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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[大学編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学後、高校を卒業し、コロンビア大学に入学した筆者がトラブル続きの留学生活を振り返る「ちょびつき」留学日記・大学編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 1 : ちょびつき筆者、文学少女になる!の巻

「ちょびつき留学日記・高校編」の連載終了後に、たくさんの方々からお便りをいただき、本当にありがとうございました。筆者自身はもともと、大学編も書く気マンマンだったのですが、みなさんからの温かいアンコールのお陰で堂々と、編集の伊藤さんに「ほらほら、やっぱり大学編もやりましょー」と言うことができました(笑)。 では、さっそく、石黒加奈の「ちょびつき留学日記・大学編」の、はじまり、はじまりぃ〜。

私の大学時代は、難しいNYタイムズを読み(あの頃がいちばん新聞を読んでいたな……。←危険な発言。ふふふ)スペンサーとシェークスピアの韻の踏み方の違いを研究するなど、文学部の学生として学業に励んだ日々でありました。

英語ができないのに、文学部なんかに入ってついて行けたのか? 読者のみなさまも、呆れていらっしゃることと思います。お察しの通りで、私の大学生活は、文学を専攻したせいで、ロッキーと水戸黄門のテーマソング(タリラー、タリラー♪ってのと、人生楽ありゃ、苦もあるさ、ってやつね♪)が交互に頭の中で流れるほど、過酷なものとなってしまいました。

けれども、私にとって文学は、単なる一教科では終わらず、まさしく生活の一部ともなっていきました。今回はそのきっかけとなった出来事の1つを書いてみたいと思います。

私の通っていたコロンビア大学は、マンハッタンのアップタウンにあって、一般的なNYのイメージより落ち着いた雰囲気をかもし出しています。私が住んでいたアパートは、大学のキャンパスから6ブロックだけ離れたところにありました。その建物の入り口には、ジョーという背の高い黒人のドアマンがいて、私は、このジョーと大の仲良しでした(大学の回りの寮やビルには、安全のため、だいたいどこでもドアマンがいます)。

ジョーと友だちになったきっかけは、彼がドアマンの仕事をしながら、少しでも時間があくと、いつもハード・カバーのノートに詩を書いているのを知ったからです。

"Hey, Kana, what courses are you taking this semester?"

(加奈ちゃん、今学期は、どんなクラス取ってるの?)

"Well, Shakespeare 1, American Literature 1, Greek Mythology…"

(えーと、シェークスピア1と、アメリカ文学1と、ギリシャ神話と……)

などという、会話を毎学期繰り返していました。

"Shakespeare's a piece of cake, man."

(シェークスピアなんて、簡単じゃん)

とジョーに言われて、「それなら、あたしの宿題をやっちくりぃー」と騒いで、教科書を見せると、ジョーは詩人なので、すらすらシェークスピアを読み上げます。さすが、ダウンタウンのPoetry Reading(詩の発表会)なんかで、いつも発表しているだけのことはあるねぇ、と感心しながら、シェークスピアのソネット(14行の詩)の解釈なんかを教えてもらっては、ラッキー! と喜んでいました。

そのうちジョーは、

"You can write poetry yourself."

(加奈ちゃんも詩を書いてみれば?)

と言いました。

"Me? Poetry? No way, man. I can't even put a sentence together!" (あたしが、詩? ダメダメ。英語ってなると、たった1行でも、間違いなく書けやしないんだから。)

ジョーは、そんな私の言葉はまったく耳に入らなかったかのように

"OK, I will give you a theme each week. We can both write on the same theme and then compare, what do you say?"

(じゃあ、俺が毎週、テーマを決めて渡すから、お互い、そのテーマで書いてみて、それぞれ読み合うっていうのは、どう?)

こうして、毎週ジョーからテーマを与えられた私は、大学の課題をこなし、本を読み、そして論文を書く合間に、英語で自分の詩を書くということを始めたのでした。ジョーは、私と同じぐらいの年に見えるのに、ほんとうは、40歳を過ぎていて、たいへん熟練した書き手でした。キャンパス以外の場所で、こうして、詩に親しむ場所を与えられた私は、文学の美しさとやらに少しずつ(ほーんの少しずつね)目覚めていったのでありました。

つづく。

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