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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[作家編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈が、留学生活、ジャパンタイムズ電子メディア局部長を経て作家生活をスタート!子どものころからの夢だった『物書き』の日々を書いた「ちょびつき」留学日記・作家生活編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 13 : 英語読み書きの極意の巻 その2

ちょうど1年前のこの時期にとてもうれしいことがありました。週刊STの連載『ちょびつき留学日記』が、フェリス女学院大学と京都学園大学の入学試験で使われたのです。

連絡を受けたときは、うれしいというよりビックリした気持ちのほうが強かったのですが、あらためて英語の試験問題を見てもなかなか実感が沸かず、むしろ、

"Man, it's hard …"
(きょえ〜、難しい〜)

と、日本の大学入試の難しさに目が点になりました(苦笑)。英語だけならまだしも、ほかの教科とのバランスもあるわけですから、試験勉強は並大抵じゃないんだろうな〜と、妙に感心しっぱなしでした。

私の受験経験と言えば、アメリカの大学に入るために、SAT (=Scholastic Assessment Test「大学進学適性試験」)やらTOEFL (Test of English as a Foreign Language「第二言語としての英語のテスト」)やらに悩まされておりました。

また、コロンビア大学へは大学2年目に編入という形で入ったのですが、大学のクラスだけでなく付属の語学学校の試験などを受けなければならず、試験続きの日々でした。一番大変だったのは、文学部の科目を受講するためにパスしなければならない、付属の語学学校でのレベル10の試験。何度落ちたか知れません。

中学生のころに比べるとだいぶ勉強そのものは好きになっていたものの、やっぱり試験と聞くと、なんかやる気がそがれました。そういう中途半端な気持ちで勉強をしていると、それなりの結果しか出ないものです。あまりに何度も試験に落ちる私を見て、担当教授の一人が、

"Are you doing your best? Is this really your best?"
(これが、ほんとうに、ほんとうに、あなたのできるベストなの?)

と念を押し、こういうことなら大学の文学部はあきらめた方がいい、とおっしゃったのです。

大変なショックでしたが、心を入れ替えるきっかになりました。当時、私が試験に繰り返し落ちていた原因は、その場で書かされる論文なのでした。その時々によってテーマも違うし、冠詞が一つ落ちていたり、三単元のSがなかったら受からないんです…。

私の中では、

"How the hell are you supposed to master everything and write a perfect essay?"
(すべてのことに精通して完ぺきな論文を書くなんて、あんまりだ…)

という気持ちがあったのですが、教授に文学部をあきらめるように言われてからは、まさにがけっぷちに立った状態。

"Either do it or don't. It's up to you."
(やるならやりなさい、中途半端じゃできないわ。あたな次第よ)

そこで私は、『ニューヨークタイムズ』から、政治、経済、歴史、環境保全、科学、美術、音楽などあらゆるテーマについて書かれたコラムを切りぬいて、コラムニストの名前、日付を記し、テーマごとにファイルしました。分からない単語はすべて調べて、ジャンル別の単語帳を作りました。

そして、一つ一つの記事について論点と結論を自分の言葉でまとめました。このときに上記の単語帳が役立ったのです。ある分野の記事を自分なりにまとめるには、記事で使われている単語のほかに、その分野の語いを知らないと、自分の言葉で表現できないからです。記事と同じ単語を使ったのでは、書き写しているだけで、「自分でまとめる」ことにはなりません。

こうしておけば、「今日は、『アメリカ独立戦争』についてがテーマです」と突然言われても、「X月X日のニューヨークタイムズで、コラムニストのX氏が言うには…」と、すぐに自分の意見をback up(補強)する材料を引っ張り出すことができるというわけです。

語いの面では、同じことを言う場合でも同じ表現を繰り返さないように、さまざまな言い回しを知っておく必要があります。例えば「言う」ですが、sayばかり使っていては単調で稚拙な感じがします。そこで、state, demonstrate, point out, display, discuss, reveal, proveなどといった類語をまとめて覚えておかなければなりません。In other words(言い換えれば)、on the other hand(一方)、on top of that(そのうえ)など、論理展開を示すためのtransition words(つなぎの言葉)も必要です。

文法の対策には、カラーのペンを3本用意しました。そして、例えば、

In addition to this, Mr. Smith concludes that global warming has become the biggest threat to coral reefs in recent years.
(さらに、近年では地球温暖化がサンゴ礁への最大の脅威となっていると、スミス氏は結論づける)

という文を書いたら、赤ペンで"Mr. Smith"の下に"=he"と書き入れ、concludesのsと赤線でつなぎます。三単現の"s"を忘れていないことを確認するためです。同じく、global warming =it としてhasと結び、haveでなくhasであることを確認します。さらに、The biggestのtheを青で○して冠詞の正しいことをチェック。最後に、緑のペンで、coral reefsやrecent yearsの名詞にちゃんと複数形の"s"をつけたことを確かめるため、下線を引くように心がけました。

これは、careless(不注意な)ミスをなくすだけの対策に過ぎませんが、試験になると慌ててしまって分かっていることを間違えがちだったので、思いついた方法です。

私がレベル10の試験に受かって文学部に入れたのは、この方法で勉強し始めた半年後でした。

つづく

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