手は、ひとたびパックを持って滑走すれば誰にも止められないとまで言われるパワフルな選手です。その姿はまるで電車のよう。そこでついたあだ名が、彼の頭文字をとってE-Train。なかなかうまくつけたものです。
先日、東京の両国で「AND1」というバスケットボールのイベントがありました。これは、ヒップホップの音楽にあわせて競技をするもので、アクロバティックなプレーが続出してアメリカでは大きな人気を呼んでいます。このイベントに来日したアメリカチームの選手は全員がニックネームでチーム登録をしていました。たとえば本名グレイソン・ブーチャーの登録名は「プロフェッサー(Professor)」、トニー・ジョーンズは「Go Get It」といった具合です。
あだ名を紹介するときによくa.k.aという略語をつける場合があります。これはalso known asの略で、文字通り「またの名を〜で知られている」という意味です。Hermann Maier, a.k.a. Herminator, is an alpine skiing player.のように使います。
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