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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[高校編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。わからないことだらけのアメリカでの生活を振り返る石黒加奈の「ちょびつき」留学日記・高校編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 15 : コンサルテーションとその後の授業

『石黒加奈のちょびつき留学日記』も読者の皆さまのお陰で、15回目を迎えることができました。もう10回も過ぎたんだし「ちょびつき筆者」もさぞ英語が上達して、学校のヒロインになっていることだろうと、久しぶりに、このページを訪れてくださった方も期待しているかな〜?

ははは(←力のない笑い)。

さて、ジョージ・スクールではクラスで問題があったり、何か分からないことについて詳しく質問をしたいことがある生徒のために、"Consultation" (相談)の時間(Office hourとも言う)が用意されていました。

これは午前と午後にそれぞれ30分ほどあって、先生方は、この時間を質問に来る生徒のために空けておいてくれます。

クラスメートの前では恥ずかしくて聞けなかったような質問でも1対1ならできるし、こちらの反応を見ながら話してくれるので英語も聞き取りやすく、とてもためになります。

トントンとノックして、ドアを開けると…?

"Oh, it's you again."(また、君だね)

先生方は、私の顔を見るたび苦笑いをしていたものです。

でも、授業で分からなかったことがコンサルテーションで理解できるというラッキーなケースばかりでなく、

「せ、せ、先生の時間を無駄にしてしまった…」

と思うこともたびたびありました。

それでも、くじけず授業のない空き時間を利用して、せっせと先生の部屋に通いました。それがたまたま早朝だったりすると、先生も眠い目をこすって、ダイエット・ぺプシやコーヒーをガンガン飲みながら頑張ってくださいました。まさにこんなときは、Thank you very much! という気分。

たとえ試験の点数が悪くても、この生徒は日ごろから努力している、と先生が判断してくれれば、落第することはほとんどありません。

しかし、この頃、いちばん授業で悩まされたことは発表のたぐいでした。英語のクラスでも、歴史のクラスでも自分の感想文などを発表させられたりするのですが、「発表」とは建前で、私にとってはまさに「恥さらし」以外のなにものでもありません。

どうしてアメリカの学校は、こうクラスの人数が少なくて、すぐに意見を言わなければならない順番が回ってくるのだろうと、あまりの違いに目が点になりっぱなしで、こういう顔になってしまいました(どんな顔だって? 今度ジャパンタイムズまで会いにいらしてくださいね。近い将来「ちょびつき留学講座」を開きますので)。

極めつけは、なんと言っても演劇のクラスでした。第6回目でも、ちらっとお話ししましたが、私は、よく分からない事情で(英語ができないまま留学すると、本人には原因不明の事件がいろいろ発生します)、"Drama"(演劇)のクラスを取ることになってしまっていました。

このクラスも、いつも気合が入っていて、まず準備運動や発声練習から始めて、その月ごとにテーマを決めて、ちょっとした劇にチャレンジしたり、ピエロになる練習をしたりと、バラエティーに富んだ内容でした。

ピエロになるといっても、お化粧の仕方なんかも、ちゃんと教えてくださって、最後は、近くの幼稚園で発表までして、私は、留学1年目にして、異国の地で逆立ちして歩いたり、ビール瓶のような形をした棒を次々に頭上で回転させたりといった芸当を修得したのでありました。

そんな芸を覚えている暇があったら、単語のひとつも暗記したほうがいいような時期だったのですが、ピエロはなんといっても口をききませんので、英会話をするチャンスがないんですね。ラッキー。

がしかし、喜んでいられたのもつかの間で、次の月は、一人芝居をやるという課題が出てしまいました。まずクラスの全員に、モノローグの内容が配られ、先生から読み方についてのアドバイスを受けます。でも舞台のセットや、衣装はすべて自分で考えてやりましょう、とのこと!?

そのモノローグは、主人公は過去にとても辛い経験していて、ずっとそのことを心に秘めていたのですが、あることをきっかけに、だれかにその過去を打ち明けるという設定になっていました。

いつ、どこで、だれに、どんな雰囲気で、どんな服装で話すかは、すべて自分で決めなければなりません。さらに困ったことに、この一人芝居によって成績の大部分も決まるということで、「ちょびつき生徒」は一世一代のピンチに見舞われました(見舞われたような気分になりました)。

ホールメイトにも、何人か同じ授業をとっていた人がいたので、

"Can I use you as an audience?"

(ちょっと、モノローグやるから聞いてくれる?)

と一緒に練習しました。ホールメイトはもちろん、とっくにせりふを暗記して、すらすらと言えるようになっていました。でも、それを聞いているうちに、発表の前日には、なんとか私も覚えることができ、いざ本番!

私は、「パジャマを着て、りんごを剥きながら母親に語りかける」という設定で、舞台に上がりました。暗記したといっても、前日の23時55分ぐらいにやっと覚えられたばかり。先生やクラスメートの前で緊張したこともあって、ただでさえ、たどたどしい英語が、さらにポツリ、ポツリとしか出てきません。

クラスの最後に先生から講評をいただき、

「カナのブツブツ切れた話し方は、過去の辛い経験を語るというリアリティーが出ていて、なかなかよかった」

などと褒められてしまいました。「よかった」なんて、言われていいのだろうか? と戸惑いながらも「短所と長所は表裏一体である」ということを身をもって体験しながら、辛うじて留学生活を続ける石黒なのでありました。

つづく。

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