"She's as mean as a snake.            She reminds me of me."
(テニスプレーヤー マルチナ・ヒンギス)
テニスのグランドスラムの最初のイベント、全豪オープンが開催中です。男子では早くも第2シードのアンディ・ロディック(アメリカ)が4回戦で負けてしまうなど波乱を呼んでいます。
この大会の話題のひとつはマルチナ・ヒンギス(スイス)の参戦です。ヒンギスは1994年に自分の14歳の誕生日にプロデビューしました。マルチナの名前は名選手マルチナ・ナブラチロワにあやかって付けられたというのは有名な話です。
96年にツアー初優勝を飾ると、翌年の全豪オープンでグランドスラムとしては史上最年少の16歳3ヵ月で優勝します。その直後に世界ランキング1位となり、天才少女の名をほしいままにしました。ちなみに、日本の伊達公子選手が現役最後に戦った相手がヒンギスでした。
ところが、ヒンギスは2002年を最後にプロテニスから引退をしてしまいます。絶頂期にありながら突然の引退はテニス界を大きなショックで包みました。 そのヒンギスが今年からの現役復帰を表明、過去に3回の優勝経験がある全豪オープンに主催者推薦選手として出場しています。今回の「名言」はこのヒンギスがいまや飛ぶ鳥を落とす勢いで人気・実力ともに急上昇中のマリア・シャラポワについて印象を述べたものです。
シャラポワは日本で最も有名な現役選手のひとりでしょう。18歳ながら世界のトッププレーヤーに君臨し、その美貌からはファッションモデルもこなします。日本でもテレビCMでおなじみですね。
さて、そのシャラポワを評して蛇のようにmeanであるとはヒンギスも言ったものです。Meanとは「意地の悪い」、「冷酷な」という意味の単語で、およそ女性には使うべき言葉ではないでしょう。それも、妖精とあだ名されるシャラポワに対しては侮辱もいいところです。
もちろんヒンギスはシャラポワの容姿を言ったのではなく、彼女の力強いテニスのプレースタイルを評したのでしょうが、それにしても言葉の使い方が適切だとは思えません。そして、さらにこう続けます。She reminds me of me. つまり、「自分を見ているようだ」と。
ヒンギスはシャラポワがどんなに素晴しいテニスをしていようと、自分にだってそれくらいの力はあると言いたいのでしょう。かつて世界1位に君臨した女王のプライドがここに見えます。
この発言を伝え聞いたシャラポワがどんな反応をしたのかは興味のあるところです。
この原稿を書いている時点でふたりはまだ全豪オープンのトーナメントで残っています。このふたりの直接対決が実現すれば、これはまたいろんな意味で注目の試合となることでしょう。
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