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留学日記[高校編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 9 : カフェテリアって?

日本では「学食」と呼ばれる校内の食堂がありますが、アメリカの学校でも Cafeteriaという名の大きな食堂があります。

私が通っていた高校は、ほとんどの生徒が寮で生活していたので、朝、昼、晩と、このカフェテリアでみんなと食事をしました。大きな学校になるとカフェテリアも大きくて、シリアルやパンの種類もたくさん用意されています。

ジョージ・スクールの朝食は、コーヒー、紅茶、オレンジ・ジュース、ミルクなどの飲み物から、何種類ものベーグル (Bagel = ドーナツ形の硬いパン)やトースト、たまご、ベーコン、ソーセージの類まで豊富に揃っています。

でも私は朝の授業の直前まで宿題に追われて、なかなかこの朝食にはありつけませんでした。当時は白いご飯に納豆やお味噌汁が懐かしくて、自分は本当に和食が好きなんだな〜とよく日本での朝食を思い出していました。

このカフェテリアには、給食のおじさん、おばさんのようなスタッフが数名いますが、私たち生徒は彼らのアシスタントとして月に数回のシフトをあてがわれ、カフェテリアの裏に入ってお手伝いします。朝のシフトは早起きをして準備しなければならないので、みんな嫌がっていたようです。

留学生もアメリカ人の生徒も、みんな平等にシフトが回ってくるのですが、私がある朝、「モーニング・シフト」のため食堂に降りていくと、なんと鍵がかかっていて入れません。

「ドッキリ・カメラがアメリカまで来た!」

(もっとも、これはもともとアメリカの番組らしいけど)

と朝からアタフタしていると、しばらくしてスタッフのリーダーが登場。

"You're very early. You don't have to be here for another hour."

(あんた、ずいぶん早いね、まだ集合時間の1時間も前だよ)

と声をかけられて目が点になっていると、

"You know that winter time started today, don't you?"

(今日から、冬時間だって知ってるよね?)

どうして、そんな大事なことをだれも教えてくれないのかーっっっ、と心の中で叫びつつ、自分の部屋に戻ろうとすると廊下の戸口に小さい紙が貼ってあるのを見つけました。

"The clocks go forward an hour tomorrow."

(明日から、冬時間)

私が毎年感心させられるのは、先生からの連絡などが特にないのにもかかわらず、大半のアメリカ人生徒はこの冬時間と夏時間の変更日を間違えず、時間どおりに授業にやってくることでした。日本人のDNAには、こういうの入ってないんだよね、きっと。

こんな日は、朝からどっと疲れが出て、昼ごろになるとカフェテリアに辿り着けるかしら、と思うぐらい、お腹をすかしてしまう私。

ただ英語のできないカワイソウな少女は、クラスメートなどが座っているテーブルは避けて、よくひとりカフェテリアの隅にポツリと座って食事したものです(食事中に英語で話し掛けられると、緊張して食事が喉を通らなくなるので)。

でも、こんなカワイソウな少女は、パン一切れと、スープをぽっちり飲むぐらいかと思いきや! ランチにはいつも2人前のサンドイッチと2人前のパスタ、大皿に乗ったサラダをモリモリ食べて、あまり悲壮感は漂っていなかったかもしれません(笑)。育ちざかりで放課後スポーツもしていた私は、とても大食いだったのです。

そして、ディナーがまたくせものでした。夜は勝手にひとりで食べるというわけにはいかず、先生や上級生も混じって毎晩8人くらいのテーブルにつかなければなりませんでした。

これを英語の練習に絶好のチャンスと前向きに考えればよかったのですが、英語で何か訊かれたときに返事できなかったらどうしよう、などと悪い方向ばかりに考えてなかなか、晩餐を楽しむとまではいきません。

ずっと同じメンバーなら少しは慣れてくるというものですが、学校側はいろいろな人と知り合う機会を提供するという目的があるので、そうもいきません。

"So where are you from, Kana?"

(どこから来たの?)

という問いに、

"I am from Japan. You can see Mt. Fuji from my house."

(日本からです。家からは、富士山が見えるんですよ)

という2文でなんとか1時間を凌ぎ、夕食を終えたのでした。

ディナーは比較的質素なもので、チキンやターキー、じゃがいもなどがよく出ました。ナイフやフォークを使って食べなければいけないのが、やっかいだったのですが、

「お箸の国の人ですもの」

と頑張りました。

夕食の間、話している時間がテーブルの中のだれよりも短いせいで、お皿がいちばん先にキレイになってしまうという難点もありましたが、私が高校を卒業する頃にはジョージ・スクールもだんだん考えが柔軟になってきて、夜もお昼と同じように、好きにできるようになったんですけどね…。

ただ "Parents' Day" といって生徒の家族が学校訪問をする日は、ディナーなんかもすごく豪華で、食堂のご飯がマズイとか日ごろ文句を言っている生徒たちは、

「いつもの姿を見せたほうがいいよね、お父さんやお母さんにさぁ〜」

なんて、皮肉っていましたが、学校もそんな特別の日には結構張り切っていたものです。

それから、日曜日の礼拝の後は "Brunch" (breakfastとlunchの合成語) と呼ばれるいつもよりずっと "Fancy" な食事が用意されていて、みんなこのブランチには必ず顔を出しました。

今は、東京で一人暮らしをしているので自由に和食を作ったりできますが、こうして料理しなくてもご飯が出てきた時代が懐かしいような気がします。

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