記者ほど素敵な商売はない

Vol. 45 : さあ、オフだ！

　昨年9月に始まったアメリカプロフットボールリーグNFLのシーズンも、2月10日に行なわれたプロボウル（オールスター戦）で今シーズンの全ての日程を終えました。9月まではオフになります。

　ジャパンタイムズの本業を除いて僕の仕事のうちで大きな割合を占めるNFLが終わりました。僕自身にとっても約7ヵ月のオフが始まります。さてさて、何をしようか？

　本業の仕事にはオフはありませんが、NFL関係の仕事がなくなったことで僕のプライベートの時間が格段に増えることになります。なんといってもシーズン中は出社しているとき以外のほとんどの時間をフットボールの情報集めに費やすわけですから。

　シーズン中に自粛していた読書も始めたいし、映画も観たい。去年少しだけ勉強した囲碁も打てるようになりたいし、最近盛んにTVでCMをしている通信講座で何かを集中的に勉強するというのにもあこがれます。

　っと、ここで僕のオフのすごし方をだらだら書いても仕方がありません。今回はオフがいかに大事かというお話したいと思っていたのでした。

　スポーツ選手にとってオフとは体のメンテナンスをする重要な休養期間です。激しい運動をすれば体は確実に痛みます。プロスポーツ選手ともなれば多少のケガで試合という仕事を休むわけにはいきませんから、かなりの無理を体に強いているわけです。ですから彼らはオフの間にじっくりと故障個所を直し、体を休めます。そして、シーズン開幕に向けて再びトレーニングを開始するのです。

　スポーツ選手に限らず、「休む」ということはとても重要なことです。人間の体は睡眠をとらずに永遠と動き続けられるようにはできていません。やはり、適度に休みを取って活力を取り戻すことが大切なのです。

　精神的にも同じことが言えます。人間の集中力は60分も持続しないという話を聞いたことがあります。それを、通常は1日に8時間（それよりも多いという人がほとんどでしょうが）、1週間に5日間は働くわけですから疲れるのは当たり前です。

　体を休めるのに一番いい方法は睡眠をとることです。これは万人に共通しています。しかし、精神的に休養をとるやり方は人それぞれではないでしょうか。

　僕はフットボールが好きですが、やはり四六時中フットボールのことばかりを考えていると疲れます。以前にもこのコラムで書きましたが、そういう時は漫画を読んだり、B級と呼ばれる映画を観たりして脳を休めます。家族と過ごしたり、料理を作ったりすることも僕のリラックス法です。ゲームはほとんどやりません。脳がかえって疲れてしまう気がするからです。

　先日、面白い記事がスポーツ新聞に掲載されました。楽天ゴールデンイーグルスの野村克也監督が新人の田中将大投手に対してオフのゴルフ禁止令を出したというものです。現在はプロ野球各チームがシーズン開幕に向けてキャンプをしている時期なのですが、その休養日にどうやら田中投手はゴルフに出かけたらしいのです。野村監督の考えでは「オフの日には体を休めるものだ、ゴルフなどけしからん」ということだったのでしょう。これに対して田中投手はゴルフをするのは気分転換に必要で、「積極的休養だ」というようなことを述べています。

　確かに体調のことを考えると野村監督の休養説が正しいのでしょう。でも、精神的にリフレッシュするという意味では毎日行なっている野球から離れてゴルフに没頭するのも悪くはないかもしれません。

　オフのすごし方は人それぞれですが、やはり本業とは違ったことをして気分転換を図るというケースが多いようですね。皆さんはどのような休日をすごしていらっしゃいますか？

　さて、僕はこのオフの間にやらなければいけないことがあります。NFLで生まれた新しい戦術を勉強し、録画したまま観ていないゲームのビデオをチェックし、チームや選手のオフの間の動向を追いかけて…やっぱりオフもアメフトから離れられそうもありません。

次回予告：フランチャイズ制の意味

　スポーツ界ではフランチャイズ制といって、チームをさまざまな地域に分散させてリーグを構成するのが一般的です。分かりやすく言うと地元密着型ということです。これはスポーツの発展に大きな役割を果たします。次回のテーマはこのフランチャイズ制です。