"We started at the bottom of the mountain with everyone else and we're happy to get to the top."
(NFL ペイトリオッツヘッドコーチ ビル・ベリチック)
早いもので、今年も残すところあとわずかとなりました。そこで今月は2005年に誕生した名言の中からいくつかをご紹介しましょう。
今回の名言はNFLニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ、ビル・ベリチックのものです。今年の2月6日にフィラデルフィア・イーグルスを破って第39回スーパーボウルで優勝を遂げたときの発言です。
ペイトリオッツは史上8チーム目となるスーパーボウル2連覇を達成するとともに、2001年からの4シーズンで3度のリーグ制覇を成し遂げ、黄金期を迎えました。今年は史上例のないスーパーボウル3連覇を目指して戦っています。
昨年のペイトリオッツはチーム力が充実していたこともあり、シーズン前から優勝候補筆頭にあげられていました。その意味では2年連続のリーグ優勝はほぼ予想通りという結果だったのです。
それでもベリチックは"We started at the bottom of the mountain with everyone else"と言っています。長いシーズンを登山にたとえ、最初はほかのすべてのチームと同じスタートラインから始めたと強調するのです。
「過去の実績はどうあれ、シーズンが始まるときはすべてのチームが0勝0敗で横並びだ」というのがベリチックの口癖です。前年に優勝したチームであろうと、シーズンが新しくなればまた0から始めなければならないのがプロスポーツ。その厳しさを十分に知っているからこその言葉です。そして、これはまた、優勝におごりがちな選手への警鐘という意味をも持っています。スポーツ選手は勝ち続けると目標を失い、次第にモチベーションを維持することが難しくなります。それを防ぐために、ベリチックはあえて新たなハードルを選手に与えるのです。
今年のペイトリオッツは苦戦が続いています。3連覇を期待されて臨んだシーズンですが、前半は勝ちと負けを繰り返すばかり。故障者も多く、昨年には遠く及ばないとの評価を受けています。ところが、11月を過ぎるとようやく本領を発揮し始め、先週末に3年連続となる地区優勝を決めました。NFLでは地区優勝チームはプレーオフに進出します。ペイトリオッツのような常勝チームはプレーオフに入るとレギュラーシーズン中とは違った強さを発揮するものです。まだ史上初のスーパーボウル3連覇の夢は残されています。そして、もし、それが実現したときにベリチックがどんな名言を残してくれるのか、楽しみでもあるのです。
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