今年は山梨だけでなく、東京でも雪が積もるほど寒い冬だったので、オーストラリアのビーチのポスターや、満開の桜を描いたイラストなどを、数え切れないほど部屋に飾って、春の到来を楽しみにしていました。季節はずれの写真を山ほど飾ることで、旅行に行った気分になったり、しばし寒さを忘れようとしたりと、元気をもらっていたというわけです(苦笑)。
でも最近は春を通り越して初夏のような陽気。実際、桜の開花も近いので、そろそろ写真を差し替える時期なのではないかと思うようになりました。
ところが、私の場合、毎シーズン部屋の片付けや衣替えをする前に、整理整頓の技術について書かれた本を何冊も読んでは、「この悪い例、私にあてはまる! この筆者は私の机の上を見て、この本を書いたのでは?」などと思うくせに、いざ実行しようとすると、organize(きちんと分類すること)はあきれるほど苦手。本や文房具をはじめ、あらゆる荷物はたまるばかりです。
例えば、去年のカレンダーなどは潔く捨てればいいものを、「この12月のカレンダーの上に付いている冬の写真、真夏の猛暑に対抗するべく、7月ごろから机の前に張って涼しさを演出してみましょう」といった調子で、整理整頓を始める前よりちらかってしまうこともしばしば。1年前に購入した机の上は、最初は「どう考えても、この広々とした机の上が物で埋まることはあるまい。ヒヒヒ」と楽観視していたのに、今では、かろうじてマウスが動かせるぐらいのスペースが残されているだけとなり…。
そんな状況を嘆いていると、シンプルな内装で著名な棟りょうが、「『家をすっきり見せるには、まずは絵を飾らないことです』って言っていったよ」と母。確かに自分の部屋を見回していると、春夏の風景写真、絵、ポスター、CDのジャケット、友だちが旅行先から送ってくれた絵葉書や写真のたぐいなどが数えられないほど飾ってあり、いくら元気をもらえるからといっても、その散らかりようは重症です。その上、今年から始めたカリグラフィーの作品まで飾ろうとしているのですから、無謀ともいえるでしょう。
そこで、ようやく思いついたのが、コンピュータのスクリーンセーバーや壁紙を利用することです。これなら自分が撮った写真であれ、お友達が送ってくれたものであれ、メッセージ付きで、しかもendlessly(際限なく)に部屋に「飾っておく」ことができるというわけです。ついでにいえば、スキャナーも活用し、今ある絵葉書も、さまざまな文章のデータベースと同じようにデータベース化することができることに気付きました。
しかし、例によって例のごとく、そんなデータベース作成中の今、私の部屋は、しばし今まで以上のchaos(まったくの無秩序、混乱)という状態。でも4月の第3週号からは週刊ST紙面で新しいフィクションを書かせていただきますので、この春こそは、すっきりした部屋でフレッシュな作品が書けるように頑張りたいと思います!
これまで週刊STオンラインの読者の皆様には、長らくこの「作家編」にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。4月からは、今までST紙面に掲載されていた『Kana's ことわざ・名言手帖』のバックナンバーを(ミニクイズ付きで!)このオンラインで見ることができます。また、皆様とST紙面のフィクション・ページ、オンライン版『Kana's ことわざ・名言手帖』のページでお会いできれば幸いです。
どうぞ、皆様もぜひ、新春、新学期、年度初めをフレッシュな気分でお迎えくださいませ! |