ジャパンタイムズは、ほかの英字新聞とは少し違います。ほかの英字新聞には、母体として日本語の新聞があり、その英語版っていう感じですが、ジャパンタイムズは最初から英語のメディアです。そして経営組織上は、ニフコという会社のグループ会社になっています。
ニフコは、日本でのプラスチック工業ファスナーのパイオニアであり、国内で70%のマーケットシェアを持っている、専門的な技術に特化した企業さんなんですね〜。ビジネスモデルも経営ビジョンも一流です。
ときに、そんな技術と利益率の鬼のような会社の方と、わたくしども電子メディア局のスタッフが会議をすると、もうすごいことになってしまうんです(笑←ほんと、笑っている場合じゃないですが)。
まさに、"intangible, invisible(手で触れられず、目に見えない)"の世界と"tangible, visible(目で触れられて、目に見える)"の世界の遭遇という感じ。
業界が違うので、当然ビジネスのやり方はまったく異なります。でも、いま新聞社は各社いろいろな方面にビジネス展開を検討しているし、特に私たちの電子メディア局は、ウェブサイトややブログを使った新しいビジネスモデルを模索していますから、従来の発想から抜け出ることが必要です。そんな時期だからこそ、ニフコのような異業種のビジネスのやり方がとても勉強になるんです。
社長から「石黒さん、この企画、SWOT(Strength, Weakness, Opportunity, Threat)分析が足りないな〜。ポジショニングは? 商品のターゲティングは? 利益率は〜〜〜!?!?」と鋭く指摘され、いつも地獄行きのチケットを手にしている、ちょびつ筆者。こんな苦しい思いをするくらいなら…と思うことも、たびたびあるんです(涙)。
でも、それと同時に、ジャパンタイムズで仕事をすることの意味や素晴らしさも教えてくださるんですよ。そうすると、不思議なんですが、「そうだ! 明日があるじゃないの」(Tomorrow is another day.)と、『風と共に去りぬ』のように、立ち直るちょびつき筆者でありました(←そんなに簡単に立ち直るなって? ははは)。
だから、遊園地に行かなくても、毎日、ジェットコースターに乗っている気分でござりまする。
こんな感じで、日々、経営の勉強に励んでいるのですが、そんな大事な会議の間にも、各方面から持ち上がる、質感が(?)異なった意見に耳を傾けながら、
"Wouldn't it be cool to write an opera based on these characters here!?"
(こんな会議の様子をオペラ風に4重奏に書いたら、面白そうだね〜)
なんていう方向に思考が揺れてしまう私。
ちょび筆者:詩人になる夢を語る(ソプラノ)
ジャパンタイムズ・記者A:ジャーナリズムの原点を主張する(アルト)
親会社・社長:自己啓発を歌う(テノール)
親会社・経営企画室長:中期事業の数字について指摘する(バリトン)
"Silly me! This is no time to think about something so stupid."
(あたしの、バカ! そんなことを、考えている場合じゃ、なかとよ)
つづく
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