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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[作家編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈が、留学生活、ジャパンタイムズ電子メディア局部長を経て作家生活をスタート!子どものころからの夢だった『物書き』の日々を書いた「ちょびつき」留学日記・作家生活編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 36 : 英語のアクセントの巻

アメリカに留学したばかりのころ、恥ずかしくて英語が話したくなくなった原因の1つに、「日本語風のアクセントが強すぎて分かってもらえないのでは?」という恐怖心がありました。自信がないと、つい声も小さくなって、"Excuse me?"とか"Pardon?"(どちらも、「今、聞こえなかったので、もう1度おっしゃってください」という意味)と聞き返され、さらに自信をなくすというvicious circle(悪循環)を繰り返しておりました。

同じ年に留学してきた、日本育ちの韓国人で、インターナショナル・スクールに通っていたキムさんは、母国語の韓国語や、流ちょうな日本語ほど英語が上手でなかったのにもかかわらず、いつも堂々と相手の目を見て話をするので、1年の終わりには、私とはスピーキング力にずいぶんと差がついてしまったのを覚えています。

その後、ずいぶんと長い間 、「聞き返される=自分の発音がおかしい」 という悪い意味での conditioned response(条件反射)をひきずっていましたが、思い返してみると、ニューヨークの街ではさまざまなバックグランドの移民が、アクセントや文法がメチャクチャでも、恥ずかしがらすに英語を話していたものです。

最近では、日本人のお友だちが長期出張でインドへ行った際、近所に暮らすご両親から、英語でホテルに電話することができないので、代わりにかけてくれないかと頼まれ、人生で初めて、現地に暮らすインドの方と、英語で話をする機会がありました。

これまで、アメリカや日本で、英語の上手なインド人とお話をする機会はなんどもあったので、「ホテルのフロントの人か、電話のオペレーターさんは、きっと、こんな感じのアクセントでしゃべるんだろうな〜」と想像しながらかけたのですが、顔を見て話をしていないせいか、やはり英語に強いアクセントがあるように聞こえました。

スピーカー・フォンにした電話の隣で、ご両親から「今、なんて言ったの?」と、一語一句確認されることもあって、「これは、ちゃんと訳さないと!?」と、顔に出さないまでも、ひそかにプレッシャーを感じてしまいました(苦笑)。

"Can I speak to Ms. ABC? Room 1234."
(○○さんとお話をしたいのですが…。ルーム番号は1234です)

と、部屋番号を聞かれる前に伝えて万全を期したつもりだったのですが、相手は留守。あとでかけ直す旨、メッセージを残したのでありました。

電話を切ると、ふたたび、ご両親からは質問の嵐。

「加奈ちゃんが、『繋いでください』って言ったあと、ホテルの人は何て言ったの?」との質問に、聞き取れませんでした、とは答えられず、苦し紛れに「ちょっと待ってください、確認します、と言っていましたよ」とお茶を濁した私。明らかに、"Just a minute, please."とかPlease hold."とは言っていなかったのですが…(涙)。

「そのホテルってね、アンジェリーナやブラピがインドへ行ったときも泊まったことがある系列の、超高級ホテルなんだって〜」

と張り切っていた友人のコメントを思い出し、

「高級ホテルでも英語があまり通じないのかな?」

と、自分のリスニング力の低さを、勝手に相手のせいにして一人納得していると、間髪入れず、

「やっぱり高級ホテルのスタッフの英語って、エレガントな感じだね〜?」

と満足げなご両親…。

「そ、そ、そーですね〜」

と、その日は、すごすごと退散したのでありました。

こんなことを3回ほど繰り返した後、ちょびつき筆者は、ようやくホテルのスタッフが"Certainly, Madam."(奥様、承知いたしました) と言っていることに気付きました。

もちろん、マダムなんて呼ばれたことがないから分からなかった、とも言えますが、2008年は、世界中の国のいろいろな英語のアクセントに慣れ親しむ、楽しい1年にしたいものだ、と反省した次第です。

週刊STオンラインの読者の方には、発音の上達に努力しつつも、決して自分のアクセントに対して卑屈にならず、世界各地の情緒ある英語のアクセントをappreciate(味わう)できるような寛容さも併せ持っていただけたら、うれしいです。

つづく

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