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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[大学編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学後、高校を卒業し、コロンビア大学に入学した筆者がトラブル続きの留学生活を振り返る「ちょびつき」留学日記・大学編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 9 : ミケランジェロってどんな人?

前回、音楽史のクラスのお話をしましたが、それ以上に興味深かったのは、美術史のクラスでした。 ニューヨークには、メトロポリタン美術館(Met=メットと呼ばれています)や、現代美術館(MoMA=モーマ)があり、美術史の教授は、クラスの学生を連れてたびたび、美術館に足を運びます。

美術館に行くと足が疲れるとか、館内に遊園地のようなミニ電車がついていたら、いいね、と文句を言っているちょびつき筆者を筆頭とする美術史のクラスメートも、さすがに、教科書に出てくる名作を次々に目の前にすると、感嘆のため息をつかずにはいられません。
同じころに、古典ギリシャ文学を勉強していたせいもありますが、古い時代から、美術、文学、建築、宗教が、いかに深くかか関わりあってきたかを痛感させられました。
また、この美術史のクラスには、インターナショナル・スチューデント(英語が母国語でない生徒)のための英語のクラスで、共に泣き苦しんだ、スペイン人のペドロ君と、当時のユーゴスラビアから来たエデン君も一緒でした。
ペドロ君は、お互いプリンス(funky なアメリカ人歌手)の大ファンだったことから、いつも仲良くしていましたし、エデン君には、私が珍しく英語のクラスで発言したら、
"I completely disagree with you."
(俺は、その意見にまったく反対です)
と、ガンガン突っ込まれて、あまりのショックとその反対意見の見事さに感動して(?)、親しくなりました(苦笑)。

教授もステキな女の先生で、講義の内容も課題も面白い、そのうえクラスメートも仲良しばかりと理想的なクラスだったのですが、コロンビアの例にもれず、課題の量に圧倒されました。

講義は週2回しかないのですが、1回のクラスごとに、ラファエロ、レンブランド、モネ、ピカソ、とアーティストを一人ひとり勉強していくため、教科書に加えて、その芸術家について伝記的作品をひとつずつ読まなければなりません。

教科書を読んで、講義を受け、伝記を読み、美術館に行く。こんなことの繰り返しです。

中間試験や期末試験には、歴史的背景や、作品のコンセプトを聞かれる論文形式のテストのみならず、自分で美術館を作るなら、どんなテーマで、どんな絵のある部屋を作るかなど述べるエッセー、また、作品にかんする知識を試すテストでは、作品名、芸術家、製作された年代、現在作品のある場所を、次々にスクリーンに映されるスライドを見て、答えなければなりません。

こんな試験に備えるべく、私、ペドロ君、エデン君の3人は、教科書と一緒に学期の初めに配られた名作カルタなるものを(15センチX20センチほどの大きなもの)部屋じゅうに置いて、問題を出し合ったりして勉強することに!?

カルタの表には作品の写真や絵が載っていて、裏には作品にかんするいろいろな情報が書いてあります。

"Ta-dah! So what is this, Edin?"
(エデン君、さあ、これは、なんでしょう?)
"That's Michelangelo's Pieta, at St. Peter's."
(ミケランジェロのピエタ。サン・ピエトロ大聖堂にある)
"When was it made?"
(いつ作られたのでしょうか?)
"1497."
(1497年です)

"No, man, he took a few years, remember? From 1497 to 1500. The professor said that in the class. Michelangelo loved it so much that he put his name on Maria's bosom."
(ちゃうちゃう、先生がクラスで言ってたじゃん、何年間か、かかったって。だから1497-1500だよ。ほら、ヤツは作品が気にいって、それで、自分の名前をマリア像の胸に彫ったとか・・・・・・)
と、集中力のあるペドロ君の演説が始まります。

"Don't! I already have a bloody huge amount of shit to remember. Don't tell me nothing new, dude. I memorized it as my graduation year - 97."
(それ以上言うな! もう、覚えなくちゃならない情報が多いんだから! 俺は、この作品は、俺の卒業の年って覚えたんだからよ。)
と、反撃するエデン。

"We have 300 paintings to remember. That's why we need to associate each one with some more detailed bit of info. That's the way to go."
(300枚も覚えなきゃならないから、言ってるんだよ、ターコ。もっと、詳しい情報と絵を関係付けなくちゃ、ただただ、覚えていたら、暗記できねーだろが)
とまた、ペドロ君。

"Hey, guys, let's move on to the next one. We have 255 more to memorize."
(はいはい、みなさん、まだ、255枚も覚えなきゃいけないんだから、次の作品に行くよ。)
と永世中立国の石黒さん。

そんなこんなで、なんとか暗記して、試験の当日になっていざ答えようとすると、つい
「えーっと、胸にマイクの名前が彫ってあって、卒業の年で・・・・・・」
なんて余計なことばかり思い出して、肝心な大聖堂の名前が出てこなかったりしてしまうちょびつき筆者でした(苦笑)。

つづく

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