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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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電子書籍版「ちょびつき留学英語日記」も発売中!

留学日記[作家編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈が、留学生活、ジャパンタイムズ電子メディア局部長を経て作家生活をスタート!子どものころからの夢だった『物書き』の日々を書いた「ちょびつき」留学日記・作家生活編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 14 : 初めての著書を捧げる人の巻 その2

『ちょびつき留学英語日記』の執筆が佳境に入り、出版まであとひと息というころ。本が出たらすぐ送れるようにと、エッセイの中にご登場いただいた先生方やお友だちの住所を調べたりして、プロモーションの準備も着々とすすめておりました。

ところが、大学を卒業してからすでに約10年の年月が経っています。中には、連絡先が分からなくなってしまった先生やお友だちも…。オンラインの連載「ちょびつき留学日記大学編」の第20回に登場するキムさんも、連絡が途絶えてしまったひとりでした。

キムさんといえば文学に関する知識や感性が素晴らしくて、私が将来物を書く仕事に就くことを、心から応援してくれたものです。あのときの真摯な励ましを思うと、どうしても初めての著書を送って感謝の気持ちを伝えたいと思いました。

キムさんは、大学だけでなく高校の先輩でもある人なので、どちらかの同窓生データベースで見つかるだろうと思っていました。けれども、私と同じ高校へ通ったのは1年だけだったのです。それも、私が高校に入学する前のことでした。コロンビア大学では、夏のセミナーで同じ講義を6週間受けただけなので、これまた同窓生のデータベースに存在しません。

それぞれの学校のお友だちにも、いろいろ聞いてみたのですが分からず、最後の手段として、ウォン君(「ちょびつき日記高校編」の第25回に登場)に電話してみました。

"You're looking for a Mr. Kim? How many people are called Kim in Korea!?"
(なに、キムさんを探したいって?韓国に何人キムさんがいると思っているの〜)

と、あきれ返っています。「あのね、はっきりいって、広い砂浜から一粒の塩を探すぐらい難しいですよ」とダメ出しが…(涙)。

"Won, I completely understand. That's why I'm asking you. You're always working miracles. Plus, there are so few guys who enjoy literature."
(ウォン君、それは、よく分かるけれど。だからこそ、お願いしているんだよ。いつも奇跡を起こしてくれるじゃないか。それに、文学が好きな人なんてあんまりいないから)

"Well, don't you have some more info? Like his social security number?"
(そんなこと言ってもね…じゃあ、もう少し詳しい情報ない?社会保障番号とか?)

"What!? Do I have to ask for his social security number before I ask for his name in Korea?"
(なぬぅ?! 韓国では、名前を聞く前に社会保障番号を聞かないとダメなの?)

というわけで、私は、ウォン君にもっと情報を提供しようと、物忘れのはげしい頭を使っていろいろ考えたのですが、

「あ、いちどカラオケに行ったことがあるよ、一緒に!」

と言ったら、ウォン君は、キムさんを見つける気力を完全に喪失してしまいました。

せめて生まれた年でも分かれば、と言われたのですが、分かるのは誕生日だけで、何年生まれかは、分かりません…。

こうなると、キムさんに、本を贈るのはあきらめないとなぁ、としゅんとしていると、ウォン君が、

"OK. I see. I understand you're desperate. I'll help you look."
(はいはい、分かりましたよ。必死だということがね。なんとかして探してみましょう)

そうは言ってくれたものの、私は、さすがに韓国から「文学が好きなキムさん」を探すのは無理だろうなと、がっかりしておりました。

ところがです!今日になって、キムさんからメールが来たのです!ウォン君が、韓国にある人探しのサイトを駆使して、私からの得たわずかの情報で、キムさんを探し出してくれたのです。

キムさんはなんと、その日、ニューヨーク大学から文学博士号をもらったと言うではないですか!いやいや、キムさんは文学博士になったし、私は本が出せたし…。めでたしめでたし。必死になってキムさんを見つけてくれたウォン君に朗報を知らせるのを忘れてしまうくらい(苦笑)感激した1日でした。

つづく

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