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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 30 : スポーツ記者になっちまった!

 僕は1991年の4月にジャパンタイムズに入社し、以来ずっと運動部に所属しています。今では部で一番の古株となってしまいました。

 そんな僕が実はスポーツ記者志望ではなかったと言うと驚く人が意外に多いのです。 大学時代にアメリカンフットボールをしていたためか、一般の人よりは体格がいいほうなので余計にそう思われるのかもしれません。

 アメフトに限らず僕は子供のころからずっとスポーツをしてきました。その経歴からすればスポーツ記者を志望していたと思われても仕方ないのかなとも思います。

 僕が入社した年は1週間の新人研修を経て配属が決められました。当時の編集局長から「運動部に配属」と言われたときには正直言ってビックリしました。「おいおい、スポーツ記者かよぉ」と心の中で思ったものです。

 新人ですから、部署の希望など聞いてもらえるわけはないのですが、それでもいきなりスポーツという専門的なセクションに配属されるとは想像もしていませんでした。実は、自分では週刊STに配属されるのではないかと予想していたのです(そんな僕が現在、STオンラインでコラムを書いているのは何かの縁でしょうか)。

 なぜ僕が運動部に配属になったのかを会社に問いただしたことはありませんが、やはりスポーツをしてきたという経歴が決め手になったのではないかと推測します。ただ、困ったことに僕はスポーツ観戦をしたことがほとんどなかったのです。

 スポーツとは観戦するものではなく、自分でプレーするものだと考えていたので、学生時代もアメフト以外で生観戦したスポーツはプロ野球くらいでしょうか。もっとも、普段はアメフトの練習があるのでほかのスポーツを観戦にいく時間はありませんでしたけど。

 スポーツ記者にとってスポーツ観戦に経験が少ないことは大きなマイナスです。ルールは勉強すれば何とかなりますが、そのスポーツの持つ歴史や現状への知識、試合特有の流れを読む勘のようなものは観戦経験が豊富でなければ培われないからです。

 最初に苦労をしたのはテニスでした。僕自身も中・高校でテニスをしていたのでルールは分かっていましたが、80年代後半からは観戦も全くしていなかったのでどんな選手が活躍し、人気があるのかといった当時の現状をほとんど知らなかったのです。専門雑誌を読みまくって何とか知識をつけたものの、やはり付け焼刃の知識は役には立ちません。取材を進めていく上で少しずつ知識をつけていくしかなかったのです。

 オリンピックやアジア大会などの総合スポーツ大会も苦手でした。ルールの勉強から始めなければいけないスポーツもたくさんあるからです。94年に取材したアジア大会(広島)ではシンクロナイズドスイミング、セパタクロー、カバディなどのスポーツを取材しましたが、毎日がルールとの格闘でした。当時はインターネットなどありませんから、ルールの勉強はひたすら文献に頼るしかありません。しかし、セパタクローやカバディなど日本でなじみのないスポーツではそうはいきません。この場合は、競技委員会のルール説明会に出席するなどして勉強するほかはありませんでした。

 取材をして記事を書くことは、まるで学生時代のレポートと同じだなと思ったものです。毎日勉強して、それをレポートにまとめて提出する作業は競技のルールは背景を勉強してから取材し、そこで得たものを記事にする仕事によく似ています。

 それでも、自分自身がスポーツをしていた経験は大いに役に立ちました。選手の気持ちは競技経験のない人よりはよく分かりますし、試合の行方を左右する大事な場面をかぎ分ける嗅覚はやはりテニスやアメフトをしていた経験から身に付いたものだからです。

 これまでいろんなスポーツを取材し、さまざまな名・珍場面に出くわしてきました。新人のころよりは観戦や取材もうまくできるようになりました。それでも、現場に出ることが少なくなった今では、たまに取材に行くと以前とはまるで事情が違っていて浦島太郎のような気持ちになることもあります。やはり、記者は現場が命。以前のように取材に明け暮れる日々が懐かしく思われます。

次回予告:スポーツ記者になってよかった

 今でこそ僕はスポーツ記者になってよかったと思っています。でも、最初はそれほど気乗りのする仕事でもなかったのです。そんな僕を変えてくれたのは、ある先輩の一言でした。今の僕があるのはこの言葉のおかげといっても過言ではありません。その一言とは?

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