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新聞記者の素顔

By Yukiko Ohmura / 大村 由紀子

このセクションでは 「ジャパンタイムズの記者たち」と「彼らの書いた記事」を紹介します。記事を書いた時のエピソードや、オフィスで一緒に働いている同僚しか知らない素顔もご覧いただけます。

(この連載は2004年に掲載されたものです)

Vol. 6 : SISTER ERIKO (2004年6月8日掲載)

Writer's Biography
有田 えり子

神奈川県育ち。上智大学外国語学部英語学科在学中、アメリカのサンフランシスコ大学に10ヵ月留学する。卒業後、国際交流NGO「ピースボート」に1年半勤務、通訳やツアーのコーディネートを担当。その後フリーターを経て、NHK短波ラジオ放送の英語インタビュー番組の企画、レポーターを勤める。ジャパンタイムズ入社後は、報道部で文部科学省を担当し、今年1月から環境省と東京都庁を兼務(執筆当時)。

My Article

思い出の記事:「児童労働撲滅に奮闘する企業」
"Firm seeks to boot out child labor "

(2002年5月2日付ジャパンタイムズより)

Behind The Scene * 思い出の記事執筆時のエピソードを記者が語ります。

[ジャパンタイムズ・報道部記者]有田えり子談

サッカーのワールドカップで日本中が盛り上がっているころ、フェアトレードカンパニーからニュースリリースがファクスで届いて、それを見たデスクに「面白そうだからいってみれば?」と提案されて取材して書いた記事です。

ちょうどタイムリーだし、サッカーボールなどわれわれが普段買うようなものを通じて児童労働に関して考えたり、疑問を投げかけたりできるのはいいかもな〜と思いながら取材に行きました。

そうしたら、お店にいざ着いたらそこで働いている方から、「・・・・・どこかでお会いしましたよね?」と尋ねられて、いろいろ話をしていると、私が以前ピースボートで働いていた時、たまたま同じ船に乗り合わせていた人だったんです。「船の中で講演の通訳をしていた人だね」って。

それどころか、そのフェアトレードカンパニーでは、サッカーボールのほかにも服やアクセサリーやいろんなものを扱っていたんですけど、そのアクセサリーが、これまた私がピースボートでケニアに通訳として行った時に尋ねたNGOが製造しているものだったんです。

なんだかこの取材で、本当にいろんなNGOに関わる人生になったな〜・・・としみじみ感じましたね(笑)。

Inside Out * 記者の隠された一面をご紹介します!

やさしくて、気が利くえりちゃんは「本当にいい子だよね〜」と運動部記者の生沢さんも絶賛。そんな彼女は入社前はピースボートで働いていました。それがきっかけで今でもたくさんのNGO関係の方々とつながりがあります。大学卒業からJT入社後も、えりちゃんの人生にはさまざまなNGO団体が関わっています。そんな彼女の軌跡をかいつまんで紹介します。

NGOを通じてPart I: マスコミ志望で就職活動をしたものの、念願叶わず、卒業後ピースボート(国際交流の船旅を主な活動とするNGO団体)で働く道を選んだえりちゃん、ある日、NHKの英語放送のラジオ番組の方が、ピースボートの地雷撤去のための募金活動に関する新聞記事を見て、ラジオに出て活動の紹介をしてほしいとピースボートに電話してきた。その活動をやっているスタッフで英語を話せる人がいなかったので、出演することになった。それがきっかけで、ピースボート関連の活動について話を提供するようになり、NGOをやめた後もフリーという立場でさまざまなNGO関連の取材に出かけ続けてラジオの仕事を続行。

NGOを通じてPart II:生活力旺盛なえりちゃん、なんと取材先でも自分を売り込んで、取材しながらバイトとしてもそこで働くこともあったそうな。例えば、原子力資料情報室に取材で行った時のこと、「なにかお仕事ありませんか〜」と翻訳でお手伝いをしたり。しかし、そんなヘビーワークな日々にも関わらずやはり金銭的にはなかなか潤うとまではいかなかった。そんな時、今度はNHKから、出演していたラジオ番組のレポーターをやらないかと持ちかけられる。OKした彼女、企画から実際のインタビュー、そして編集とすべてをこなす作業に追われる。が、持ち前のやる気と根性でたくさんのインタビューを成し遂げていく。

NGOを通じてPart III:そんなこんなで8ヶ月間、ラジオの仕事をしながら就職活動し、念願かなってJTに入社が決まった。実は彼女、ピースボート時代に青山の街頭活動中JTの報道部記者に取材されていた。そのときはJTに入社するとは思ってもいなかったが、実際に記者が取材に来て、その記事が紙面に載っているのを見て、「かっこいいな〜」と思ったそうな。今でも彼女は、昔お世話になったNGOの方々に取材で話を聞くことが多く、あのころのコネが大変役に立っているという。「記者になったからには客観的に」と思っているが、いざ仕事をしてみると、やはり国・官僚・企業のみでは抜け落ちてしまう部分を問題提起するためにも市民団体の存在は必要不可欠だと痛感。市民団体の大切さと、その役割の大きさ、そういったことへの思いは昔と変わらない。かつてはNGOの一員として、今は記者として、えりちゃんはNGOの意見を伝え続けているのである。

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