アメリカンフットボールにもワールドカップがあるのをご存知ですか?今年はその第3回大会が行なわれます。舞台となるのは神奈川県川崎市です。
「へえ〜そうなんだ」と思われた方。驚くのはまだ早いです。過去2回の優勝チームはなんと日本なのです。アメフトではほかに公式の世界大会はありませんから、日本こそがアメフトの世界チャンピオンなのです。
「え〜っ!日本ってアメリカよりも強いの?」と思われた方。ちょっと早合点です(笑)。なぜなら、前2大会にはアメフトの本場アメリカは参加していなかったからです。「な〜んだ」と言うなかれ。日本は体格差で優るオーストラリア、ヨーロッパの強豪フランス、スウェーデン、そして、アメリカやカナダに次ぐアメフト先進国メキシコを破っての堂々の優勝なのですから。
その日本は地元で開催される大会で3連覇を目指すことになります。が、今大会にはいよいよアメリカが乗り込んできます。日本にとっては王座防衛を阻む可能性の高い最大の敵が襲来することになりますが、本場アメリカを破って文句なしの世界王者となる絶好の機会だともいえます。
アメリカの参加によってワールドカップは本当の意味での世界大会となりました。言葉は悪いですが、「ハクがついた」といったところです。当然、アメリカはアメフト誕生国としてのメンツがありますから、なんとしても負けられないという心構えで参戦してきます。日本が柔道で外国勢に負けることが許されないのと同じです。
先日、アメリカ代表チームが発表になりました。4月に行なわれたNFLドラフトで選考されなかった卒業生を中心に構成されています。プロの多くの選手を輩出する有名校からの選手も多数おり、アメリカの「本気モード」がうかがえます。
打倒アメリカを目標とする日本も安穏とはしていません。今年始めに社会人リーグの選手を中心とした代表候補をリストアップし、毎週のように合同練習を重ねてきました。社会人リーグは恒例のトーナメント大会を中止し、代表チームの強化に全力を注いできました。すでに壮行試合も4試合こなし、今月末の45名の正代表の発表を待つばかりとなっています。
今大会は7月7日に開幕し、15日に決勝戦が行なわれます。参加国は6ヵ国で2グループに分かれて予選を行ない、それぞれのグループの1位同士が決勝で対戦することになります。日本は過去にも対戦経験のあるフランス、スウェーデンとともにグループ1に所属し、グループ2にはアメリカ、ドイツ、韓国が所属します。
競技レベルでいうならアメリカがダントツのトップ、ついで日本、ドイツとなるでしょう。日本がアメリカと決勝戦で対戦するためには予選を1位で突破する必要があります。アメリカも決勝進出のためにはドイツが要注意の敵となるでしょう。
「日本はアメリカに勝てるの?」と誰もが思うでしょう。過去には代表チーム同士の対戦はありませんが、日本選抜チーム(公式な日本代表ではないため「代表」という言葉は使えません)がアメリカのチーム(大学単独チームもしくはアイビーリーグ選抜チーム)と対戦したことがあり、いずれもアメリカが圧勝しています。日本が不利だと思う理由は残念ながらたくさんあります。
でも、僕は日本に十分勝機ありと考えています。それはなぜか?次回のコラムでそれを説明しましょう。
次回予告:日本がアメリカに勝つこれだけの理由
日本代表の壮行試合を取材し、関係者の話を聞いた上で僕は、日本はアメリカを倒す可能性が高いと見ています。それはなぜでしょうか。
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