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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 53 : 新聞作りの工程@ 記事作りと編集

 4月も半ばを迎え、東京では桜の花も散り始めました。読者の皆さんも新生活をスタートさせているころでしょう。僕もこの4月でジャパンタイムズに入社してから17年目を迎えました。 初心を忘れずというわけでもないのですが、今回から数回に分けて新聞作りの工程をご紹介しましょう。1回目は新聞作りの目玉ともいうべき記事の作成とその編集です。

 新聞作りはまず記事を書くことから始まります。一言に記事といっても、これまでこのコラムで触れてきたようにいろんな種類のタイプがあります。日常で起こっている出来事をニュースとして伝えるストレートニュース、読み物記事のフィーチャー、インタビュー記事などです。ストレートニュースは、出来事が起きてから対応するのが普通ですが、フィーチャーやインタビュー記事では事前の準備から記事作成が始まります。いわゆる下調べというものです。関係する書籍を読み込んだり、取材する対象のバックグラウンドを調査することがこれに含まれます。

 一般的にいう新聞記事はストレートニュースのイメージが強いでしょう。この場合は出来事が起きた後に取材→記事作成という手順を踏みます。僕が日常的に携わっているスポーツ記事の作成はこの工程を踏む典型的な例です。取材のやり方やその裏話についてはこのコラムでも何度か取り上げてきました。

 記事の中には社の記者が書いたもの(自社記事といいます)のほかに外電と呼ばれる通信社から配信されるものがあります。ジャパンタイムズは自社記事と外電記事を併用しています。

 記事が用意されると今度は編集という過程に進みます。このときにはどのニュースをどれだけの重要度で掲載するかという判断が必要になります。新聞ではどの位置に記事を掲載するかでその重要度を測ることができます。邦字紙なら1面の右上がトップ記事、ジャパンタイムズのような英字新聞では1面左上がトップ記事となります。ジャパンタイムズのスポーツ面は最終の3ページを使用していますが、この場合は最終面左上がトップニュースの指定席ということになります。

 編集はどのニュースをどれだけの分量で、紙面のどの位置に掲載するか、ヘッドラインや写真の大きさはどうするかが焦点になります。これは各新聞社によって判断が異なります。ですから、複数の新聞を見比べると、その新聞社がどのニュースに重きを置いているかが手に取るように分かります。そして、ほかの新聞に載っていない重大なニュースが「スクープ(特ダネ)」と呼ばれるものです。逆に、他紙のほとんどに載っているのに自社の新聞だけが掲載していないニュースは「特落ち」といい、新聞社が最も恥とするものです。

 編集では紙面のレイアウトも重要です。重大なニュースではヘッドラインや写真を大きく使います。スポーツ新聞の1面を思い浮かべればこれは一目瞭然ですね。

 英字新聞はすべて横書きなので、そのレイアウトではいくつかの独特な約束事があります。例えば、隣り合った記事でヘッドライン同士がぶつかってはいけないというものです。この場合は間に写真を挟むのが常とう手段です。どうしても2つの記事でヘッドラインが衝突してしまう場合には、片方のヘッドラインのサイズを変えたり、2〜3行のヘッドラインにして変化をつけるようにします。

 何気なく掲載しているように見える写真にもレイアウト上のルールがあります。写真に写りこんでいる人の向きはページの内側を向いているのが理想的とされます。つまり、ページの右端に掲載する写真に写っている人物は左側を向いているということになります。この写真の人物が右側、つまり紙面の外側に向いているとなんだか落ち着かない感じを受けるものです。今度、気を付けて新聞の写真を見てみてください。写真の人物はほとんどが新聞の中央に顔を向けていることに気が付くでしょう。

 記事の作成も編集も締切り時間を守ることが不可欠です。どんなにいい記事でもすばらしいレイアウトでも、締切り時間を過ぎてしまえば新聞には載せることはできません。いや、それ以前に新聞が発行できなくなってしまうからです。

 さて、記事ができてそれを編集したあとは印刷へと向かいます。次回は製版から印刷への工程をご紹介します。

次回予告:新聞作りの工程A 製版と印刷

 ページのレイアウトが完成すればいよいよ印刷です。ただ、その前には製版という重要な過程があります。かつては鉛版の活字を拾って行なっていたこの製版作業。現在はどのように行なっているのでしょうか。

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