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留学日記[高校編]

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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 4 : 恐怖の水泳の試験

ジョージ・スクールに着きました!

ペンシルバニア州にある、全寮制の高校です。それにしても、なんて広いキャンパスなんでしょう! イメージ的には、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に出てくるペンシー高校ってとこかな?

毎年、インターナショナル・スチューデント(英語が母国語でない学生)は、アメリカ人の学生より数週間早くオリエンテーションを始めることになっています。そこで、彼らと一緒にキャンパスの端から端まで歩いて、またまたビックリ!

キャンパスの中には、山あり谷ありというほどではないけれど、川が流れているし、牧場はあるし、キレイに刈り込まれた芝はどこまでも続くかのように見えます。それまで見たこともないような大木は、夏の光を浴びて眩しいくらい。夕方になると、その木が、金色に輝く芝の上に、何人もすっぽり包んでしまうような日陰を作っていました。

自然の中で育った私が、自然に感動するというのはおかしな話ですが、このペンシルバニアの森は、山梨の自然とはまったく異なった骨格を持った生き物のようにも感じられました。

オリエンテーションでは、さまざまな楽しいアクティビティーが企画されていましたが、その数週間が終わると、いよいよアメリカ人の学生もキャンパスに到着。

なぜか、初日は、水泳の試験(午前中)とタイプの試験(午後)が待ち受けていました。

まず水泳の試験。これは3つのパートに分かれています。パート1は仰向けの状態で平泳ぎをするように25メートル、パート2は立ち泳ぎで3分、パート3はクロールで25メートルというものでした。

順番を待つ長い列から首を伸ばして見てみると、若い学生たちは死んだカエルのようなポーズではあるものの、パート1を余裕でこなしています。水泳の試験が初日にあることにも驚きましが、

「一体、この泳ぎ方は、何なんだろう? 日本では、こんなの見たことないよ」

と目が点になる私。

いよいよ、私の番が来て、パート1の試験に臨むべく、おそる、おそる水に入りました。しかし、不器用な私が不慣れな泳ぎ方をすぐマスターできるはずもなく、案の定、すすめばすすむほど、沈んでいくという悲劇的な結果になってしまいました。

水をガブガブ飲んで、溺れそうになっている私を見つけた試験官は、不合格の合図の笛を吹き、急いで私をプール・サイドへ引き上げてくれました。

人間は、浮くはずじゃあ、なかったのかーっっっ!

  鼻から水が入ったときのツーンという痛みが消えないうちに、パート2が始まってしまいました。

「立ち泳ぎ、3分なら、なんとかなるな」

と甘く見ていた私は、カップラーメンのできる時間の長さの意味をこのときまで理解していなかったと言えましょう。

試験官が見ていない隙に、プールのヘリにつかまったりして、どうにかごまかそうとしたものの、神の目はあざむけず2分58秒あたりで、みごとに(?)沈んでしまいました。

かくしてパート2も、不合格。

「ウルトラマンは3分でも、ちゃんと戦える訳だよね、うんうん。3分って、とーっても長いもんね」

と半べそをかきながら、パート3の順番を待つ私。

私の故郷の山梨県北巨摩郡高原だから、夏が短い。だから、小学生のときプールに入れる期間が、とても限られていました。それに、山梨には海がない。よって当然、私は水泳が苦手(というか、「だった」)。

今だから正直に言いますが、私は小学生の頃は、相当の悪がきで、ただでさえ少ない水泳の授業をさぼって、校庭の近くに落ちている栗なんか拾って勝手に遊んでいました。母親参観日にはチョークを投げられて、父親参観日には廊下に立たされるような「ガキ」だったのです。

あのときのツケがまわってきたのだ!

パート1とパート2で痛めつけられたうえに、すっかり弱気になった私は、唯一できるはずの25メートルのクロールにも失敗し、その後1年間、毎週数回、水泳の特訓を受けさせられることになってしまいました。

このときの気分は、まさに

「オー、ノー」

つづく。

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