"I have Super Bowl tickets.    Will trade for a reliable car or truck."
(マイアミへラルド紙に掲載された広告)
僕は今週から来週にかけてアメリカのデトロイトでNFLのスーパーボウルを取材します。そこで、今回からしばらくスーパーボウルにまつわる名言をご紹介します。次回からは現地で拾った選手の生の声をお届けします。
スーパーボウルとはアメリカのプロフットボールリーグの優勝決定戦のことです。1967年に始まり、40回を迎える今年は2月5日(日本時間6日)にミシガン州デトロイトで行なわれます。
対戦カードは6度目の出場となるピッツバーグ・スティーラーズと球団創設30年にして初出場のシアトル・シーホークス。強力なパスオフェンスのシーホークスと鉄のカーテンとの異名をとる固いスティーラーズのディフェンスの対決という興味深いマッチアップになりました。
今年のスーパーボウルのチケットは600〜700ドルですが、一般に売られる枚数が多くないためにこの正規の値段で売られることはまずありません。人気チームが出る大会ほどチケットにプレミアが付き、値が上がります。今年は70年代に絶大な人気と実力を誇ったスティーラーズが10年ぶりに出場するとあってチケットの値段が高騰しています。僕の知人は2,500ドルで購入しました。フットボールに興味のない人には全く理解できないでしょうね。
さて、今回の名言(迷言?)は実際に新聞広告として掲載されたものです。フロリダ州マイアミで第23回大会が行なわれたときのことでした。この広告主は手持ちのスーパーボウルチケットを車と引き換えると申し出ているのです。Reliableと付け加えているところにアメリカらしさを感じます。アメリカでは日本のような車検制度がないので、年数を経た車にはかなりガタがきているものもあります。ですから、「ちゃんと走る車に限る」とくぎを刺しているのです。逆に言えば、このreliableを付け加えることによって、自分は本当にチケットを持っているぞとアピールする効果もあるのでしょう。
こんな広告を出す方も出す方ですが、掲載する新聞社も日本の常識では測れない奔放さがありますね。バカげていると思われるかもしれませんが、この類の広告はスーパーボウルでは珍しくありません。そして、こういった広告に飛びつく人が決して少なくないのです。
また、こういう例もあります。スーパーボウルを開催する都市では観光客の宿泊するホテル数が絶対的に足りなくなります。そこで、一軒家を持っている人は自分の家そのものを1週間の期限で観光客に貸してしまうのです。中にはメイド付きという「物件」もあります。これほどスーパーボウルというのはアメリカで絶大な人気を誇る一大イベントなのです。
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