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『The Japan Times ST』オンライン版 | UPDATED: Wednesday, May 15, 2013 | 毎週水曜日更新!   
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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[作家編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈が、留学生活、ジャパンタイムズ電子メディア局部長を経て作家生活をスタート!子どものころからの夢だった『物書き』の日々を書いた「ちょびつき」留学日記・作家生活編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 1 : 作家生活をスタートの巻

「週刊STオンライン」読者の皆様、お久しぶりです!

石黒加奈は長年の希望がかない、このサイトで連載した『ちょびつき留学日記』を書籍として出版することになりました(今秋、ジャパンタイムズより刊行予定)。これをきっかけに、作家としての生活に専念する運びとなり、今は、山梨県にある両親の家で、執筆活動に励んでおります。

思い起こしてみれば、私は昔から文章を書くのが好きで、それが従姉への手紙であろうが、小学校の読書感想文であろうが、紙と鉛筆さえあれば、いつも楽しんでものを書いていました。

小学1年生のときに、母が『作文が上手になる本―小学校1年生用−』を買ってくれたので、嬉しくて作文がもっと好きになりました。そして、2年生用、3年生用、と毎年『作文が上手になる本』を読んで、文章の勉強をしたものです。

でも、4年生になって、4年生用の『作文が上手になる本』を学校で注文しようとすると、担任の斉藤先生に
「『作文が上手になる本』を読んで、作文が上手になった生徒を見たことがないよ」
と笑われたので、それっきり『作文が上手になる本』は買わなくなってしまいましたが、32歳になった今でも、このたぐいの本が大好きなんです。

大人になってからは、谷崎潤一郎の『文章読本』も読みました。でも、日本語が(も?)苦手なので、つい斜め読みになってしまいます。三島由紀夫の『文章読本』を読むころには、斜め読みの角度が、かなりシャープになってしまったりで…(苦笑)。

文章を書く練習は日本語だけでなく、英語でもやっています。ここ3年ぐらい使っているのは、"The Artist's Way"という本で、朝起きたら1時間半ぐらい、フリー・スタイルで文章を書きます(これには、Morning Pagesという名前がついています)。たいてい、

"I'm so tired. I talked too much last night. It was two by the time I got to bed. I have to write thank-you notes to everyone who sent me birthday gifts. I feel like I am gaining weight every day."
(あーあ、疲れた。昨日の夜は、電話でしゃべりすぎた。寝るころには、もう午前2時だったし。お誕生日プレゼントをくれた人たちに、お礼状を書かなくちゃ。まったく、毎日、どんどん体重が増えていく感じがする)

という、ろくでもない内容ですが、途中で、いい小説や詩のアイディアが浮かぶこともあります。私は、物書きはサーファーみたいなもので、いい波が来ていてもそうでなくても、まず海へ行ってみること、つまり、とにかく書くことが大事なんじゃないかなと、感じています。

そこで、フルタイムで物を書くことになったのを機に、もう一つ別のwriting exerciseも試してみることにしました。アメリカの高校で使った"Writing Down the Bones"というテキストです。当時はあまり英語ができなかったので、習っていてもピンとこなかったのですが、「ライティングの修行には、あれが一番!」と思い立って始めました。

この本には、いろいろなライティングの練習方法が書かれているのですが、今週、トライしたのは、"I am afraid to … / I am afraid of …"(私は〜するのが怖い)という出だしで文章を書く練習です。10分とか20分という短い時間を決めて、とにかく頭を空っぽにして(もともと?)、"I am afraid …"と書き始めるんです。

すると、出てくる、出てくる。私が怖がっていること。これじゃ、私は、まったくのcoward(臆病野郎)じゃないか、と思うほどです。

"I'm afraid of writing something stupid. I'm afraid that nobody is going to like my new books. I'm afraid I'll never lose weight. It scares the shit out of me just thinking of driving again. I'm afraid I can never really get used to writing in Japanese. I'm afraid that I don't have a language that I feel confident writing in."
(私は、なんかバカのことを書いてしまうのが怖い。私の今度の本を気に入ってくれる人が一人もいないかもしれないと思って怖い。この先、ずっと痩せないかもしれないのが怖い。また運転しなければならないと思うのが怖い。日本語で書くことに、この先もなかなか慣れていかないんじゃないかと思うと怖い。自信の持てる言語がないことが怖い)

リストは半永久的に続き、「これって、私は、何をやるにも、ビクビクしているってこと!?!?」と、自分の中に潜んだ恐怖心の大きさに、尻もちをつくほど、びっくりしました。

でも、そんな一見マイナスなことでも、こうしてwriting exercise を通して発見できたのは、興味深かったです。

"The Artist's Way"によると、私たちは自分自身に対しても、"official feeling"(表向きの気持ち)と"real feeling"(本当の気持ち)の両方を持っているそうです。本当は傷ついているのに、口では"I am OK."(あたしは、大丈夫)とか、"It doesn't matter."(そんなの関係ないし)などと言ったりすることが、その例です。

私は、自分に正直になって、本当の気持ちを文章に表したり、それに従って行動したりすることが大切だと思っています。それができるようになれば、自分の心の奥にあって自分ではまだ気づいていないstoryを見つけられるのではないか——そんな期待もあるのです。

もっとも、私が書いたI am afraid ...のリストには、
"I am afraid to be honest."
(正直になるのが怖い)
というものまでありましたが…。ちょっと先が思いやられます。

つづく

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