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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 61 : それっておかしくない?

 先日、あるラーメン屋に立ち寄ったときのことです。暑かった日なので生ビールも注文しました。出てきたビールを早速グィッと飲んだ瞬間、ある張り紙が目に入ってきました。

 「当店では車でご来店のお客様にはアルコールをお出ししません」

 最近ではこういう宣言をしている飲食店が多くなりました。昨年、飲酒運転にまつわる事故が頻発し、それが大きく報道されたことがきっかけとなったようです。

 僕が入ったラーメン屋でも堂々とポスターを貼っていました。でも、ちょっと待って。僕がビールを注文したとき、僕が車で来ていないって確認した?実際に僕は車ではなかったので問題はないけれど、それでも一言確認するべきじゃないでしょうか。それもせずに「運転者にアルコールは出さない」と宣言しているの?それっておかしくない?

 数ヵ月前にテレビで、夜11時ごろまで子供の面倒を見てくれる保育園のことが紹介されていました。保育園では午後6〜7時までに保護者がお迎えに来るのが一般的です。深夜まで子供を預かってくれるというのは私立の保育園とはいえ異例中の異例でしょう。

 そのテレビでは母親がどうしても外せない仕事を抱えており、何日か連続で午後11時ごろまで保育園に預けているという事情を紹介していました。保育園が子供の面倒を見てくれるというのは働いている親にとってはありがたいものです。政府が唱えている子育て支援の一環として保育園の充実があるのは周知のとおりです。

 でも、夜11時まで預かってくれる保育園は本当に「子育て」支援なのでしょうか。子供は深夜に迎えに来た親とともに帰宅します。帰宅してもすぐに寝ないとまた次の日は朝早くから保育園に行かなければいけません。親と接している時間などほとんどないのです。保育園に通う幼児期の子供は情緒が発達する段階にあります。その時期に親との交流が少ないというのは残念なことです。

 こういう状況が「子育て」を支援しているといえるのでしょうか。この保育園が支援しているのは子育てではなく、仕事を持つ親であり、その親の勤めている企業なのではないでしょうか。

 子育て支援は難しい問題を多く抱えています。行政や企業が努力や犠牲を払わなければ解決しないことも多いです。それでも、深夜まで子供を施設に預けなければいけないという状況はやっぱりおかしいと思うのです。

 高校生に金銭を供与していたことが発覚した西武ライオンズにプロ野球コミッショナーが制裁を下しました。制裁金3000万円と今秋の高校生ドラフトで上位2人の指名件のはく奪というのがその決定です。でも、これっておかしくない?

 「裏金問題」でライオンズがアマ選手に不正供給していた金額は14億円にも上ります。そんな球団に制裁金がたったの3000万円?高校生ドラフトの指名権ははく奪されても大学生や社会人といったより即戦力と思われるドラフトには参加できる。どこが「制裁」なのでしょうか。

 この問題は開幕直前に発覚したせいもあって、プロ野球の根幹を揺るがしかねない大スキャンダルとなりました。その当時、コミッショナーはこの問題を根絶すべき、真相解明に努めると約束したはず。ところが、実際には金銭を受け取っていたアマチュア側の関係者の名簿は公開されないまま。結局はうやむやにされてしまったようなものです。

 今ここで真相を解明し、新たな規範作りをしておかないとこの問題は将来に再び起こることになるでしょう。

 何が何でも憲法改正を自分の業績として残したい、そんな意図がうかがえる安倍総理。改憲のネックとなりそうな「集団的自衛権」の問題を討議するために有識者による委員会を招集しました。ところが、そのメンバーはいずれも集団的自衛権の容認派ばかり。これじゃあ、議論もへったくれもありゃしない。賛成意見ばかりで討論される委員会っておかしくない?

次回予告:アメフトW杯

 ワールドカップといえばサッカーが有名ですが、アメフトにもワールドカップは存在します。しかも、第3回大会は今夏、日本で開催されるのです。次回はあまり知られていないアメフトワールドカップについてお話しします。

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