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新聞記者の素顔

By Yukiko Ohmura / 大村 由紀子

このセクションでは 「ジャパンタイムズの記者たち」と「彼らの書いた記事」を紹介します。記事を書いた時のエピソードや、オフィスで一緒に働いている同僚しか知らない素顔もご覧いただけます。

(この連載は2004年に掲載されたものです)

Vol. 4 : MIGHTY MASAMI (2004年8月10日掲載)

Writer's Biography
伊藤 聖美

東京三鷹生まれ、新宿区育ち。7歳の時に父親の仕事の関係で渡米。ニューヨークの郊外で5年過ごす。渡米直後は日本人がまったくおらず、英語を学ばざるを得なかった。英語が身に付いたころには逆に日本人である自分が嫌いになり、外国人に生まれ変わりたかった、と本人は語る。慶應義塾大学法学部卒業後、JTに就職。学芸部の記者として毎週、死刑制度から東洋医学まで、さまざまなテーマで記事を書いてる(執筆当時)。

My Article

思い出の記事:「お酒も注いで、愛も注いで」
"Drinking in the delights of men "

(2003年1月12日付ジャパンタイムズより)

Behind The Scene * 思い出の記事執筆時のエピソードを記者が語ります。

[ジャパンタイムズ・学芸部記者]伊藤 聖美談

同僚記者と次のネタ探しをしていた時に「ホストクラブなんてどうかな?」という話から始まった取材です。

そこで、ネットでいろいろ調べていると「私たちはホストクラブを推進しています」というようなサイトに出くわしました。実際に運営している方も元ホストで、その業界をもっと一般の人に知ってもらうために立ち上げられたサイトだったんだけど、最初は怪しいな〜と思いました。

でも、電話してみたら、ちゃんと応対していただき、「ホストクラブ二日間ツアー」を組んでもらいました。しかも、「後から法外な額を請求されたりしたらどうしよう〜」って不安でしたが「お金はとりません」と言ってくれました。

取材当日は夜中12時に新宿集合。普通の取材じゃあり得ない時間でしょ?しかも、そんな時間に歌舞伎町を歩いたこともなかったからちょっと怖かった・・・。

ホストは悪い人たちじゃなかったですよ。でも、ロマンチックとはかけ離れた世界だったのがビックリ。大学の飲み会みたいな感じだったかな。シャンペンとかもジュースで割ってイッキ飲みしちゃうんですよ。すごくもったいな〜い!!

顔は正直特別カッコイイとは思わなかったんだけど・・・と言うと「あなたは男の趣味が悪い」なんて周りからは言われるんですけどね(笑)。

私はお金を払ってまでまた行きたいとはあまり思わないですね(笑)。ただ、何を面白いと感じるかですね。イッキのみが好きな人とかはいいかも・・・?

まぁ、世の中の男性が消えてホストクラブにしかいなくなっちゃったら行くかもしれませんね(笑)。

Inside Out * 記者の隠された一面をご紹介します!

相手の目をしっかり見て、はきはきと話をするさわやかな8頭身のスレンダー美女である伊藤ちゃん、しかし実は彼女は、昔から「人前で話をする」ことが大の苦手だった。そんな伊藤ちゃんが、悩みを克服するべくマスコミの世界に身を投じた道のりをかいつまんで紹介します。

試練の時、Part I: 「将来は英語の推理小説作家になりたい」と思っていた小学校のころから、極度の「人前緊張症候群」に悩まされていた伊藤ちゃん。授業中の朗読も声が震え、自分でも聞こえないような声になってしまうほどだった。塾など、人が大勢いる所で一緒に勉強という状況もつらかったそうな。「親指をテニスでねんざして字が書けません(?!)」などといった仮病をつかって塾をたびたびサボることも。英検1級のテストは、一次は毎回受かるものの、2次の、「みんなの前でスピーチ」という難関が立ちはだかった。自分の番がまわって来て、立ち上がったものの、頭の中は真っ白・言葉がでてこない。「何でもいいから話をしてください」と試験官に言われ、同じ事を何度も繰り返して言ってしまったり・・・。

試練の時、Part II:大学生になり、周りが就職活動に励んでいるころ、特に「これがやりたい!」といった事がなかった伊藤ちゃん。でも、英語で何かをしたい、とは思っていた。そこで、「ここで逃げたら私は一生このままで終わる!」と、「人前緊張症候群」を克服するべく通訳になろう!と決心。大学に通いながら通訳の学校にも通うことに。が、決心はしたものの、相変わらず緊張で頭の中が空っぽになることは続いた。しかし、そこの先生に「君は、知識はまだまだだけど、どんな場でも普通に冷静に話ができるし、緊張もしないみたいだから通訳に向いてるんじゃない?」と、思いもかけなかった言葉をかけてもらって、「あんなに緊張してたのにバレてなかったのか?!」と、すこし光が見えたのだった・・・。

試練の時、Part III:そんな時、JTで翻訳・編集アシスタント募集を発見、みごと合格した。が、入って数ヵ月後に当時の部長から「記事を書いてみないか」と言われる。「新聞記者なんて死んでもやりたくない!」と昔から思っていた伊藤ちゃんだったが、「小説家になりたい」という夢を持っていたこともあり、物を書く仕事をするのもいいかもと、承諾。が、やはり初めは「人前緊張症候群」のせいで、取材の前の日から胃が痛い、眠れない、歯が痒い(なんだそりゃ?)などの症状に襲われる。質問を用意してあるとはいえ、間が空くと「もうだめだぁ〜!!」とパニくり、盛り上げようとして余計に状況を悪化させてしまったりといったことも。しかし、取材を続けるうちに、「話題をつなげるのも仕事だ、そしてそれをやれるだけの知識が前もってあれば大丈夫なんだ」と悟っていったそうな。その後、緊張の度合いを順調に減らし続けているのであった。

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