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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[仕事編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈がトラブル続きの留学生活を終え、帰国してからの生活を振り返ります。就職活動から、ジャパンタイムズでの日々の様子までを振り返る「ちょびつき」留学日記・ジャパンタイムズ編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 1 : 7年の留学を終えて、帰国!

読者のみなさま、こんにちは!

これまで、私の7年間の留学について読んでいただき、ありがとうございました。みなさまからの応援の声に支えられ、今回からは、ちょびつき筆者が帰国してから、ジャパンタイムズで電子メディア室長として働く今までの出来事を『ちょびつき日記 ジャパンタイムズ編』として、お届けします。

さて、1997年の夏、私は、5月の卒業式までに取り残した文学の単位を取るべく、夏期講習に追われる日々を送り、ようやく最後の授業を終えて安心すると、その安堵感をかき消すかのように、

"Where do I go from here…?"

(あたしは、これから、どうすればいいんだろうねぇ〜?)

という思いが起こってきました(苦笑)。

全力で走っていて、突如止まってみたら、どこに向かって走っていたのかを見失ったような状態でした。

思えば文学部を選んだ理由は、文学が好きだからというだけで、どういった仕事に繋げられるだろうか、などという計画性もないままに本ばかり読んでいました。当然、就職についても何も考えていませんでした。

しかし、気がつくと周りは就職を決めていて、とくに、エンジニアリング・スクール(工学部)やビジネス・スクールのお友だちは、大きなグーロバル・カンパニーから内定をもらっていました。

そこで、当時、同じようにアメリカに留学していた弟に、

「ケンちゃんやカコ(←両親のこと)も日本にいるし、アメリカに永住するということはないから、まず、日本に帰ってみようと思うんだけど・・・」

と相談しました。

弟は、とくに反対や賛成もせずに、「うん、うん」と話を聞いてくれたので、私は逆に自分の正直な気持ちのまま、迷いもせず、帰国を決断できました。

あまりに突然の話だったらしく、アメリカのお友だちは皆びっくりして、「どうして、こんなにすぐに?」と言いました。よく考えたら、と引き止められもしましたが、思い立ったら吉日! のちょびつき筆者、一度決めると行動は迅速です。あまり考えなしに行動するタイプです。

早速、弟と一緒に角の文房具屋さんに行って、大きなダンボールを10個ほど購入。入らなかったものは、すべてスーツケースに詰め込むことに!?

ただ私のスーツケースは、いつも素直に閉まってくれたことはなく、今回もその期待を裏切ることはありませんでした。弟に、

「ねえ、ねえ、ちょっと、あんた、上に乗ってくれる? 閉まらないのよ」

と言うと、

「こんな、ぐちゃぐちゃに詰めたら、閉まらないよ」

と弟。

そして、弟にいちから詰め直してもらって、なんとかカギをかけることができました。めでたし、めでたし。

飛行機に乗るまでは、7年間、全力でやってきたという気持ちがあったので、アメリカの生活に対する未練も、帰国することについての迷いもあまりありませんでした。

けれども、飛行機に乗ると、なぜか涙が止まりませんでした。7年間続いた極度の緊張から解放されて、放心状態になっていたのだと思います。エコノミー・クラスは満席で、まわりの人に見られると恥ずかしいから、涙をとめようとしたのですが、涙どころか、しばらく声を出して泣いてしまいました。

また、自分が7年前に思い描いていたような、まさにネイティブのようにペラペラ話せる英語力は、この時点でもあきらかに身についていない・・・、そうだ、あれもできなかった、これもできなかったという、無念に近いものを感じていました。

そんなミニ・ドラマ(?)を経て帰国すると、私を待っていたのは、将来への漠然とした不安、限りない時間、そして疲労感でした。

「うちの娘は、留学から帰ってきて、『浦島太郎』みたいな状態なんですよ・・・」

と、両親が電話でだれか話すのを聞きながら、

「ほんとうに、今後どうしたものだろうか?」

と、来る日も来る日と途方に暮れていました。

帰国して、3ヵ月もたってからでしょうか? 原点に立ち返って、自分の好きな文学を大学で教えながら、小説を書くという生活はどうだろうか、と考えるようになりました。

そこで、まず、大学院への進学を考え、志望する大学院の試験科目になっていたフランス語の猛特訓をしながら、夏の終わりから、翌年の初春までを過ごしたのでありました。

つづく

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